な
な
[副]
1 あとに動詞の連用形(カ変・サ変は未然形)を伴って、禁止の意を表す。…するな。
「妹があたり我(あ)は袖振らむ木の間より出て来る月に雲—たなびき」〈万・一〇八五〉
2 「な…そ」の形で、動詞の連用形(カ変・サ変は未然形)を間にはさんで、相手に懇願しつつ婉曲に禁止する意を表す。どうぞ…してくれるな。
な
な
[助動]
1 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の音変化「なん」の、撥音の無表記。→ななり →なめり →ならし
2 《中世語》断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の音変化。
な
[終助]
1 動詞・動詞型助動詞の終止形、ラ変型活用語の連体形に付く。禁止の意を表す。「油断する—」「まだ帰る—」
「かの尼君などの聞かむに、おどろおどろしく言ふ—」〈源・夕顔〉
2 《補助動詞「なさる」の命令形「なさい」の省略形》動詞・動詞型助動詞の連用形に付く。命令の意を表す。「早く行き—」「好きなようにやり—」
㋑(多く「なさい」「ください」「ちょうだい」などに付いて)命令をやわらげていう意を表す。「これください—」「お手伝いしてちょうだい—」
㋒相手の返答・同意を求めたり、念を押したりする意を表す。「君も行ってくれるだろう—」「早めに片付けよう—」
「こは常陸(ひたち)の宮ぞかし—、しか侍りと聞こゆ」〈源・蓬生〉
㋓感動・詠嘆の意を表す。「この暑さにはまいった—」「楽しい—」
「花の色はうつりにけり—いたづらにわが身世にふるながめせしまに」〈古今・春下〉
「帰るさに妹に見せむにわたつみの沖つ白玉拾(ひり)ひて行か—」〈万・三六一四〉
「梅の花今盛りなり思ふどちかざしにして—今盛りなり」〈万・八二〇〉
[間助]文末や、文中の種々の切れ目に用いる。語勢を添えて、自分の言葉を相手に納得させようとする気持ちを表す。「あの店は—、品物がいいんだ」「彼—、来られないんだって」
[格助]
「ま—かひに、もとなかかりて」〈万・八〇二〉
2 《格助詞「に」の音変化。上代東国方言》時間・場所を表す。に。
「草陰の安努(あの)(=地名)—行かむと墾(は)りし道安努は行かずて荒草立ちぬ」〈万・三四四七〉
[補説] 1は現在「まなこ(眼)」「みなと(港)」などの語にその形をとどめる。
[係助]係助詞「は」が直前の撥音「ん」と融合して音変化したもの。
な
な
な【▽七】
な【▽何】
な【×儺】
な【南】
な【名】
読み方:な
1 ある事物を他の事物と区別するために、それに対応するものとして与える、言語による記号。名前。
㋐一般に、その事物の呼び方。「人と—の付く生き物」「花の—」
㋑ただ一つしか存在しないものとしての、その事物の固有の呼び方。「富士という—の山」「—もない島」
㋒その人の、固有の呼び方。氏名。姓名。また、姓に対して、家の中でその人を区別する呼び方。「初対面で—を名乗る」「子に—を付ける」
2 集団・組織などを代表するものとして、表向きに示される呼び方。名義。「会社の—で登記する」
3
4
[下接語] 徒(あだ)名・渾(あだ)名・宛(あて)名・家名・一名・浮き名・氏(うじ)名・烏帽子(えぼし)名・大(おお)名・贈り名・幼(おさな)名・男名・替え名・隠し名・仮(か)名・唐(から)名・国名・源氏名・小路(こうじ)名・小(こ)名・醜(しこ)名・通り名・殿名・暖簾(のれん)名・又の名・真(ま)名・物の名・大和(やまと)名・呼び名・童(わらわ)名
な【奈】
な【▽字/名】
な【▽己/×汝】
な【納】
読み方:な
⇒のう
な【×肴】
な【菜】
な【那】
読み方:な
[常用漢字] [音]ナ(呉) [訓]なんぞ どれ どの
1 なんぞ。なに。どの。「那辺」
2 梵語・外国語の音訳字。「那落/支那・刹那(せつな)・檀那(だんな)」
[名のり]とも・ふゆ・やす
な【▽魚】
な 【名】
な
下北弁 | 意味 | 用例 | 用例の意味・備考 |
な | あなた、君、おまえ |
な、(ん)
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
---|---|---|
な、(ん) | なければ、なくては、 ねば、ないと、 なくちゃ、なきゃ | 否定助動詞「ぬ」の仮定形「ね」+助詞「ば」、「ねば」「にゃ」の転。ナ行音などの前につくと「ん」になる。せなあかん、行かな怒られる、もう寝な、せんならん。「なくては」の転じた「なくちゃ」や、「なければ」の転じた「なきゃ」は東京を中心とする関東方言。越後で「んば」。 |
な
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
---|---|---|
な | ね | 感嘆詞の「なあ」から。確認、納得、状況把握。敬語との併用もあり、目上に対して使っても失礼にはあたらない。ほんでな、きついな、食べんといてな、そうだんな、暑うおまんな、など。命令形にも使われ、はよせんかいな、何してんねんな、などはやわらかい命令となる。語尾はのばさない。最近の若い女性は東京メディアの影響で、標準語の「ね」や、標準語でもなんでもない東国方言の「さあ」を使う人が増えており、雅な大阪弁の基礎が崩れてしまっている。ちなみに「ねえ」は九州、琉球、「なあ」は、近畿、「のう」は北陸、東海、中国、四国、奥羽、北関東、「さあ」は、奥羽、関東、東山、東海などの言い方。上京人であふれかえる東京では「ねえ」「なあ」「よう」「さあ」が混在している。 |
な、なや
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
---|---|---|
な、なや | ないのだよ、 んじゃないよ | 「な」+「や」。禁止命令の「な」に程度を和らげる「や」がついた。連用形で接続するのがポイント。変なとこ触りな、もうあそこへは行きなや、もう落書きしなや。子供をなだめ叱るときなどに。 |
な、なあ
大阪弁 | 訳語 | 解説 |
---|---|---|
な、なあ | ね、ねえ hey; I'll telling you | 「ねえ」や「のう」よりも新しい、近畿を中心とした言い方。なあなあちょっと聞いてえな。な、わしの言うたとおりやったやろ? 泉南で「よう」、九州で「ねえ」、四国、中国で「のう」、近畿などで「なあ」、関東、奥羽、北海道で「さあ」、東京では上方の「なあ」の後に持ち込まれた九州の「ねえ」、さらに関東の「さあ」が話され、再命名されている。「のう」に「申し」が付いた紀南の「のし」、「のう」に「あんた」が付いた長門や周防の「のんた」、「なあ」に「申し」が付いた伊予の「なもし」や尾張の「なも」も同系列語。 |
ーや・ーな
・・な
《標準語》・・しなければ、・・でなければ
《用例》「書かな、いけん」(書かなければいけない)。
《用例》「はや行かな、遅れるがな」(早く行かないと、遅れるよ)。
《品詞(2)》終助詞。次の「な」は終助詞で、文末について命令形表現をやわらかくしたり、勧誘の意を示したりする。ほとんど標準語ですね。
《用例》「てごして、ごしなれな」(手伝ってくださいな)。
《用例》「まあ、やってみましょいな」(まあ、やってみましょうよ)。
《参照》鳥取弁における助動詞の用例、鳥取弁における助詞の用例
・・なあ、・・な
な
~な
な
な
納
姓 | 読み方 |
---|---|
納 | な |
(ん)な
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/26 02:08 UTC 版)
お前、の意。
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な
出典:『Wiktionary』 (2021/10/16 14:06 UTC 版)
名詞:名
な【名】
- 人や動物などにつけるその個体に固有の標識。名前。
- 事物につける個体に固有の標識。
- その山の名は北岳という。
- その物又は事を他の事物と区別するため、言語を用い、概念を代表して標識としたもの。
- ほまれ。名誉。名声。評判。
語源
類義語
複合語
成句・連語
翻訳
名詞:菜
な【菜】
類義語
翻訳
連体詞
助詞1
な 終助詞
類義語
関連語
助詞2
な 終助詞
語源
なさいの省略。
助詞3
な 終助詞
類義語
- なあ
感動詞
な
接尾辞・助動詞
な
- 形容動詞や、形容動詞型の活用をする助動詞の連体形を構成する活用語尾。
- 形容動詞や、形容動詞型の活用をする助動詞の終止に用いられる活用語尾。だと比べ詠嘆的なニュアンスがある。
- 一説には、断定の助動詞「だ」の連体形活用語尾。のやわけ、はず、ものなどにつく。
リンク
名詞:名
な【名】
発音
- な↘ぁ
語源
名詞:菜
な【菜】
発音
一拍名詞三類
- ↘なぁ
名詞:肴
な【肴】
名詞:魚
な【菜】
名詞:儺
な【儺】
類義語
- おにやらひ
- 追儺
副詞
な
語源
代名詞
な【汝】
助詞
な
派生語
名
名 |
菜
蔌
「な」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女に1か月会っていない
- 犬というものは忠実な動物だ
- いつか彼女は日本のマザーテレサになるだろう
- ジョージ・ルーカスという人があなたに会いにきました
- 驚きかもしれないけど,彼女とは別れたんだ
- 彼がそんなに急ぐにはそれなりの理由があった
- 異常な
- あの騒音には我慢がならない
- 彼にはその仕事をする力はないと思う
- 有能な人
- 彼は真っ赤になって怒った
- 彼は有能な弁護士だ
- 聡明な
- 快適な
- 異常な行動
- こんな暖かい陽気は2月にしては異常だ
- むなしい試み
- そのことについては本当に申し訳ないと思っている
- きみのことはあまり知らないけど,うまくやっていけそうだ
- 君と出かけるつもりはない
なと同じ種類の言葉
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