ぞ
「そ」の濁音。歯茎の有声破擦子音[dz]と母音[o]とから成る音節。[dzo]
[補説] 清音「そ」に対する濁音としては、本来、歯茎の有声摩擦子音[z]と母音[o]とから成る音節[zo]が相当するが、現代共通語では一般に[dzo]と発音する。しかし、[zo]とも発音し、両者は音韻としては区別されない。古くは[ʒo](あるいは[dʒo][dzo])であったかともいわれる。室町時代末には[zo]と発音され、近世江戸語以降[dzo]と発音された。
ぞ
[副助]
1 疑問を表す語に付いて、不定の意を表す。「どこ—で休んでいくか」
2 「よく」「つい」などの副詞に付いて、上の語を強調する意を表す。「よく—がまんしてくれた」「つい—見たことがない」
「梅の花折りかざしつつ諸人(もろひと)の遊ぶを見れば都し—思(も)ふ」〈万・八四三〉
2 上代、活用語の已然形に直接付き、中古以降は、その下に接続助詞「ば」を伴ったものに付いて、理由・原因を強調して示す意を表す。…からこそ。…からか。
「我(あ)が待ちし秋は来たりぬ妹(いも)と我(あれ)と何事あれ—ひも解かずあらむ」〈万・二〇三六〉
「いにしへも今も心のなければ—憂きをも知らで年をのみふる」〈後撰・恋六〉
3 文末用法。
㋐相手に告げ知らせる意を込めて強く断定する意を表す。…だ。…のだ。…であるぞ。
「ああしやごしや此(こ)は嘲咲(あざわら)ふ—」〈記・中・歌謡〉
㋑疑問の語とともに用いて、問いただす意を表す。→とぞ →もぞ
「ナゼニヲヌシワ何ヲモ知ラヌト言ウ—」〈天草本伊曽保・イソポが生涯〉
[終助]名詞、活用語の終止形、断定の助動詞「じゃ」「だ」などに付く。
1 自分の判断・決意を自分に言い聞かせ、念を押す意を表す。「これは弱った—」「うまくいった—」
2 自分の考えを強く主張し、念を押す意を表す。「そうはさせない—」「努力が肝心だ—」
3 推量の助動詞「う」「よう」、または名詞に付き、疑問の語と呼応して、反語・強調の意を表す。「そんな案をどうして承認できよう—」「国民の声を聞かずしてなんの政治家—」
[補説] 「ぞ」は本来、清音「そ」であったといわれ、上代から中古にかけて濁音化したという。係助詞「ぞ」が文中にある場合、「ぞ」を受ける文末の活用語は、原則として連体形で終わる(係り結びの法則)が、中世以降、その法則が衰え、となった。また、3の用法からが生じた。は近世以降の用法。なお、係助詞「ぞ」は、係助詞「こそ」よりは弱く、係助詞「なむ」よりは強く指示する意をもつといわれる。
ぞ
ぞ
ぞ
ぞ
「ぞ」の例文・使い方・用例・文例
- 黙っていると罪を認めたことになるぞ
- どうぞよろしくお願いいたします
- もう一歩でも動いてみろ,命はないぞ
- きょうの新聞はこぞって政府の新政策を攻撃した
- 下がれ!爆発するぞ
- 我々のチームは前回の試合に1ゴール差で負けた.次回はもっとがんばるぞ
- 有り金全部渡した方が身のためだぞ
- あなたは仕事の仕方がぞんざいだ
- みぞれは今夜遅く雪に変わるだろう
- 私はぞっとした
- ここから出て行け,さもないと警察を呼ぶぞ
- 彼はぬれたぞうきんで床をふいた
- 金曜日までに金を払ったほうがいいぞ!
- さあ急ごう,でないと遅れるぞ
- 中へどうぞ,お待ちしておりました
- どうぞアンケート用紙に記入してください
- ヘビを見るとぞっとする
- あの絵を見るといつもぞっとする
- あいつなんぞ二度と助けてやるものか
- 好みは人それぞれ違うもの;たで食う虫も好き好き
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