蝦夷とは?

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えぞ【蝦夷】

【一】古代北陸関東北部から北海道にかけて居住した人々大和政権から異民族視され、大化の改新後は朝廷征討によってしだいに北方に追われ、しばしば抵抗した。えみし。

【二】蝦夷地(えぞち)


えみし【蝦夷】

「えぞ(蝦夷)」の古称


えぞ【蝦夷】

1 古代東北地域に住み、中央異なる生活、文化様式を有し、中央政府に服さなかった集団

久安百首(1153)秋上「えぞがすむつがるの野べの盛りこや錦木のたてるなるらん〈藤原親隆〉」

2 北海道樺太(からふと)(サハリン)、千島などを総称した古名(一)居住する地。蝦夷地。夷地。狄地。渡島

蔭凉軒日録文明七年(1485)九月四日一昨日尋夷之字、愚不之。問小補和尚。則夷楚島真実者之。又或曰、釈書蝦夷国同事云々。愚如此書以献之」

[語誌](1)(一)の例よりも、(二)を指す例の方が多く見られる
(2)鎌倉幕府第二執権北条義時の頃から代々蝦夷管領世襲した安東)氏の譲状に「えそのさた」とある〔安藤宗季譲状正中二年(一三二五)九月十一日〕。
(3)江戸時代には、現在の北海道は「蝦夷地(えぞち)」または「蝦夷島(えぞがしま)」と呼ばれていた。→「えびす(夷)」の語誌


えみし【蝦夷】

〔名〕 上代東部日本に住み、中央政府に服さなかった部族。「人」の意のアイヌ語 emchiu enchu に由来する語で、アイヌをさすとする説と、特定の異種ではなく中央政府に服さなかった東部日本住民全体をさすとする説がある。えみす。

書紀720神武即位前・歌謡「愛瀰詩(エミシ)を 一人(ひだり) 百(もも)な人 人は云へども 抵抗(たむかひ)もせず」

[語誌]→「えびす(夷)」の語誌


えびす【夷・蝦夷・戎】

〔名〕 (「えみし(蝦夷)」の変化した語)

古代アイヌ。えぞ。えみし。

月清集(1204頃)上「わが思ふ人だにすまばみちのくのえびすの里もうとき物かは」

② 都から遠く離れ未開人野蛮人異国人

肥前風土記(732‐739頃)総記遠く西の戎(えびす)を誅(つみな)ふに」

③ (おもに京都から東国をさして) 情趣を解しない田舎者荒々しい武士東蝦夷

徒然草1331頃)八〇「夷(えびす)は弓引く術(すべ)知らず

外国未開の地また、そこに住む人蛮夷(ばんい)。戎狄(じゅうてき)。

宇津保(970‐999頃)国譲下「えびすなりとも、わが宮をばとおぼしつつ」

今昔1120頃か)九「勅を奉(うけたまはり)て夷域(えびすのさかひ)に行く」

[語誌](1)エミシ→エミス→エビス、と変化したもの平安時代初期には既に「えびす」が一般的になっていたようである。
(2)坂上田村麻呂らの征討経て平安初期には、大和朝廷敵対する勢力ではなくなったため、徐々に政治的意味あいが薄れ文化的側面強調されるようになった
(3)①の意では平安中期以降、「えぞ」が用いられるようになる。
(4)江戸時代になると、「えびす」は、文語として意識され、「えびす男」「えびす心」等、複合語中に残るか、または雅語的な表現中にのみ用いられ、日常語ではなくなる。要因としては、今日同語源ともいわれる七福神の「えびす」との同音衝突考えられる


蝦夷

読み方:エミシ(emishi)

古代に、北関東から東北北海道にかけて住み、朝廷支配服属しなかった人々


蝦夷

読み方:エゾezo

(1)古代東北北海道地方朝廷服属しなかった人々
(2)近世アイヌ人々異称、また蝦夷地の略。


蝦夷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/20 03:27 UTC 版)

蝦夷えみしえびす、えぞ)は、大和朝廷から続く歴代の中央政権から見て、日本列島東国(現在の関東地方東北地方)や、北方(現在の北海道樺太)などに住む人々の呼称である[1]


注釈

  1. ^ 高橋崇は蝦夷の自称とは言わないが、中国側が呼んだものとしてこの説に傾く[14]
  2. ^ 工藤雅樹もこれを支持する[16]
  3. ^ 下線部「「」は田へんに「比」の一文字、「」は「」(にんべん)に「嚢」の一文字。
  4. ^ 東部日本では、山中の背の高い「異人」を大人(おおひと)と呼んでいたという[46]
  5. ^ ただし中世の蝦夷に含まれる渡党という集団は、文化的には近世アイヌに酷似しているが、その実体については諸説あり、青苗文化人の後裔とも、和人が土着化したものとの説もある。渡党の出自が何であれ、かれらは道南で和人の支配体制に取り込まれ、次第に和人化していったとも言われる。
  6. ^ 北海道渡島半島の住民で、津軽海峡を往来する交易集団。
  7. ^ 北海道太平洋側(近世の東蝦夷)の住民で、千島方面の産物をもたらした交易集団と推定される。
  8. ^ 北海道日本海側(近世の西蝦夷)の住民で、樺太(唐太)とつながり、中国の産品をもたらした交易集団と推定される。

出典

  1. ^ a b c 「エミシ」と「エゾ」”. 青森県立郷土館. 2021年4月5日閲覧。
  2. ^ 高橋 1974, p. 33.
  3. ^ 高橋 1986, pp. 25–26; 工藤 2001, p. 26.
  4. ^ 『日本書紀』神武天皇即位前紀。
  5. ^ 高橋 1974, p. 23; 高橋 1969, p. 49; 工藤 2001, p. 33.
  6. ^ 高橋 1974, p. 23; 高橋 1969, pp. 49–50.
  7. ^ 金田一 2004, pp. 64–65, 110–116, 126.
  8. ^ 高橋 1974, pp. 27–28; 高橋 1969, pp. 52–53.
  9. ^ 『山海経』第9海外東経(平凡社ライブラリー 132-133頁)。[要文献特定詳細情報]
  10. ^ 工藤 2001, pp. 46–47.
  11. ^ 高橋 1986, p. 16.
  12. ^ 高橋 1974, pp. 32–33.
  13. ^ 松浦武四郎『天塩日記』
  14. ^ 高橋 1986, pp. 20–21.
  15. ^ 金田一 2004, pp. 116, 127.
  16. ^ 工藤 2001, pp. 117–118.
  17. ^ 高橋 1974, pp. 32–33; 高橋 1969, p. 50.
  18. ^ 高橋 1969, p. 53.
  19. ^ 高橋 1986, pp. 22–24.
  20. ^ 高橋 1986, pp. 12–13(81例中14)
  21. ^ 『日本後紀』延暦16年2月己巳(13日)条。
  22. ^ 熊田 1986, pp. 162–165.
  23. ^ 蝦夷は、倭・高句麗戦争直後から日本へもたらされたおよび高句麗由来もしくは類似した騎射の技を、和人よりも上手に習得していった。
  24. ^ 滝沢規朗. “概説2 新潟県の弥生時代後期~古墳時代前期 (PDF)”. 新潟県. 2019年6月2日閲覧。
  25. ^ 春日真実. “概説3 新潟県の古墳時代中期~後期 (PDF)”. 新潟県. 2019年6月2日閲覧。
  26. ^ Ⅱ-2 考古学 (PDF)”. 新潟大学附属図書館. 2016年3月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月2日閲覧。
  27. ^ 記念講演2「東北からみた古津八幡山古墳」 菊地芳朗(福島大学) (PDF) [リンク切れ], シンポジウム「蒲原平野の王墓古津八幡山古墳を考える‐1600年の時を越えて‐」を開催しました”. 新潟市. 2014年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月2日閲覧。
  28. ^ 藤澤敦「小規模墳の消長に基づく古墳時代政治・社会構造の研究」平成15年度-平成17年度科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書,課題番号:15520473、2006年3月、2021年10月1日閲覧。
  29. ^ a b 国指定史跡 菖蒲塚古墳”. 新潟市. 2017年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月2日閲覧。
  30. ^ 山辺 歴史散歩 第293話 (PDF)”. 山辺町. 2014年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月2日閲覧。
  31. ^ 胆沢のクニの始まり”. いわての文化情報大事典. 岩手県. 2019年6月2日閲覧。
  32. ^ 福島県喜多方市 灰塚山古墳第3次発掘調査報告 (PDF)”. 東北学院大学. 2019年6月2日閲覧。
  33. ^ 川崎利夫. “最上川流域における古墳の出現と展開 (PDF)”. 国土交通省東北整備局山形河川国道事務所. 2019年6月2日閲覧。
  34. ^ 大塚初重「東北日本における古墳文化の成立と展開:とくに福島・宮城・山形県を中心として」『駿台史学』第67巻、駿台史学会、1986年3月、 90-118頁、 ISSN 05625955NAID 120001442149
  35. ^ 熊谷 1986, p. 90.
  36. ^ 熊谷 1986, pp. 87–90.
  37. ^ ただし渡嶋については、北海道南西部は、考古学的に古代の馬の骨は発見されておらず詳細は不明である。
  38. ^ 類聚三代格』巻19
  39. ^ 森嘉兵衛『県史シリーズ』3、山川出版社、1972年。[要ページ番号]内容:岩手県の歴史。
  40. ^ 『日本全史(ジャパン・クロニック)』宇野俊一ほか、講談社、1991年、141頁。ISBN 4-06-203994-X
  41. ^ a b 小泉保『縄文語の発見』青土社、1998年。ISBN 4791756312[要ページ番号]
  42. ^ 高橋克彦『東北・蝦夷の魂』現代書館、2013年。ISBN 9784768457009[要ページ番号]
  43. ^ De Boer, E., Yang, M., Kawagoe, A., & Barnes, G. (2020). Japan considered from the hypothesis of farmer/language spread. Evolutionary Human Sciences, 2, E13. doi:10.1017/ehs.2020.7.
  44. ^ 『古代に真実を求めて』第7集、古田史学の会、明石書店〈古田史学論集〉、2004年。ISBN 4750318981[要ページ番号]
  45. ^ 柳田国男「第25章」『山の人生』岩波書店〈岩波文庫〉、2019年6月2日。[要文献特定詳細情報]
  46. ^ 柳田国男『山の人生』第29章。[要文献特定詳細情報]
  47. ^ a b 中村昻「第六章 第二節」『金髪碧眼の鬼達』JDC出版、2015年。ISBN 978-4-89008-536-1
  48. ^ “オホーツク人のDNA解読に成功ー北大研究グループー”. 北海道新聞. (2012年6月18日). http://www.okhotsk.org/news/oho-tukujin.html 


「蝦夷」の続きの解説一覧

蝦夷

出典:『Wiktionary』 (2015/10/25 08:58 UTC 版)

名詞

(えみし、えびす

  1. 古代日本関東から東北地方に住んでいた一部族、えみし。

関連語

固有名詞

(えぞ)

  1. 北海道樺太千島旧称蝦夷地とも。



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