宋書とは? わかりやすく解説

そうしょ【宋書】

読み方:そうしょ

中国二十四史の一。南朝宋歴史記したもの。南朝梁沈約(しんやく)らが斉の武帝の勅によって撰。488年完成帝紀10巻・志30巻・列伝60巻の全100巻。


宋書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 00:35 UTC 版)

宋書』(そうじょ、そうしょ)は、中国南朝の60年間について書かれた歴史書。宋・に仕えた沈約441年 - 513年)が南朝斉の武帝に命ぜられて編纂した。本紀10巻・列伝60巻・志30巻の計100巻からなる紀伝体二十四史の一つ。

南朝宋のうちに何承天・山謙之・蘇宝生・徐爰らが『宋書』を書いており、沈約はそれらを元に作業することができた[1]。本紀・列伝は1年ほどで完成したが、志の完成には10年の歳月がかかり、完成は梁代に入ってからになる[2]。南朝宋が滅亡(479年)して間もない、まだ多くの関係者が存命の時代に編纂されたために同時代資料を多く収録しており、資料的価値は高い。

北宋の時代には欠落が多くなっていたため、『南史』や高氏(高峻)『小史』などの書を使って補ったという[3]

日本については「夷蛮伝」(いばんでん)の記述の中に、倭の五王と呼ばれる日本の支配者から朝貢が行われたことが記されており、この時代の日本の貴重な資料となっている。なお、「夷蛮伝」は早くに散逸し、遠く10世紀趙匡胤宋代に補われた可能性が指摘されている[4]

内容

本紀

  1. 本紀第一 - 武帝
  2. 本紀第二 - 武帝中
  3. 本紀第三 - 武帝下
  4. 本紀第四 - 少帝
  5. 本紀第五 - 文帝
  6. 本紀第六 - 孝武帝
  7. 本紀第七 - 前廃帝
  8. 本紀第八 - 明帝
  9. 本紀第九 - 後廃帝
  10. 本紀第十 - 順帝

  1. 志第一 - 志序・律暦上
  2. 志第二 - 律暦中
  3. 志第三 - 律暦下
  4. 志第四 - 礼一
  5. 志第五 - 礼二
  6. 志第六 - 礼三
  7. 志第七 - 礼四
  8. 志第八 - 礼五
  9. 志第九 - 楽一
  10. 志第十 - 楽二
  11. 志第十一 - 楽三
  12. 志第十二 - 楽四
  13. 志第十三 - 天文一
  14. 志第十四 - 天文二
  15. 志第十五 - 天文三
  16. 志第十六 - 天文四
  17. 志第十七 - 符瑞上
  18. 志第十八 - 符瑞中
  19. 志第十九 - 符瑞下
  20. 志第二十 - 五行一
  21. 志第二十一 - 五行二
  22. 志第二十二 - 五行三
  23. 志第二十三 - 五行四
  24. 志第二十四 - 五行五
  25. 志第二十五 - 州郡一
  26. 志第二十六 - 州郡二
  27. 志第二十七 - 州郡三
  28. 志第二十八 - 州郡四
  29. 志第二十九 - 百官上
  30. 志第三十 - 百官下

列伝

  1. 列伝第一 后妃 - 孝穆趙皇后孝懿蕭皇后武敬臧皇后武帝張夫人少帝司馬皇后武帝胡婕妤文元袁皇后文帝路淑媛孝武文穆王皇后前廃帝何皇后文帝沈婕妤明恭王皇后明帝陳貴妃後廃帝江皇后明帝陳昭華順帝謝皇后
  2. 列伝第二 - 劉穆之王弘
  3. 列伝第三 - 徐羨之傅亮檀道済
  4. 列伝第四 - 謝晦
  5. 列伝第五 - 王鎮悪檀韶向靖劉懐慎劉粋
  6. 列伝第六 - 趙倫之王懿張邵
  7. 列伝第七 - 劉懐粛孟懐玉劉敬宣檀祗
  8. 列伝第八 - 朱齢石毛脩之傅弘之
  9. 列伝第九 - 孫処蒯恩劉鍾虞丘進
  10. 列伝第十 - 胡藩劉康祖垣護之張興世
  11. 列伝第十一 宗室 - 長沙景王道憐臨川烈武王道規営浦侯遵考
  12. 列伝第十二 - 庾悦王誕謝景仁謝述袁湛袁豹褚淡之褚叔度
  13. 列伝第十三 - 張茂度・庾登之・謝方明江夷
  14. 列伝第十四 - 孔季恭羊玄保沈曇慶
  15. 列伝第十五 - 臧燾徐広傅隆
  16. 列伝第十六 - 謝瞻孔琳之
  17. 列伝第十七 - 蔡廓
  18. 列伝第十八 - 王恵・謝弘微・王球
  19. 列伝第十九 - 殷淳張暢何偃江智淵
  20. 列伝第二十 - 范泰王准之王韶之荀伯子
  21. 列伝第二十一 武三王 - 廬陵孝献王義真江夏文献王義恭衡陽文王義季
  22. 列伝第二十二 - 羊欣張敷・王微
  23. 列伝第二十三 - 王華王曇首殷景仁沈演之
  24. 列伝第二十四 - 鄭鮮之・裴松之何承天
  25. 列伝第二十五 - 吉翰劉道産杜驥申恬
  26. 列伝第二十六 - 王敬弘・何尚之
  27. 列伝第二十七 - 謝霊運
  28. 列伝第二十八 武二王 - 彭城王義康・南郡王義宣
  29. 列伝第二十九 - 劉湛范曄
  30. 列伝第三十 - 袁淑
  31. 列伝第三十一 - 徐湛之・江湛・王僧綽
  32. 列伝第三十二 文九王 - 南平穆王鑠建平宣簡王宏晋熙王昶始安王休仁晋平剌王休祐鄱陽哀王休業臨慶沖王休倩新野懐王夷父巴陵哀王休若
  33. 列伝第三十三 - 顔延之
  34. 列伝第三十四 - 臧質魯爽沈攸之
  35. 列伝第三十五 - 王僧達顔竣
  36. 列伝第三十六 - 朱修之宗愨王玄謨
  37. 列伝第三十七 - 柳元景顔師伯・沈慶之
  38. 列伝第三十八 - 蕭思話劉延孫
  39. 列伝第三十九 文五王 - 竟陵王誕廬江王禕武昌王渾海陵王休茂桂陽王休範
  40. 列伝第四十 孝武十四王 - 豫章王子尚晋安王子勛松滋侯子房臨海王子頊始平孝敬王子鸞永嘉王子仁始安王子真邵陵王子元斉敬王子羽淮南王子孟晋陵孝王子雲南海哀王子師淮陽思王子霄東平王子嗣武陸王賛
  41. 列伝第四十一 - 劉秀之顧琛顧覬之
  42. 列伝第四十二 - 周朗・沈懐文
  43. 列伝第四十三 - 宗越呉喜黄回
  44. 列伝第四十四 - 鄧琬・袁顗・孔覬
  45. 列伝第四十五 - 謝荘・王景文
  46. 列伝第四十六 - 殷孝祖・劉勔
  47. 列伝第四十七 - 蕭恵開・殷琰
  48. 列伝第四十八 - 薛安都沈文秀崔道固
  49. 列伝第四十九 - 袁粲
  50. 列伝第五十 明四王 - 邵陵殤王友随陽王翽新興王嵩始建王禧
  51. 列伝第五十一 孝義 - 龔穎・劉瑜・賈恩・郭世道・厳世期・呉逵・潘綜・張進之・王彭・蔣恭・徐耕・孫法宗・范叔孫・卜天与・許昭先・余斉民・孫棘・何子平
  52. 列伝第五十二 良吏 - 王鎮之杜慧度徐豁陸徽阮長之江秉之
  53. 列伝第五十三 隠逸 - 戴顒・宗炳・周続之・王弘之・阮万齢・孔淳之・劉凝之・龔祈・翟法賜・陶潜・宗彧之・沈道虔・郭希林・雷次宗朱百年王素関康之
  54. 列伝第五十四 恩倖 - 戴法興戴明宝徐爰阮佃夫王道隆楊運長
  55. 列伝第五十五 索虜 - 北魏
  56. 列伝第五十六 鮮卑吐谷渾 - 吐谷渾
  57. 列伝第五十七 夷蛮 - 林邑国扶南国師子国天竺高句驪国百済国倭国・荊雍州蛮・豫州蛮
  58. 列伝第五十八 氐胡 - 略陽清水氐楊氏胡大沮渠蒙遜
  59. 列伝第五十九 二凶 - 元凶劭始興王濬
  60. 列伝第六十 自序 - 沈警沈田子沈亮沈林子沈邵沈璞沈伯玉

脚注

  1. ^ 『宋書』巻百・自序に引く上表文
  2. ^ 「楽志」で鄒衍を「鄒羨」と書き、南朝梁の武帝蕭衍の名を避諱しているなどの理由により、志が南朝梁に完成したことがわかる
  3. ^ 四庫全書総目提要』宋書一百巻
  4. ^ 石井正敏 (2005年6月). “5世紀の日韓関係 - 倭の五王と高句麗・百済 -”. 日韓歴史共同研究報告書(第1期) (日韓歴史共同研究): p. 167. オリジナルの2015年10月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151018092747/http://www.jkcf.or.jp/history_arch/first/1/1-03-ishii_j.pdf 

参考文献

関連項目


宋書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/29 06:44 UTC 版)

「珍」の記事における「宋書」の解説

ウィキソースに宋書倭国伝の原文あります『宋書』列伝 夷蛮倭国の条(宋書倭国伝)では、兄の讃の死後に珍が王に立ち、宋に遣使貢献し「使持節 都督倭・百済新羅任那秦韓・慕韓六国諸軍安東大将軍 倭国王」と自称して上表文奉り除正を求めたところ、文帝は「安東将軍 倭国王」とするよう詔したとするまた、珍が倭隋13人に対する平西・征冠軍・輔国将軍号の除正も求めたところ、文帝は詔して全て認めたとする。 『宋書』本紀 文帝紀 元7年430年正月是月条では、倭国王が遣使して方物(地方名産物)を献上したとする(讃または珍の遣使か)。 また文帝紀 元15年438年己巳条では、倭国王の珍を「安東将軍」となしたとする。 さらに文帝紀 元15年438年)是歳条では、武都王・河南国・高麗国・倭国扶南国林邑国が遣使して方物を献上したとする。

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