道央
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道央(どうおう)とは、北海道の地域区分の1つであり、その主要部を指す言葉。
範囲

明確な定義づけはないが、以下の地域が道央とされる場合がある。
例えば、北海道庁による「地域生活経済圏」では、札幌市の小売商圏の札幌経済圏とされる石狩・空知・後志・胆振・日高の5支庁を「道央圏」としており[1]、市場規模は約340万人に及ぶ。経済圏の詳細は札幌経済圏を参照。また札幌地方裁判所の管轄区域は、石狩振興局・日高振興局・空知総合振興局・胆振総合振興局・後志総合振興局(ただし寿都郡寿都町、黒松内町、島牧郡島牧村を除く)となっている。
しかし以下に見るように、胆振総合振興局、日高振興局は道央ではなく道南に分類される場合がある。 逆に上川総合振興局(特に旭川・富良野地域)や留萌振興局(留萌地域)、さらには十勝総合振興局(帯広地域)までも道央に含められる場合がある。
例えば胆振管内の室蘭市に本社を置く道南バスの主な営業地域は胆振・日高管内であり[2]、また国土交通省「川の防災情報」は、胆振・日高とともに後志も道南として扱っている[3]。これと似た事例で、旭川市に本社を置き社名に道央を冠する企業も存在する[4]。国土交通省の地価公示では、上川総合振興局の塩狩峠以南[5]を、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構でも同様に、上川盆地や富良野盆地など上川管内南部を道央(道央水田地帯)の一部としている[6]。さらに農林水産省の地方組織である北海道農政事務所では上川総合振興局・留萌振興局全域を道央に含めている[7]。観光業界ではまた特異な地域区分も見られ、上川管内南部の富良野地区を道央に含めたもの[8]、さらに旭川地区をも含めたもの[9]、さらには上川管内のほか十勝総合振興局管内まで道央に含めたものまである[10]。一方「道央」を地図上の北海道中央部である上川・空知管内に置き、胆振・日高のほか後志・石狩まで道南に含める道外観光業界もある[11]。
人口・面積
道央の面積は北海道全体の2割強にすぎないが、人口は北海道全体の6割あまりに及ぶ。
人口 | 3,403,142 人 |
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面積 | 22,146.85 km2 |
人口密度 | 153.66 人/km2 |
脚注
- ^ 北海道農政事務所 札幌地域拠点 管内概要
- ^ 道南バスのホームページ(本社、胆振管内室蘭市)
- ^ 国土交通省 【川の防災情報】 観測所選択(後志・胆振・日高を道南に加えている)
- ^ (株)道央通商旭川…本社が旭川にある企業
- ^ 標準地・基準地検索システム~国土交通省地価公示・都道府県地価調査~ <検索地域選択(都道府県)>
- ^ “道央水田地帯における農業構造の将来動向予測”. 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構. 2016年10月16日閲覧。
- ^ “グラフで見る北海道の農業 - 北海道農業の地域特性 - 1.道央地域” (PDF). 北海道農政事務所. 2016年10月16日閲覧。
- ^ 地球の歩き方[日本の歩き方] 2011年11月14日閲覧。
- ^ まっぷる観光ガイド(2012年1月1日時点のアーカイブ) 2011年11月14日閲覧。
- ^ 北海道の観光ガイド(2012年1月14日時点のアーカイブ) 2011年11月14日閲覧。北海道の観光ガイド 旅!北海道 道央地域 2011年11月14日閲覧。
- ^ 近畿日本ツーリスト 北海道旅行(ツアー) 2011年11月14日閲覧。
- ^ 数値は2010年国勢調査確定値、2010年全国都道府県市区町村別面積調
関連項目
- 和人地(日本海側では、現在の小樽市まで含まれた。)
- 後志国
- 胆振国
- 石狩国
- 日高国
- 塩狩峠(北緯44度付近にある、道北(天塩国)との境界)
- 北見峠(道東(北見国・オホーツク管内)との境界)
- 石北峠(道東(北見国・オホーツク管内)との境界)
- 狩勝峠(道東(十勝国・十勝管内)との境界)
- 日勝峠(道東(十勝国・十勝管内)との境界)
- 道南
- 道北
- 道東
- 県央
- 札幌都市圏
- 日胆
外部リンク
- 道央地域 - 北海道の観光ガイド 旅!北海道
道央
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 09:33 UTC 版)
日本海側か太平洋側かによって大きく気候は異なる。日本海側は夏・冬ともに気温が高く、太平洋側は低い。石狩平野はその中間点でもあるが、山地によって隔たれないために明確な境界線は引きにくい。しかし、札幌市清田区から千歳市にかけてが日本海側気候と太平洋側気候の混合地帯とされる。ケッペンの気候区分ではほぼ全域が冷帯湿潤気候に属するが、積丹半島南部以南の日本海側沿岸部、室蘭市のある絵鞆半島、日高地方の浦河以南から襟裳岬にかけての太平洋沿岸部が温帯に属し西岸海洋性気候とされることもある。 日本海側 道央の広い範囲が日本海側気候に属する。冬季は特に沿岸部で温暖であるが、降雪量、積雪量ともに多く、豪雪地帯となる。季節風も強いため、石狩平野などでは地吹雪となることもある。また、爆弾低気圧が直撃すると、一晩で 1 m 以上の豪雪を記録することがある。しかし、日照時間が少なく、放射冷却が起きにくいために、特に沿岸部では冷え込みは緩い。内陸の滝川や深川など空知北部は非常に寒冷・豪雪で、気温はしばしば‐25度を下回る寒さとなる。後志の羊蹄山周辺も冬季は豪雪地帯となり寒さも非常に厳しいため良質なパウダースノーを擁した世界屈指のスキーリゾート地となっている。一方、夏季は太平洋側に比べると比較的暑くなり、猛暑日こそないものの札幌では都市気候の影響を受け、特に近年は最低気温が下がりにくくなっている(ケッペンの気候区分では、札幌はDfaに属する)。降水量が最も少ないのが6月である。 恵庭・千歳などの位置する石狩平野南部や馬追丘陵の地域から南へ行くほど太平洋側気候の影響が強くなり、夏季は冷涼、冬季は寒さが非常に厳しく、-20度以下の冷え込みが続くこともあるが積雪は比較的少なく日照時間も比較的多く、穏やかな気候である。 太平洋側 胆振・日高の太平洋側は夏は冷涼であり、沿岸部では30度を超えることは非常に少ない。これは南方から吹きつける高温多湿の熱風が親潮の上を通って冷やされるためで、沿岸の町は海霧に覆われることも多い。冬季は伊達や室蘭のある胆振西部や日高南部の沿岸部は温暖な一方、内陸部は放射冷却により冷え込み、夜間や朝方は-25度まで下がることも少なくないが、雪は多くない。特に沿岸部は冬の日照時間も多く日中は比較的暖かくなるため、一年を通じて穏やかで過ごしやすい気候と言える。 夏から秋にかけては、年間のうち最も降水量が多く、オロフレ山系の南東側にあたる登別市や白老町では短時間に大雨をもたらすことがある。また、噴火湾に面した豊浦町などがある胆振地方北西部や伊達市の旧大滝村地区、洞爺湖町の旧洞爺村地区などの胆振内陸部は、日本海側気候であり、降雪量が多く特別豪雪地帯に指定されている。 道央 (1) (後志・胆振・日高)各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報)平年値(月単位)後志・日本海沿岸部後志・内陸胆振・太平洋沿岸部小樽余市積丹町美国神恵内共和寿都蘭越黒松内倶知安喜茂別真狩豊浦町大岸伊達室蘭登別平均気温(℃)最暖月21.6(8月) 21.3(8月) 20.4(8月) 21.6(8月) 21.4(8月) 21.0(8月) 20.9(8月) 20.6(8月) 20.5(8月) 19.7(8月) 18.9(8月) 20.5(8月) 20.5(8月) 19.5(8月) 最寒月-3.5(1月) -4.2(1月) -4.3(1月) -2.7(1月) -3.5(1月) -2.6(1月) -4.6(1月) -4.7(1月) -6.0(1月) -7.6(1月) -7.0(1月) -4.4(1月) -2.2(1月) -4.4(1月) 降水量(mm)最多月141.4(10月) 161.8(10月) 244.7(11月) 141.0(10月) 117.4(9月) 145.8(10月) 139.1(9月) 192.0(9月) 193.4(12月) 151.5(8月) 158.9(8月) 172.8(8月) 205.9(8月) 362.0(8月) 最少月49.2(6月) 44.1(6月) 50.0(6月) 53.6(6月) 38.8(3月) 52.6(6月) 50.8(6月) 76.3(6月) 54.1(6月) 49.2(6月) 56.1(6月) 61.3(3月) 48.2(2月) 47.5(2月) 平年値(月単位)胆振・太平洋沿岸部胆振・内陸日高・内陸日高・太平洋沿岸部白老苫小牧むかわ町鵡川伊達市大滝白老町森野厚真むかわ町穂別日高新ひだか町新和浦河町中杵臼日高町日高門別新ひだか町静内新ひだか町三石浦河えりも町えりも岬平均気温(℃)最暖月19.9(8月) 20.3(8月) 20.2(8月) 19.0(8月) 19.3(8月) 20.2(8月) 20.3(8月) 20.1(8月) 20.5(8月) 19.8(8月) 20.2(8月) 19.9(8月) 19.8(8月) 17.4(8月) 最寒月-4.4(1月) -4.1(1月) -6.6(1月) -7.6(1月) -5.4(1月) -7.3(1月) -8.8(1月) -8.0(1月) -7.4(1月) -6.8(1月) -5.7(1月) -5.0(1月) -2.8(1月) -2.7(2月) 降水量(mm)最多月293.1(8月) 212.4(8月) 179.6(8月) 198.3(8月) 393.5(9月) 179.7(8月) 202.3(8月) 199.7(8月) 205.1(8月) 241.6(8月) 178.0(8月) 197.7(8月) 161.7(8月) 140.5(8月) 最少月36.0(2月) 32.5(2月) 23.4(2月) 85.2(2月) 62.8(2月) 28.2(2月) 31.4(2月) 41.1(2月) 33.6(2月) 40.4(2月) 19.1(2月) 28.1(2月) 26.9(2月) 18.3(2月) 表内の平均気温の太字は最寒月の平均気温が‐3度以上(西岸海洋性気候)の値を表す。 道央 (2) (石狩・空知)各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報)平年値(月単位)石狩・日本海沿岸部石狩・内陸石狩市浜益石狩市厚田石狩札幌市山口札幌新篠津江別恵庭千歳千歳市支笏湖畔平均気温(℃)最暖月21.2(8月) 20.7(8月) 20.6(8月) 21.3(8月) 22.0(8月) 20.6(8月) 20.4(8月) 19.3(8月) 最寒月-3.7(1, 2月) -4.3(1月) -4.7(1月) -4.5(1月) -4.1(1月) -6.7(1月) -6.8(1月) -5.0(1月) 降水量(mm)最多月146.0(10月) 138.1(10月) 142.2(9月) 125.0(9月) 137.6(9月) 147.5(8月) 179.9(8月) 273.2(9月) 最少月49.7(6月) 52.8(3月) 42.2(6月) 40.5(6月) 51.4(6月) 51.5(4月) 49.6(2月) 66.5(2月) 平年値(月単位)空知沼田町石狩沼田深川新十津川町空知吉野滝川芦別美唄月形岩見沢長沼夕張平均気温(℃)最暖月20.5(8月) 20.6(8月) 20.4(8月) 20.7(8月) 21.4(8月) 21.1(8月) 20.4(8月) 21.2(8月) 20.9(8月) 19.7(8月) 最寒月-8.0(1月) -7.7(1月) -7.4(1月) -7.4(1月) -6.9(1月) -6.7(1月) -6.3(1月) -5.9(1月) -6.8(1月) -7.0(1月) 降水量(mm)最多月147.0(11月) 137.9(8月) 201.1(11月) 154.5(9月) 140.6(11月) 157.0(8月) 161.6(11月) 152.4(8月) 165.6(8月) 148.5(9月) 最少月53.0(4月) 47.9(2月) 77.7(4月) 55.5(2月) 54.3(2月) 57.2(4月) 61.7(6月) 56.9(3月) 53.1(6月) 71.4(6月) 表内の平均気温の太字は最暖月の平均気温が22度以上の値を表す。
※この「道央」の解説は、「北海道の気候」の解説の一部です。
「道央」を含む「北海道の気候」の記事については、「北海道の気候」の概要を参照ください。
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