七つの大罪
「七つの大罪」は、鈴木央(すずき-なかば)の漫画作品、および、同作品を原作とするアニメ作品等のタイトルである。キリスト教の「七人の大罪」になぞらえた7名のキャラクターが騎士団を結成して立ち回るダークファンタジーである。
マンガ「七つの大罪」は、「週刊少年マガジン」で2012年に連載が開始された。2020年に完結。講談社漫画賞を受賞している。コミックスは全41巻。2021年に続編の連載が始まっている。
マンガ「七つの大罪」は、テレビ・映画・ゲーム等のメディアミックスも多数展開されている。2014年にテレビアニメ化され、以後2021年までに第4期までアニメ版が制作されている。2018年にはアニメ映画が公開された。2021年には原作者によるストーリー描き下ろしの新作アニメ映画が公開された。ゲーム化は家庭用ゲーム機やスマホ向けに複数作品が製作された。
七つの大罪
ななつ‐の‐たいざい【七つの大罪】
ななつのたいざい【七つの大罪】
七つの大罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/09 10:19 UTC 版)
七つの大罪(ななつのたいざい、ラテン語: septem peccata mortalia、英: seven deadly sins)は、キリスト教の西方教会、おもにカトリック教会における用語。ラテン語や英語での意味は「七つの死に至る罪」だが、罪そのものというより、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指すもので、日本のカトリック教会では七つの罪源(ななつのざいげん)と訳している[1]。
歴史
七つの大罪(七つの罪源)は、4世紀のエジプトの修道士エヴァグリオス・ポンティコスの著作『修行論』に八つの「人間一般の想念」として現れたのが起源である。キリスト教の正典である聖書の中で七つの罪源について直接に言及されてはいない。八つの想念はエヴァグリオスによると、下記のとおりである[2]。
- 「貪食」
- 「淫蕩」
- 「金銭欲」
- 「悲嘆(心痛)」
- 「怒り」
- 「アケーディア(嫌気、霊的怠惰)」
- 「虚栄心(自惚れ)」
- 「傲慢」
それを5世紀の初め(420年頃-430年頃)にカッシヌアスが「八つの主要な悪徳」としてラテン語世界へ伝えた。一覧の四番目と五番目が入れ替わり、順序が<1>貪食、<2>淫蕩、<3>金銭欲(強欲)、<4>怒り、<5>悲しみ、<6>倦怠、<7>虚栄、<8>高慢、となった[3]。
6世紀後半には、グレゴリウス1世(540年頃-604年)がその内の「高慢」をすべての悪の根として別格扱いとし一覧から外し、高慢から生まれる「七つの主要な悪徳」として次のものを挙げた。<1>虚栄、<2>嫉妬、<3>怒り、<4>悲嘆、<5>強欲、<6>腹の貪食、<7>淫蕩、である。カッシアヌスの伝えた一覧の「怠惰(アケーディア)」は「悲嘆」に含めてまとめられ、新たに「嫉妬」が加わった。順序は「虚栄」が先頭に移動し、次に「嫉妬」が加わり、「貪食」、「淫蕩」が最初から最後に移動した。グレゴリウスの一覧は、精神的なものが前に、身体的、物質的な悪徳が後ろに並んでいるのが特徴である。[3]
13世紀のトマス・アクィナス(1225年-1274年)も、その著作の中で、キリスト教徒の七つの枢要徳と対比する形で七つの「枢要悪」をあげている。<1>虚栄(inanis gloria)<2>嫉妬(invidia)<3>倦怠(acedia)<4>怒り(ira)<5>強欲(avaritia)<6>貪食(gula)<7>淫蕩(luxuria)となっており、グレゴリウスが外した怠惰(アケーディア)が悲嘆に代わって復活している[3]。
カトリック教会の七つの罪源
現代の『カトリック教会のカテキズム』では、「七つの罪源」について、ヨハネス・カッシアヌス(英語: Johannes Cassianus)やグレゴリウス1世以来伝統的に罪の源とみなされてきたものとして言及されている。それは以下の七つである[4]。
七つの掲載順は、『カトリック教会のカテキズム』のラテン語規範版[5]と日本語版(2002年)[4]で一部異なるが、ここではラテン語規範版および『カトリック教会のカテキズム 要約(コンペンディウム)』日本語版(2010年)[1]に書かれている順番による。教会のカテキズム 要約(コンペンディウム)』日本語版(2010年)では訳語が異なるものがあるが[1]、ここではそれを()内に付記する。
日本語 | ラテン語 | 英語[6] |
---|---|---|
傲慢 | superbia | pride |
強欲 | avaritia | greed |
嫉妬 | invidia | envy[注 1] |
憤怒 | ira | wrath |
色欲 | luxuria | lust |
暴食 | gula | gluttony |
怠惰 | pigritia/acedia | sloth |
中世のキリスト教の世界観が最もよく表されているダンテ・アリギエーリの叙事詩、『神曲』煉獄篇においても、煉獄山の七つの冠において、死者がこの罪を清めることになっている(煉獄篇を参照)。
七つの大罪の関連付け
![]() | この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。(2014年2月) |
1589年、ドイツのペーター・ビンスフェルト(英語: Peter Binsfeld)は、罪と悪魔の関係を記した著作を著したが、その中で、七つの大罪も特定の悪魔との関連付けている。このような七つの大罪と悪魔との関連づけは、キリスト教の本質的な部分と無関係だが、通俗的なグリモワールにおいて引用されることとなった。
七つの大罪と悪魔の関連を最初に表現したのは、16世紀の版画家ハンス・ブルクマイアーである。これには、悪魔がそれぞれ自分の名の記された剣を手にしている姿が描かれていた。また、ブルクマイアーは傲慢を表す悪魔に孔雀の羽を与えている。中世には悪魔でなく動物の姿で表しているものも見られる。傲慢の獅子、嫉妬の蛇、憤怒のユニコーン、怠惰の熊、強欲の狐、暴食の豚、欲情の蠍である[7]。
大罪 | 対応悪魔 | 幻獣 | 動物 |
---|---|---|---|
傲慢 | ルシファー[注 2] | グリフォン | 獅子、孔雀、梟、蝙蝠、ペンギン[7] |
憤怒 | サタン | ユニコーン[7] オーガ ドラゴン | 狼、猿、鼬 |
嫉妬 | レヴィアタン | マーメイド | 蛇、犬、猫、土竜、蜻蛉[7] |
怠惰 | ベルフェゴール[注 3] | フェニックス | 熊、牛、驢馬、ナマケモノ、蝸牛[7] |
強欲 | マモン | ゴブリン | 狐、狸、針鼠、烏、蜘蛛[7] |
暴食 | ベルゼブブ | ケルベロス | 豚、虎、栗鼠、鰐、蝿[7] |
色欲 | アスモデウス | サキュバス・インキュバス | 蠍、山羊、兎、鶏[7] |
プルデンティウス(348‐405以後)の「プシュコマキア」によれば、七つの大罪は、それぞれ次の美徳に対応しているという。
新しい七つの大罪
2008年3月、ローマ教皇庁は、今までの7つの大罪はやや個人主義的な側面があったため、これまでとは違う種類の大罪もあるということを信者たちに伝え、理解させるために以下のように新しい七つの大罪を発表した[8]。
七つの社会的罪
マハトマ・ガンディーは1925年10月22日に雑誌『ヤング・インディア』にて、「七つの社会的罪」(Seven Social Sins)として次の七つを指摘した[10]。
- 理念なき政治(Politics without Principle)
- 労働なき富(Wealth without Work)
- 良心なき快楽(Pleasure without Conscience)
- 人格なき学識(Knowledge without Character)
- 道徳なき商業(Commerce without Morality)
- 人間性なき科学(Science without Humanity)
- 献身なき信仰(Worship without Sacrifice)
「七つの社会的罪」はインドのラージ・ガートにあるガンディーの慰霊碑の外壁にも刻まれている。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c 『カトリック教会のカテキズム 要約(コンペンディウム)』207頁 カトリック中央協議会 ISBN 978-4877501532
- ^ 『中世思想原典集成3 後期ギリシャ教父・ビザンティン思想』p.38
- ^ a b c 倦怠と悲しみ-トマス・アクィナスのacediaについて松根伸治、2018年10月10日閲覧。
- ^ a b 『カトリック教会のカテキズム』 #1866(日本語版556 - 557頁) カトリック中央協議会 ISBN 978-4877501013
- ^ Catechismus Catholicae Ecclesiae_Articulus 8: Peccatum #1866(『カトリック教会のカテキズム』ラテン語規範版) ローマ教皇庁公式サイト
- ^ Catechism of the Catholic Church_Article 8 SIN_V. The Proliferation of Sin #1866(『カトリック教会のカテキズム』英語版) ローマ教皇庁公式サイト
- ^ a b c d e f g h フレッド・ゲティングズ 著、大瀧啓裕 訳『悪魔の辞典』青土社、1992年6月30日、288-289頁。
- ^ バチカンが新しい「7つの大罪」を発表、リサイクルしない者は地獄行きに Gigazine 2008年03月11日
- ^ “Recycle or go to Hell, warns Vatican”. 2014年10月30日閲覧。
- ^ “ガンジーの言う「九つの社会的罪(Nine Social Sins)」とは?”. 2014年2月2日閲覧。
参考文献
- 『中世思想原典集成3 後期ギリシャ教父・ビザンティン思想』上智大学中世思想研究所、平凡社、1994年。ISBN 4-582-73413-8
- 倦怠と悲しみ-トマス・アクィナスのacediaについて 松根伸治 『中世思想研究』第48号、2006年9月25日。
関連項目
七つの大罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/21 22:48 UTC 版)
中東・アフリカで活躍した伝説の傭兵部隊。一人一人が一個師団に匹敵するともいわれ、ミネルヴァも活動範囲に近づこうとしなかった。Ⅸ巻まで海星の指揮下にあった。なお、七つの大罪およびそれに対応した悪魔の名前を有しているが、それぞれの性格・能力はあまり名前に関係することがない。 ルシフェル 七つの大罪のリーダー的存在で、齢100歳を超える穏やかな老人。他の七つの大罪のメンバー達からは「おじい」と呼ばれ、人格者でもある。過去に峰島勇次郎と思われる人物と接触しており、脳の黒点が開かれており(これは勇次郎によるものではなく、彼自身による修練の可能性が高い)、つわものぞろいの七つの大罪の中でも特に驚異的な存在。闘真とすれ違いざまに意味深な言葉を発するが真意は不明。麻耶との対談で彼女の必死の弁により由宇には手を出さないことを約束する。 レヴィアタン 七つの大罪に所属。周囲の物質に含まれる金属を操り、それを浮上させ高速で打ち出し攻撃する少女。ベルゼブルに恋慕している。坂上闘真と交戦するが、磁場を鳴神尊で切られるなど圧倒的な力で追い詰められ、事実上の敗北を与えられる。ベルゼブルに重傷を負わせた闘真に激しい憎しみを抱いている。 フリーダムで闘真の一撃からベルゼブルを庇い重傷を負い、その生涯をベルゼブルと共に深海で終える。 ベルゼブル 七つの大罪に所属。周囲の人間に肉体同調をさせる能力を有する。以前は野地という名で真目家で使用人として潜入していたが、その正体は真目家襲撃の犯人一味の一人である。坂上闘真と二度交戦、二度目は闘真の策により重傷を負い敗れる。かつては明るい性格であったが、現在は狂気と闘真への憎悪に支配され非常に不安定かつ攻撃的な性格になっている。 自身を庇って重傷を負ったレヴィアタンと肉体同調を施し、暖かな死を味わいながら深海へ沈んだ。 サタン 七つの大罪に所属。特殊な銀色のスーツを全身に着込みその温度を数千度以上にし攻撃する。その温度のために大抵の銃火器は無用となる。スーツを脱ぐことで周囲をマイナス数百度に下げることも可能。物理的に回避しようのない特性ゆえに、戦闘能力だけなら七つの大罪のトップ。峰島勇次郎の傑作のひとつである。そのスーツの下は無機物(珪素)で構成された生物であり、体温がマイナス196度からマイナス209度の間でしか生存出来ない。もしマイナス210度、もしくはマイナス223度を下回ると、血と肉の代わりに存在する液体窒素と液体酸素が固体化し死に至る。環あきらと交戦、サタンが圧倒的優位に立っていたが、スーツが自身の高熱と巨大レンズで耐久最高温度まで高まった瞬間にアリシアに銃で狙われ、銃を高熱で無効にしたところ、スーツが耐久温度に耐えきれず崩壊し、死亡。 その遺体はADEMに回収される。 アスモデウス 七つの大罪に所属。常人の数十倍の怪力で2メートルを超える双斧を用いる美女。ベルフェゴールの姉で戦うには優しすぎる弟を心配している。フリーダムにて坂上闘真と交戦するも、斧を両断され追い詰められるがベルフェゴールに助けられる。 ベルフェゴール 七つの大罪に所属。世界の外側を見ることが出来、闘真にすら視認が難しいほどの速力を持つ。アスモデウスの弟。仁義を大切にし、情が深い。闘真の鳴神尊の一撃を素手で防いだ実力を持っている。 マモン 七つの大罪に所属。少年のような格好をしているが少女。自己顕示力が強くよく喋る。リーディング能力により相手の記憶を読むことができる。その能力により数多くの人間を記憶を読むことを引き換えに発狂させてきたがそのことに罪悪感はない。ブレイン・プロテクトによりリーディングされないように出来るが、マモンはそれをこじ開けようとするので最終的には発狂する。 本名は六道舞風で、同じ家系でなおかつ自分よりも優れている才火に対し劣等感を抱いている。黒川の指示により峰島由宇の記憶を読み取る(暗号化された知識は暗号化されたまま)。その結果、本来非戦闘員であるが、天才的な思考能力から成り立つ身体制御能力と膨大な知識を会得して高度な戦闘技術も有することになった(本人ではないため完全ではない)が、その膨大な情報量と変異体の侵食により脳への負担が限界にまで達している。脳に常人より遥かに適性があり優秀だと風間に言われて感涙するが、変異体の侵食により人間としての寿命は長くないと判断されている。 NCT研究所最下層にて八代一と交戦するも敗北、瀕死だったが、変異体のもう半分の脳の記憶を読むことにより復活、LAFIファーストを手に去っていった。 その後、絶望とともに死んでいく苦しみを味わわされた憎しみとともにまた八代一と交戦するが、再び敗北する。しかし、今度は悔いなく負けた。その後ADEMにスカウトされ、八代とはなんだかんだでいいコンビになっている。
※この「七つの大罪」の解説は、「9S」の解説の一部です。
「七つの大罪」を含む「9S」の記事については、「9S」の概要を参照ください。
七つの大罪
出典:『Wiktionary』 (2021/08/07 00:47 UTC 版)
名詞
翻訳
- アイスランド語: dauðasyndirnar sjö (is) (限定形)
- アラビア語: الْخَطَايَا السَّبْع الْمَمِيتَة (ar)
- イタリア語: sette peccati capitali (it)
- ウクライナ語: смертні гріхи (uk) (smertni hrikhy)
- ウルドゥー語: سات مہلک گناہ (ur) (sāt mohlik gunāh) 男性
- 英語: seven deadly sins (en)
- エスペラント: sep gravegaj pekoj (eo)
- オランダ語: zeven hoofdzonden (nl)
- カタルーニャ語: set pecats capitals (ca)
- ギリシア語: επτά θανάσιμα αμαρτήματα (el)
- グルジア語: შვიდი მომაკვდინებელი ცოდვა (ka)
- サモギティア語: septīni smėrtėnė griekā (sgs)
- スウェーデン語: sju dödssynderna (sv) (限定複数)
- スコットランド・ゲール語: seachd peacaidhean-bàis (gd)
- スペイン語: siete pecados capitales (es)
- スロヴァキア語: sedem hlavných hriechov (sk)
- スロヴェニア語: sedem smrtnih grehov (sl)
- セルビア・クロアチア語: sedam smrtnih grijeha (sh)
- タイ語: บาป ๗ ประการ (th) (bàap jèt pràgaan)
- チェコ語: sedm hlavních hříchů (cs)
- 中国語: 七宗罪 (cmn) (qī zōng zuì)
- 朝鮮語: 일곱 가지 대죄 (ko)
- チンプオ語: si yubak kaba sanit (kac)
- ドイツ語: sieben Todsünden (de)
- トルコ語: yedi ölümcül günah (tr)
- ノルウェー語: syv dødssynder (no)
- ハンガリー語: hét főbűn (hu)
- ヒンディー語: सात घातक पाप (hi) 男性
- フィンランド語: seitsemän kuolemansyntiä (fi)
- フェロー語: tær sjey deyðssyndirnar (fo)
- フランス語: sept péchés capitaux (fr)
- ブルガリア語: седемте смъртни гряха (bg) (sedemte smărtni grjaha)
- ブルトン語: seizh pec'hed kapital (br)
- ヘブライ語: שבעת החטאים (he) (shivat ha-chataím)
- ペルシア語: هفت گناه کبیره (fa)
- ポーランド語: siedem grzechów głównych (pl)
- ポルトガル語: sete pecados capitais (pt)
- ラテン語: saligia (la) 女性, septem peccata mortalia (la), septem peccata capitalia (la)
- ロシア語: семь смертных грехов (ru)
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