七つの大罪
ななつのたいざい【七つの大罪】
《原題、(オランダ)Zeven Hoofdzonden》ボッシュの絵画。板に油彩。縦120センチ、横150センチ。ひとつの大円と四つの小円からなり、中央の大円に戒めるべき憤怒・嫉妬・貪欲・大食・怠惰・邪淫・虚栄の罪が描かれる。マドリード、プラド美術館所蔵。
ななつ‐の‐たいざい【七つの大罪】
七つの大罪
原題: | Les 7 Peches Capitaux |
製作国: | フランス |
製作年: | 1952 |
配給: | 東和 |
ストーリー※ストーリーの結末まで記載されていますので、ご注意ください |
祭りの見世物。聖書に説く七大罪をあらわした人形に、お客が球をぶつけて遊んでいる。球を配ってまわる香具師の若者(ジェラール・フィリップ)の呼声よろしく、先ず命中して倒れた人形は「欲ばりと怒りんぼう」。 〔第一話・欲ばりと怒り〕貧乏なクラリネット教授ゼルミニ(エドゥアルド・デ・フィリッポ)は、因業家主アルヴァロ(パオロ・ストッパ)から二ヶ月の家賃一万五千リラを払えと強談判されたあと、偶然家主の十万リラ入りの財布を拾った。それを見ていた青年を巧みにごまかしつつ持主の処へ返しに出かけると、強欲なアルヴァロは謝礼もせずに財布を取戻した。処かこの時アルヴァロは細君(イザ・ミランダ)に美容院代をせがまれて夫婦喧嘩の最中。彼女の首からちぎれ飛んだ真珠の一粒がゼルミニの靴に入ってしまったとは気付かなかった。ヒステリィを起した細君は、怒りにまかせて夫の手提金庫を街にぶちまけてしまい、ひとり帰るゼルミニは自分の靴の中に家賃にあまる宝をみつけ出したという次第。〔第二話・怠けもの〕今や天国では地上から送られて来る死人の激増にすっかり音をあげている。これは地上に文明が発達しすぎた結果、戦争やあわただしい日常生活であまりにも性急に人の命がスリ減らされるためだと、怠惰の女神(ジャクリーヌ・プレシス)を下界へ降ろすことになったが、効果は誠にテキ面、地上では誰一人マトモに働こうとはしなくなってしまった。火事にも消防夫は出ず、街にはバナナの皮が散り、あらゆる工場はサボタージュという有様に、主(しゅ)は改めて行政官聖ピエール(ノエル・ノエル)を地上に派遣、怠惰の行き過ぎを是正させて、やっと秩序を取戻した。地球はもと通りの繁栄にかえることだろう。〔第三話・色好み〕祭りの日、村の司祭は十三歳になる宿屋の娘シャンタル(フランセント・ヴェルニヤ)から妊娠したと聞かされた。相手は宿屋に泊る美男画家ラヴィラ(フランク・ヴィラール)だという。司祭は驚いて娘の母ブラン夫人(ヴィヴィアーヌ・ロマンス)に知らせた。夫人が画家ともども問いつめたところ、娘は画家の座った椅子に自分も座ったので妊娠したと信じ込んだことが判った。その夜、問題の椅子を見つめるラヴィラとブラン夫人の気持は妖しく動き――、そしてその部屋で鳴りつづけるレコードが一つ溝を循環しはじめたのを真先に聞きつけたのは、シャンタルであった。彼女は堂々と二人の部屋に入って、あわてて飛び起きた母と男を尻目にレコードを止め、唇を噛みしめたまま夜の闇の中へ消え去った。〔第四話・ねたみ〕イタリア人画家オリヴィエ(オルフェオ・タンブリ)はフランス女カミュ(アンドレ・ドバール)と新婚三ヶ月、そして彼は昔から真白な牝猫サラを寵愛していた。ひたすら夫の愛を独占したい若妻カミュは、この猫が嫌いだった。この猫がつねに二人の仲を見つめ、夫の愛も猫の方に傾きすぎると思われたからである。或日、夫の留守中、彼を想いつつ精魂こめて作りあげようとした料理の肉を、彼女はサラに盗まれた。ついで夫の絵に助言してすげなく拒まれた時、溜め込んでいた彼女の嫉妬は爆発した。彼女はカッとして猫をテラスに追いつめ、猫は遥か下の街に落ちた。運よく瀕死のサラを拾って帰って来た夫は、初めて妻の恐ろしい嫉妬を知った。二人の間には決定的な破局があるだけだった。〔第五話・大喰らい〕ブリッジの席上、食いしんぼうの男爵夫人を見たアンリ(アンリ・ヴィダル)は、祖父アントナンの話をしてきかせた。アントナン(アンリ・ヴィダル)は田舎医者だったが、或夜人里はなれた野原で自動車が故障し、一軒の農家に宿を求めた。百姓夫婦(ジャン・リシャールとクローディーヌ・デュピュイ)は快く彼を迎え、自製のチーズを御馳走してくれたが、そのうまさは類のないものであった。さて寝る段になって、三人はたった一つのベッドに妻君を真中にして横になったが、夫はすぐさま大いびきをかき出す。さあどうぞとアントナンを促す女房の誘いに、好機至れりとアントナンは戸棚のチーズに突進した。〔第六話・見えっぱリ〕名門の誇りを持ちながらも、パリエール夫人(フランソワーズ・ロゼー)とその娘アンヌ・マリイ(ミシェル・モルガン)は今や人目を忍んで公園の薪木を拾うほどの落ちぶれ方だった。或日街で会った旧友から舞踏会に招待され、まだ社交界から見捨てられてはいないと思い込むことも出来たが、しかし正式の招待状はついにやって来なかった。アンヌ・マリイは自尊心を傷けられながらも一張羅の服を着て出席した。パーティの席上、一婦人が指輪をなくしたと騒ぎ出した。浮かれた客達は面白半分に参会者の身体検査を始めたが、頑として許さなかったのはアンヌ・マリイであった。全員の眼が異様な皮肉でこの招かれざる客に集中した時、アンヌ・マリイは自分のハンド・バッグを投げ出して一人席を蹴った。開けてみると、中から転がり出したのは母へ土産に食卓からかすめたサンドウィッチやケーキであった。主催者の謝罪をよそに、アンヌ・マリイは堂々たる威厳をもって邸を去った。 〔第7話・第八の罪〕深夜、いかがわしい造りの家に、カーディナルと水兵がタクシーで乗りつける。地下室へはいると、そこには裸の黒人、中国人、せむしの小人、娼婦、ストリップ・ティザアが曰くありげにたむろしている。彼らは何をする人達なのだろう? ――実は画家(ジェラール・フィリップ)が、「七つの大罪」のポスターを描くモデル達なのであった。 |
七つの大罪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 02:42 UTC 版)
七つの大罪(ななつのたいざい、ラテン語: septem peccata mortalia、英: seven deadly sins)は、キリスト教の西方教会、おもにカトリック教会における用語。ラテン語や英語での意味は「七つの死に至る罪」だが、罪そのものというより、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指すもので、日本のカトリック教会では七つの罪源(ななつのざいげん)と訳している[1]。
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注釈
出典
- ^ a b c 『カトリック教会のカテキズム 要約(コンペンディウム)』207頁 カトリック中央協議会 ISBN 978-4877501532
- ^ 『中世思想原典集成3 後期ギリシャ教父・ビザンティン思想』p.38
- ^ a b c 倦怠と悲しみ-トマス・アクィナスのacediaについて松根伸治、2018年10月10日閲覧。
- ^ a b 『カトリック教会のカテキズム』 #1866(日本語版556 - 557頁) カトリック中央協議会 ISBN 978-4877501013
- ^ Catechismus Catholicae Ecclesiae_Articulus 8: Peccatum #1866(『カトリック教会のカテキズム』ラテン語規範版) ローマ教皇庁公式サイト
- ^ Catechism of the Catholic Church_Article 8 SIN_V. The Proliferation of Sin #1866(『カトリック教会のカテキズム』英語版) ローマ教皇庁公式サイト
- ^ 傲慢はベリアルとする説がある。
- ^ 怠惰はアスタロスとする説がある。
- ^ バチカンが新しい「7つの大罪」を発表、リサイクルしない者は地獄行きに Gigazine 2008年03月11日
- ^ “Recycle or go to Hell, warns Vatican”. 2014年10月30日閲覧。
- ^ “ガンジーの言う「七つの社会的罪(Seven Social Sins)」とは?”. 2014年2月2日閲覧。
- 1 七つの大罪とは
- 2 七つの大罪の概要
- 3 七つの大罪の関連付け
- 4 新しい七つの大罪
七つの大罪
出典:『Wiktionary』 (2017/09/07 05:24 UTC 版)
名詞
翻訳
- アイスランド語: dauðasyndirnar sjö (is) (限定形)
- アラビア語: الْخَطَايَا السَّبْع الْمَمِيتَة (ar)
- イタリア語: sette peccati capitali (it)
- ウクライナ語: смертні гріхи (uk) (smertni hrikhy)
- ウルドゥー語: سات مہلک گناہ (ur) (sāt mohlik gunāh) 男性
- 英語: seven deadly sins (en)
- エスペラント: sep gravegaj pekoj (eo)
- オランダ語: zeven hoofdzonden (nl)
- カタルーニャ語: set pecats capitals (ca)
- ギリシア語: επτά θανάσιμα αμαρτήματα (el)
- グルジア語: შვიდი მომაკვდინებელი ცოდვა (ka)
- サモギティア語: septīni smėrtėnė griekā (sgs)
- スウェーデン語: sju dödssynderna (sv) (限定複数)
- スコットランド・ゲール語: seachd peacaidhean-bàis (gd)
- スペイン語: siete pecados capitales (es)
- スロヴァキア語: sedem hlavných hriechov (sk)
- スロヴェニア語: sedem smrtnih grehov (sl)
- セルビア・クロアチア語: sedam smrtnih grijeha (sh)
- タイ語: บาป ๗ ประการ (th) (bàap jèt pràgaan)
- チェコ語: sedm hlavních hříchů (cs)
- 中国語: 七宗罪 (cmn) (qī zōng zuì)
- 朝鮮語: 일곱 가지 대죄 (ko)
- チンプオ語: si yubak kaba sanit (kac)
- ドイツ語: sieben Todsünden (de)
- トルコ語: yedi ölümcül günah (tr)
- ノルウェー語: syv dødssynder (no)
- ハンガリー語: hét főbűn (hu)
- ヒンディー語: सात घातक पाप (hi) 男性
- フィンランド語: seitsemän kuolemansyntiä (fi)
- フェロー語: tær sjey deyðssyndirnar (fo)
- フランス語: sept péchés capitaux (fr)
- ブルガリア語: седемте смъртни гряха (bg) (sedemte smărtni grjaha)
- ブルトン語: seizh pec'hed kapital (br)
- ヘブライ語: שבעת החטאים (he) (shivat ha-chataím)
- ペルシア語: هفت گناه کبیره (fa)
- ポーランド語: siedem grzechów głównych (pl)
- ポルトガル語: sete pecados capitais (pt)
- ラテン語: saligia (la) 女性, septem peccata mortalia (la), septem peccata capitalia (la)
- ロシア語: семь смертных грехов (ru)
固有名詞の分類
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