神学者とは? わかりやすく解説

神学者

作者ホルヘ・ルイス・ボルヘス

収載図書エル・アレフ
出版社平凡社
刊行年月2005.9
シリーズ名平凡社ライブラリー


神学者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/21 03:24 UTC 版)

神学者(しんがくしゃ)は、神学学者のことである。

通例、単に「神学者」と言えばキリスト教神学を学ぶ者を指し、イスラーム神学(カラーム)など他宗教の神学を学ぶ者については「イスラーム神学者」などの表現が使われる事が多い。

正教会では聖人の称号としても用いられるが、「神学者」の称号を持つ聖人は4名のみである。

キリスト教の神学者

主な神学者

正教会において「神学者」の称号を持つ聖人

三成聖者イコン16世紀プスコフ)。3人のうち、金口イオアン以外は「神学者」の称号が付されている。

正教会においては神学者としての務めも果たした聖師父と呼ばれる者は多数存在するが、「神学者」(ギリシア語: Θεολόγος, ロシア語: Богослов)の称号を特に付されて崇敬される聖人は以下に挙げる4名のみに限定される(「新神学者」を別に数えて3人とする数え方もある)。表記は日本正教会のものに則るが、括弧内に他教派などで使われる片仮名転写・ギリシャ語表記・生没年等を併記する。

イスラームの神学者

主な神学者

  • アル=キンディー(801–873) – 「アラブの哲学者(Faylasūf al-ʿArab)」と称される、最初のイスラーム哲学者。ギリシャ哲学、特にプラトンアリストテレスの翻訳と解釈を通じて、イスラーム思想に哲学を導入した。神の唯一性(タウヒード)と形而上学を調和させようとした。理性啓示の調和を唱えつつも、啓示に従属する形で理性を位置づけた。
  • アル=ファーラービー(c. 872–950) – イスラームにおける「第二の師(アリストテレスが第一)」と称される哲学者。プラトンとアリストテレスを総合し、理想国家(al-Madīna al-Fāḍila)の概念を提示した。神は第一原因であり、全存在は神からの流出emanation)によって説明されるとした。啓示と理性の両立を強調し、預言者を「完全な哲学者」と見る傾向もあった。
  • イブン・スィーナー(アヴィセンナ)(980–1037) – 中世イスラーム最大の哲学者・医学者の一人。アリストテレス哲学を発展させ、存在論(本質と存在の区別)と流出説を深めた。神は「必然的存在フランス語版wājib al-wujūd)」であり、全存在の根源であるとする。啓示を哲学的理性の象徴として捉え、預言と知性を関連させた。彼の思想はユダヤ教・キリスト教世界にも強い影響を与え、トマス・アクィナスにも引用された。
  • アル=ガザーリー(1058–1111) – 神秘主義(スーフィズム)と正統神学を統合した思想家。哲学(ファーラービーやアヴィセンナ)を批判した『哲学者の矛盾英語版』が有名である。『宗教諸学の再興英語版』では、内面の浄化と神への接近の重要性を説いた。
  • イブン・ルシュド(アヴェロエス)(1126–1198) – アリストテレス哲学の解釈者で、合理主義神学の擁護者。哲学と啓示は両立可能とし、理性の自由を強く主張した。著作はラテン語に翻訳され、ヨーロッパの中世スコラ哲学にも影響を与えた。
  • アル=アシュアリー英語版(c.874–936) – スンナ派神学(アシュアリー学派)の創始者。哲学的合理主義(ムゥタズィラ学派)から転向し、神の意志と啓示の優位を主張した。神の言葉は永遠であり、理性ではなく啓示が最終権威であるとする。
  • アル=マートゥリーディー英語版(d. c. 944) – スンナ派のもう一つの正統学派であるマートゥリーディー学派の創始者。アシュアリー派よりも理性をやや積極的に評価しつつ、啓示と調和させようとした。
  • イブン・タイミーヤ(1263–1328) – スンナ派保守主義の代表的神学者で、サラフィー主義の先駆者的存在。「初期イスラムに戻れ(サラフ主義)」を提唱した。哲学・神秘主義・シーア派に批判的で、啓示と実践の厳格な遵守を重視した。

参考文献

関連項目

外部リンク


神学者

出典:『Wiktionary』 (2021/09/25 03:07 UTC 版)

名詞

学者 (しんがくしゃ)

  1. 神学専門家

翻訳


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