イジュティハード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 06:31 UTC 版)
イジュティハード(アラビア語:اجتهاد、ijtihād, DMG方式: iǧtihād)とは、イスラーム法における法律用語の一つで、クルアーンやシャリーア、スンナといった法源の解釈(フィクフ)に基づく具体的な法的決定の際に、十分な権威の確立された先例やイスラーム法学派による伝統的見解に依拠することなく決定者が独自の解釈理論を援用して法的な決定を行うことを指す。
注釈
- ^ アシュアリー法学派とはアシュアリーを祖とするイスラム神学の一派。マートゥリーディーを祖とするマートゥリーディー派と並んでスンナ派神学を代表する。その特徴は、理性的思弁(カラーム)によって正統的信条を弁証することにある。もっぱらクルアーンやハディースの引用に依拠して思弁を排する保守的なハンバル法学派と、合理主義的立場からそれと異なる信条を採るムータジラ派との中間に位置する。それだけに双方から攻撃を受けた。とくにシリアやバグダードなどでは、ハンバル派の影響が強く、また時には親ムータジラ派的、ないしはそれに接近するシーア派政権によって迫害されたりして、スンナ派神学として現実に受け入れられるまでには長い時間を要した。この派の歴史についてはまだ不明な点が多いが、バーキッラーニー、バグダーディー、イマーム・アルハラマイン、ガザーリー、ファフルッディーン・ラーズィー、イーズィー(Adud al-Din al-Iji)などの学者が有名である。(イスラム事典検索ページ)
出典
- ^ 「ムジュタヒド」- 世界大百科事典 第2版
- ^ 大塚和夫『イスラーム主義とは何か』岩波新書、2004)[要ページ番号]
- ^ 湯川武「イスラムの社会変革思想」中東調査会編『イスラム・パワー』第三書館、1983。pp.295-296)。
- ^ 飯塚正人「現代エジプトにおける2つの「イスラーム国家」論」(伊納武次編『中東諸国における政治経済変動の諸相』、アジア経済研究所、1993)
- ^ 桜井啓子『現代イラン』(岩波新書、2001)[要ページ番号]
- ^ ズィーバー ミール=ホセイニー(著)、山岸智子(監訳)『イスラームとジェンダー-現代イランの宗教論争』、明石書店、2004年6月、pp.562-564、ホッジャトル・イスラーム、サイードザーデの見解
- 1 イジュティハードとは
- 2 イジュティハードの概要
- 3 現代におけるイジュティハード
- 4 参考項目
「イジュティハード」の例文・使い方・用例・文例
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