サルモネラ菌とは? わかりやすく解説

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サルモネラ‐きん【サルモネラ菌】


サルモネラ菌[Salmonella]

 腸内細菌科属すグラム陰性桿菌で、周毛性の鞭毛持ち活発に運動する食細胞貪食されても、細胞内生きていて増殖のできる細胞内寄生性である。この中にはヒトチフス症を起こすや、食中毒起こすなどがあるが、ヒト以外の動物などでも色々な病気の原因なり得る
 同じでも宿主によって起こる病気異な場合がある。 例えば、ネズミチフス腸炎ネズミではチフス症を起こすが、ヒトでは食中毒原因となる。近年サルモネラ菌、特に腸炎汚染した鶏卵による食中毒全国的に発生している。日本飼育されているニワトリヒナは殆どアメリカから輸入されているが、アメリカ産の種そのものある程度割合腸炎汚染されている。その結果鶏卵の1、000~2、000個に一個卵黄検出され日本でも鶏卵を介して腸炎による食中毒が起こる。 実際腸炎汚染され鶏卵作った生クリーム使ったテラミス・ケーキや、汚染した鶏卵作った錦糸金糸)卵を食べて多くの人が食中毒になっている

サルモネラ

(サルモネラ菌 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/28 07:01 UTC 版)

サルモネラ (Salmonella) は、グラム陰性 通性嫌気性桿菌腸内細菌科の一属(サルモネラ属)に属する細菌。主に動物の消化管に生息する腸内細菌の一種であり、その一部はヒトや動物に感染して病原性を示す。ヒトに対して病原性を持つサルモネラ属の細菌は、三類感染症に指定されている腸チフスパラチフスを起こすもの(チフス菌 S. enterica serovar Typhiパラチフス菌 S. enterica serovar Paratyphi A)と、感染型食中毒を起こすもの(食中毒性サルモネラ:ネズミチフス菌 S. enterica serovar Typhimuriumや腸炎菌 S. enterica serovar Enteritidisなど)とに大別される。食品衛生の分野では、後者にあたる食中毒の原因となるサルモネラを特にサルモネラ属菌と呼ぶが、一般には、これらを指して狭義にサルモネラあるいはサルモネラ菌と呼ぶこともある。細胞内寄生性細菌であり、チフス菌やパラチフス菌は主にマクロファージに感染して菌血症を、それ以外の食中毒性サルモネラは腸管上皮細胞に感染して胃腸炎を起こす性質を持ち、この細胞内感染がサルモネラの病原性に関与している。


注釈

  1. ^ 平成9年時点では日本の全食中毒患者のうち約27%がサルモネラ属が原因であったが、平成22年から平成20年ではサルモネラが約10%とやや減少している。詳しくは厚生労働省の食中毒統計資料を参考のこと。

出典

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