症候学とは? わかりやすく解説

症状と徴候

(症候学 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/23 08:45 UTC 版)

結核の症状

徴候と症状(ちょうこうとしょうじょう、Signs and symptoms)とは、症状(疾病、傷害、状態など)を抱えていることを示すサインが観測・検出されている状態。このサインは、たとえば通常よりも高い/低い体温血圧の上昇/低下、医学的スキャンで異常を検出している状態などである。症状(Sympthom)とは、患者本人が発熱、頭痛、そのほか体の痛みなど、異常を知覚している状態のことである[1][2]

医学的徴候(medical sign)とは、身体検査によって疾患、傷害、異常な生理学的状態が検出されている客観的状態である[3]。これらの徴候は目視確認可能、もしくは検出可能であり、発疹打撲傷などがあげられる。医学的徴候は正確な診断への到達に役立つ。

徴候と症状は、互いに排他的なものではない。たとえば体温計による測定で高い温度が示されたのであれば、主観的な発熱を徴候として記録することができる[4]

症候学(しょうこうがく, Semeiology)とは医学の一分野で、患者の示す様々な訴えや診察所見(あわせて症候)を定義・分類して意味づけを与える方法論である。診察結果は症候学的な枠組みによってカルテに記載され、診断の手がかりとなる。症状が軽い場合を軽症、重篤な場合を重症と称する。また、これら身体所見を得るための全身的な診察の手法も症候学の範疇である。それは単に診察の手技だけでなく、わかっている情報から診断を絞り込むために必要な診察事項を選択する過程までを含むものである。

主な症候

全身

皮膚・粘膜

頭頚部

頭痛....慢性頭痛としては片頭痛, 緊張型頭痛, 群発頭痛, 混合型頭痛がある。症候としてはくも膜下出血脳腫瘍脳出血などでみられる。 失神 - めまい - 痴呆 頸静脈怒張=Juglar vein distention ... 心臓への還流障害(心不全や上大静脈症候群など)の際に認められることがある。 耳鳴 - 難聴 - 耳痛 - 耳だれ - 耳閉感

胸部

腹部

四肢

登攀性起立(とはんせいきりつ)(ガワーズ徴候、Gowers' sign
山を登るように立つこと。
様子
を伸ばして、両手を使って床や自分の足を押しながら、自分の体を登る様に立つ。
原因
下肢帯筋の低下
鑑別
筋ジストロフィー - 多発筋炎 - 皮膚筋炎
間欠性跛行
休み休みでないと歩けないが、休めばすぐ回復し、歩き出すとまた症状が出て歩けなくなる事。
鑑別
血管性 : 閉塞性動脈硬化症、等
腰椎性 : 脊柱管狭窄症
浮腫 (edema)
静脈瘤 (varix)
チアノーゼ (cyanosis)
関節炎
単関節炎 : ベーチェット病
多発関節炎 : 関節リウマチ - 全身性エリテマトーデス
ばち指
ゴットロン徴候
手掌紅班
ばね指

生殖器

精神

血液

脚注

  1. ^ Beyond Intuition: Quantifying and Understanding the Signs and Symptoms of Fever”. clinicaltrials.gov (2017年10月5日). 2021年1月9日閲覧。
  2. ^ Symptoms and self-help guides by body part | NHS inform” (英語). www.nhsinform.scot. 2021年1月9日閲覧。
  3. ^ Definition: 'Sign'”. Stedman's Medical Dictionary. Lippincott Williams & Wilkins via Medilexicon International Ltd.'s website, medilexicon.org. 2013年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月12日閲覧。
  4. ^ Marie T. O'Toole, ed., Mosby's Medical Dictionary, 9th ed. (St. Louis, MO: Elsevier/Mosby, 2013), Kindle loc. 154641. ISBN 9780323085410

関連項目


症候学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 09:48 UTC 版)

脊髄梗塞」の記事における「症候学」の解説

脊髄血管障害という病態診断は症候学で比較容易にできるとされている。 詳細「麻痺」参照 発症様式 脊髄梗塞一般に突然の発症とされている。しかし症状完成するまでの経過数時間からときに1 - 2日かかって完成することもある。 疼痛 疼痛初発訴えであることが多い。疼痛部位病巣脊髄高位示している場合が多い。脊髄血管障害の際の疼痛後根ないし後角虚血によって生じ場合デルマトーム沿った痛みである。前根前角刺激状態でその支配筋収縮起因する発痛機序考えられ、この場合はミオトームに準じた分布をとることが予想される病変の分布 灰白質(髄節性)症状と長索路症状こだわって診察することが重要である。ブラウン・セカール症候群脊髄以外に考えられない特異的な症状である。しかし感覚障害運動障害が同側にみられる脊髄障害ありえる膀胱直腸障害 ほとんどの例で必発である。

※この「症候学」の解説は、「脊髄梗塞」の解説の一部です。
「症候学」を含む「脊髄梗塞」の記事については、「脊髄梗塞」の概要を参照ください。

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