粘液水腫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/30 08:08 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動粘液水腫 | |
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分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 |
内分泌学 |
ICD-10 | E03.9 |
ICD-9-CM | 244.9 |
DiseasesDB | 6558 |
MedlinePlus | 000353 |
eMedicine | med/1581 derm/347 |
MeSH | D009230 |
粘液水腫(英: myxedema)とは一般的に高度に進行した甲状腺機能低下症に続発する皮膚や組織の疾病。皮膚に水和力の高い酸性ムコ多糖類が蓄積することによって、顔面は眼瞼、鼻、頬及び口唇等が浮腫状を呈する。他に四肢の皮膚、手掌、足底等においても浮腫が出現し、体毛等も脱毛して減少する状態をいう。甲状腺機能低下症は外科的に甲状腺を除去することによって発生する萎縮性疾病である慢性甲状腺炎を原因とすることがあり、粘液水腫はさらに稀な疾病である。粘液水腫の一形態である前脛骨粘液水腫は、時として甲状腺機能亢進症を原因とする成人のバセドウ病や甲状腺機能低下症を伴わない慢性甲状腺炎で出現することがある。
関連項目
参考文献
相川直樹 他『南山堂 医学大辞典』南山堂、1993(1954)
粘液水腫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 21:16 UTC 版)
1873年、ガルは粘液水腫の原因が甲状腺の萎縮であることを示した論文"On a cretinoid state supervending in adult life in women"(女性の成人期に起こるクレチノイドの状態について)を発表した。 ガルの研究の背景には、1855年にクロード・ベルナールが行った「内部環境(英語版)」の概念に基づく研究と、1859年にベルンで行われた、犬の甲状腺切除(英語版)が必ず致命的になることを示しましたモーリッツ・シフ(英語版)の研究がある。シフは後に、甲状腺切除した動物と人間の両方で、甲状腺の移植や注射によって症状が回復することを示した。ガルは、甲状腺が何らかの重要な物質を血液中に放出していると考えた。その3年前、同じガイズ病院のチャールズ・ヒルトン・ファッジ(英語版)が「散発性クレチン病」についての論文を発表していた。 ガルの論文では、B嬢の症状と外見の変化について次のように述べている。 月経期が終わった後、だんだん気だるくなり、全体的に体が大きくなった。彼女の顔は楕円形から丸みを帯びてきた。舌は広くて厚く、声は小声で、発音は舌が口に対して大きすぎるかのようだった(クレチン病様)。私がそれまでに見た大人のクレチン病様状態では、甲状腺は肥大していなかった。精神状態に明らかな変化があった。それまで活発で好奇心旺盛だった精神が、筋肉の倦怠感に対応して、穏やかな無関心になったが、知性は損なわれていなかった。皮膚の変化は顕著である。皮膚は独特の滑らかさときめ細かさを持ち、顔色も良いので、一見すると全体的にわずかな浮腫があるように見える。頬に見られる美しい繊細なローズパープルの色合いは、腎性全身浮腫の肥大した顔に見られるものとは全く異なる。 1888年、W.M.Ordはこの症状を「粘液水腫」(myxoedema)と命名した。
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