精神状態(「犯罪意思」:mens rea)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/25 06:41 UTC 版)
「犯罪構成要素」の記事における「精神状態(「犯罪意思」:mens rea)」の解説
「犯罪意思」(mens rea) とは、被告人の意思に係る犯罪の精神的要素である。これは必要的要素であり、すなわち、犯罪行為は自発的又は目的的でなければならない。「犯罪意思」は、精神的意思(精神的過失)、すなわち、犯罪の時点における被告人の精神状態であり、guilty mind(犯罪的精神)と呼ばれることもある。その由来は、起源の明らかでない古い箴言「actus reus non facit reum nisi mens sit reas」にあり、これは「罪ある心無ければ罪ある行為無し」と訳される。たとえば、加重殴打罪 (aggrevated battery) の「犯罪意思」は、重大な身体的危害を与える意思とされている。「犯罪意思」は、ほとんど常に、犯罪行為が行われたことを証明するために必要な構成要素の1つである。 「犯罪意思」は、犯罪によって異なる。謀殺罪 (murder) の場合は、この精神的要素として、被告人が行為に際して「予謀の犯意 (malice aforethought)」を有していたことが要求される。その他の犯罪の場合は、当該行為が行われるに際して「知りながら (knowingly)」、「意図 (willfulness)」、「無謀 (recklessness)」といった精神的要素を有していたことの証明が求められることがある。放火罪 (arson) であれば禁止された行為を行う意思が求められるのに対して、謀殺罪などの他の犯罪であれば、禁止された結果を惹起する意思が求められる。動機、すなわち当該行為を行った理由は、「犯罪意思」とは同じではなく、法は動機については関知しない。 多くの法体系において「犯罪意思」の重要性は認識されているものの、その概念が正確に意味するところはさまざまである。アメリカ法律協会(英語版)の模範刑法典(英語版)では、この精神状態を4種にまで削減している。一般論として、ある個人に罪責が帰せられるのは、その行為が「目的をもって (purposely)」、「知りながら (knowingly)」、「無謀に (recklessly)」又は「過失により (negligently)」行われた場合である。これらの4種類の属性は、通常の「犯罪意思」に関する問題の多くを取り扱うに際し、基本的に有効であるとみられる。
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「精神状態」の例文・使い方・用例・文例
- 彼は現在の精神状態では正しい決断はできない
- 彼女の精神状態は不安定のようだ
- 掲示板を荒らす人の精神状態がわかりません。
- 彼女はロマンティックになっていたので、人間はどこであれどこか片隅に住むべきところを見つけ、その周りに自分の全人生を整えていくべきだということを受け入れるような受動的な精神状態にまだ陥っていなかったのである。
- 彼の精神状態を考慮に入れるべきだ。
- デネットの著作の中心的主張は、端的に言えば、内的精神状態の存在を否定するということである。
- 精神状態.
- 精神状態
- (精神状態について)激しく曲解された知覚、幻覚、幸福感、あるいは時々絶望感により特徴付けられる
- ブルジョアな精神状態
- 意識に現れていない精神状態に関して
- 落ち着いた精神状態
- 良い体調または精神状態でない
- ある精神状態にする
- ひどい精神状態で
- 不安定な精神状態
- 感覚とは単純で、分析ができない精神状態である−G.S.ブレット
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