研究の背景
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「情報プラットフォーム」の記事における「研究の背景」の解説
『タンパク3000 プロジェクト』は2006 年度をもって終了したが、その後も『タンパク3000成果データベース』によって、対象となったタンパク質について各拠点での進捗結果を閲覧することができる。 これをさらに進めて、研究開始から研究成果公表までの進捗状況をリアルタイムで把握可能とする情報システムが、2006 年度における『タンパク質解析基盤技術開発プロジェクト(基盤プロジェクト)』の1 課題『次世代タンパク質解析に向けた情報プラットフォームの構築と戦略的活用』として、国立遺伝学研究所と日立製作所中央研究所によって試作された。 2007年度からのターゲットタンパク研究プログラムにおいては、これらタンパク3000 プロジェクトならびに基盤プロジェクトで得た知見を活かして、データ・情報・知識のプロジェクト内共有と外部発信のためのプラットフォームが構築され運用されている。
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研究の背景
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霊長類学者の指摘によると、霊長類は高い社会性を有するため、一般的には社会的グルーミングによって、社会集団の他のメンバーと個人的な結びつきを維持しているはずだと考えられている。そのような社会的集団は、彼らが属する集団全体の中で防衛的な徒党として機能する。一頭の霊長類が把捉できる社会集団のメンバー数は、新皮質の容量によって上限が決められるようである。 1992年、ダンバーは人間の集団の大きさを推定するために、人間以外の霊長類から観察できる相関関係を利用した。38種類の霊長類のデータから回帰方程式を用いて、人間の平均的な集団の大きさは148(四捨五入して150とされる)であると、ダンバーは推定した。この結果についてダンバーは、大きな誤差測定(100~230の95%信頼区間)があるため、試験的な数値であるとしている。 そして、ダンバーはこの推定値を実際に観察できる人間集団の数と比較した。現在の平均的な人間の新皮質の容量は、更新世である約25万年前には発達していたという推定に立ち、ダンバーは、人類学と民族誌学の文献を調査し、様々な狩猟採集社会の人口調査などから集団数についての情報を得た。そのような狩猟採集社会は、現存する社会集団の中では、更新世の社会に最も近い存在であろうと人類学者は位置付けている。ダンバーは諸集団を小中大の三つの集団に分類することができると言う。それらはbands、cultural lineage groups、tribesに相当し、それぞれの集団数は30~50、100~200、500~2500であるとする。 ダンバーによる村落と部族の大きさについての調査もまた、この予測値に近似していることを示している。例えば、新石器時代の農村の規模の推定値は150、フッター派の定住場所が分割する時の人数は150、学術上の一つの専門分野における学者の数の上限は200、古代ローマと16世紀以降から現代までの正規軍の基本的な単位は150、中隊の適切な大きさとされる数、などの事例がある。 平均150という数字が成立するのは、密集によって高い利益を得られる集団のみに限られると、ダンバーは主張している。そのような大きさの集団の団結を維持するためには、集団全体の42%もの時間を社会的グルーミングに費やす必要があると、ダンバーは推定している。具体的には、自給自足の村落、遊牧民、昔の軍組織など、厳しい生存圧に曝されている集団のみが、平均150という値に到達している。さらにダンバーは、そのような集団は、ほぼすべての場合において、物理的に密接していると指摘する。「集団数の上限は、社会的な分散の度合いに左右されると推測できるだろう。分散度の高い社会においては、個々が接触する機会は少なく、そのため互いの親密さも低減し、その結果として、集団数は小さなものになるはずである。」そのため、厳しい環境や経済的な圧力など、明瞭な必要性が存在する場合にのみ上限150の集団は成立する。 ダンバーは、『ことばの起源』の中で、言語は「安価な」社会的グルーミングの手段として出現し、それによって原始人は社会的団結の維持を効率良く行えるようになったという説を提案している。ダンバーの推測によると、仮に言語がないとすれば、全体の半分近くの時間を社会的グルーミングに割く必要があり、このような状況では生産性のある協力的な行為はほぼ不可能になるだろう。言語は、物理的あるいは社会的な親密さに必要となる経費を低減しながら、社会の団結を維持することを可能にしたのであろう 。この結果は、社会脳仮説の数学的定式化によって確認されている。これが示すところによると、言語によって初めて可能になる複雑なコミュニケーションなくして、脳の容量の増加が大きな集団につながったという状況は起こりえないとされる。 ダンバー数は、人類学や進化心理学や統計学や企業経営の分野でも研究の対象になっている。例えば、ソーシャルソフトウェアの開発者も、プログラムが処理すべきソーシャルネットワークの大きさを知る必要があるため、ダンバー数に注目している。また、現代の軍隊でも、部隊の団結や士気の維持向上に関する方策の裏付けあるいは反駁(はんばく)のために、軍の心理学者らはそのようなデータを集めている。最近の研究では、ダンバー数は、オンラインソーシャルネットワーク や携帯電話などのコミュニケーションネットワークにも適用できるとしている。
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