じょうほう‐システム〔ジヤウホウ‐〕【情報システム】
読み方:じょうほうしすてむ
情報処理を行うためのコンピューターシステム。コンピューター・情報通信ネットワーク・各種ソフトウエアなどで構成される。情報処理システム。情シス。
情報システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/22 09:16 UTC 版)
情報システム(じょうほうシステム 、英:Information system)、または情報処理システム(じょうほうしょりシステム、英:Information processing system)とは、情報の処理や伝達などを行うシステム[1]。コンピュータやネットワークなどを使用する、いわゆるコンピュータシステムを指すことも多い[1]。またはITシステムとも呼ばれることも多い。
情報システムと情報処理システム
いずれも情報処理を目的とするが、情報システムは人や機械、コンピュータから構成される仕組み全体を指し、情報処理システムは情報システムの内、コンピュータから構成される仕組みの部分を指す[2]。
日本語の「情報システム」について
「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野」では「情報を扱う」という表現で、「情報の生成・探索・表現・蓄積・管理・認識・分析・変換・伝達」といった種々累々にわたる情報の取扱いを総称している。また、JIS Z 8115「ディペンダビリティ(信頼性)用語」では「システム」を「所定の任務を達成するために、選定され、配列され、互いに連係して動作する一連のアイテム (ハードウェア、ソフトウェア、人間要素) の組合せ. 」としている。この2つを組み合わせて、情報システムとは「情報を扱う」「システム」である、と逐語的には捉えることができる。
実際には、英語の Information Systems、日本語の「情報システム」のいずれも、以上のような逐語的解釈に加え、社会的な文脈を含めた意味合いが付け加わっていることが多く、たとえばコンピュータ科学の国際学会ACMによるキャリア形成支援のウェブサイトにある Information Systems(と呼ばれる分野)の説明[3]によれば「... computer systems can provide to aid a company, non-profit or governmental organization in defining and achieving its goals.」といったように、営利企業・非営利団体・政府団体などの組織体におけるコンピュータ・システムの利用、といったような応用分野のもの、という意味付けが加わっている。さらに日本の学会である情報システム学会は「人間中心の」という限定を加えている(詳細は情報システム学会#概要を参照)[※ 1]。
日本において「情報システム」という言葉が最初に見られるのは、「情報」および「システム」というどちらの言葉が一般化するよりも古く、いわゆる「MIS」こと経営情報システムという語の一部としてであり、1963年に「経営情報システムの展開と経営構造の高度化--わが国の経営機械化の問題との関連において」という題の文献がある[4]。MISという語自体はその後、バズワードの典型のような[※ 2]経過を辿るが、Information Systems 及び「情報システム」という部分は、前述の英語の語義のように、法人などの組織体におけるコンピュータ・システムの利用、といった意味で使われるようになり、情報処理学会の学会誌『情報処理』の総目録を調べると、1972年に「データ開発と情報システム」[5]という記事があるのが、記事名での初出である。
その後、1980年代に浦昭二らにより「人間中心の情報システム」が提唱され(1989年に『情報システムハンドブック』が上梓されている)、「情報システム学会」および情報処理学会の「情報システムと社会環境研究会」では、その主張に沿った「情報システム学」が研究されている。同研究会が中心となってまとめられた「ISディジタル辞典」の「情報システム」の記事[6]によれば、『情報システム学では,「情報システムとは,組織体(または社会)の活動に必要な情報の収集・処理・伝達・利用に関わる仕組みである。広義には人的機構と機械的機構とからなる。コンピュータを中心とした機械的機構を重視したとき,狭義の情報システムとよぶ。しかし,このときそれが置かれる組織の活動となじみのとれているものでなければならない。」と定義している』とあり、その後に引き続く説明によれば、コンピュータ無しの情報システムというものもあるが、人間無しの情報システムというものは無い、といったような説明がある。
これらの情報システムを管理する法人内の部門はしばしば「情報システム部」「情シス」と呼称される。
法令による定義
法令において情報処理システムは、「電子計算機及びプログラムの集合体であって、情報処理の業務を一体的に行うよう構成されたものをいう。」(情報処理の促進に関する法律第20条第5項)と説明されている。
企業内の情報処理システム
明確な定義は存在しないが、一般的には企業内に構築されている情報処理システムは、主たる機能と運用方法の違いによって以下の2つのシステムに分けて扱われることが多い。以下に書かれているもの以外にも、コンピュータを利用した情報処理を行っているシステムは数多くあるが、いわゆる「情報システム」と呼んでいる業界が扱うことが可能な範囲が以下の2つである、ということである。
- 基幹系システム
- 基幹系システムは、企業の主たる業務の情報処理を支えるためのコンピュータシステムであり、銀行業では勘定系システム、製造業では受注・生産・配送計画システムや会計システム、運輸では運行管理システムなどを指す。
- 情報系システム
- 情報系システムは、主たる業務に付随した情報処理を行うためのコンピュータシステムであり、経営判断をサポートする目的で基幹系システム内部や別途に構築したデータベースを分析して報告書を作成するシステムや人事管理システム、企業内ネットワーク/電子メール/Web/デジタル電話/会議システムなどを指す。
注釈
出典
参考文献
- 岸 知二、野田 夏子『ソフトウェア工学』近代科学社、07-31。ISBN 978-4-7649-0509-2。
関連項目
情報システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/10 04:31 UTC 版)
物流に関わる企業のグローバル化・多様化にあたってサプライチェーン・マネジメントの観点から「情報の標準化」の重要性を説いており、物流情報の標準「JTRN」の維持・改定に携わるとともに、「情報処理技術者試験委員」を務めた。
※この「情報システム」の解説は、「増井忠幸」の解説の一部です。
「情報システム」を含む「増井忠幸」の記事については、「増井忠幸」の概要を参照ください。
「情報システム」の例文・使い方・用例・文例
- 彼が多数の情報システム開発プロジェクトに参画する
- 販売情報システムは受注処理や在庫管理の情報を扱っている。
- 私はあなたのエラーについて情報システム部に確認中です。
- 橋田貿易株式会社の情報システム部のリーダーの長谷川と申します。
- 私、西村情報システム株式会社の販売促進部の部長の山崎と申します。
- このプロダクトはインテリジェント総合情報システムです。
- 仲買人に証券の価格相場を提供するコンピューター情報システム
- 米国の情報システムを保護し、外国情報資料を作成するために非常に専門化した活動を調整して、指示する米国統合暗号組織
- 大統領、国防長官、および統合参謀本部のニーズに応えるために、情報システムの開発、運用、および支援を担当する国防総省の戦闘支援機関
- キャプテンシステムという情報システム
- メッシュ気象情報システムという,日本気象協会が開発した気象情報システム
- NEISSという危害情報システム
- 交通情報をカーラジオで提供する情報システム
- 路車間情報システムという,道路周辺の状況の情報をドライバーに提供するシステム
- 緊急警戒放送という,非常災害時の情報システム
- 国際環境情報システムという,公害や環境に関する情報入手のためのネットワークシステム
- 救急医療情報システムという,都道府県単位のコンピューターで結ばれた救急医療体制
- 国際環境情報システムという,公害と環境に関する情報入手のためのネットワークシステム
- 総合雇用情報システムという,求人求職に関する情報システム
- 地域保健医療情報システムという,救急患者に対応する為の医療情報システム
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