グリーンITとは? わかりやすく解説

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グリーン‐アイティー【green IT】

読み方:ぐりーんあいてぃー

IT(情報技術分野における、地球環境配慮した取り組み。IT機器省電力化、使用済み製品からの資源リサイクルのほか、ITを利用した物流生産現場における燃料エネルギー効率の向上などを指す。


グリーンIT

グリーンIT 地球温暖化対策一つとして「グリーンIT」に期待高まってます。グリーンITとは、IT機器自体省エネ化を進めることと、ITを使って我々の社会生活をより効率化することで環境負荷を軽減ようとする取り組みのことです。IT機器メーカー各社製品省エネ化に今後一層取り組む計画策定しているほか、今年2月には産学官連携してグリーンITを推進する組織「グリーンIT推進協議会」(会長庄山悦彦日立製作所会長)も発足するなど、国内ではグリーンITを推進する動き強まってます。
 同協議会は、IT機器自体省エネ化、IT技術による経済・社会活動変革、それらを通じて地球温暖化対策具体化することを目的設立されました。今後社会で扱う情報量2025年現在の200倍になるとの予測ありますそれに伴いIT機器台数大幅に増加することはもちろん、機器ごとの情報処理量も増えます
 その結果、IT機器消費電力量2025年現在の5倍程度達するとも言われています。協議会では、この情報爆発によってIT機器台数各機種ごとの情報処理量の大幅増加に対応するため、IT機器自体省エネ化することが重要な課題なるとしています。また、IT・エレクトロニクス技術は高度な制御管理機能によって生産・物流・業務効率化可能にます。それを通じて経済・社会活動生産性エネルギー効率の向上も図れるため、IT機器有効活用することは環境負荷低減にも大きく貢献します。そのため、「ITの省エネ」と「ITを使った省エネ」に取り組めば、その相乗効果地球の環負荷大幅に軽減できるのです。
 企業個別にITの省エネ戦略打ち出してます。日立製作所データセンター省電力プロジェクト「クールセンター50」を発足し今後5年間でデータセンター消費電力最大50%削減することを目標掲げましたNECは「リアル・IT・クール・プロジェクト」を策定し2012年まで顧客のITプラットフォーム消費する電力年間50%、IT機器CO2排出量を累計で約91トン削減する計画です。また、富士通環境プロジェクト「グリーン・ポリシー・イノベーション」や「グリーン・インフラ・ソリューション」に取り組んでます。ソリューション顧客のITファシリティ消費電力CO2排出量)を最大50%削減することが目標です。


(掲載日:2008/07/18)

グリーンIT

読み方グリーンアイティー
【英】Green IT

グリーンITとは、地球環境保護配慮されたIT製品やサービスIT企業取り組みなどの総称である。

IT技術そもそも業務効率化産業構造の転換推進する働きがあり、環境負荷低減にとってプラス要素を持つといえる。しかし他方で、IT自体使用する電力量廃熱量が深刻な問題として受け止められるようになってきている。

例えデータセンターにおいては巨大なサーバー群を24時間運用するために、サーバー自体を動かす電力の他、冷却装置電力安定化装置などを常時稼働させる必要がある。そして設備・施設大型化はますます進んでいる。

経済産業省2007年発表した「グリーンITイニシアティブ」の報告書によれば米国データセンター電力消費量過去6年間でほぼ倍増しており、今後20年間でさらに5倍に膨れ上がるといわれている。

このような事情即し米国中心に「グリーンIT」をキーワードとした電力節約姿勢注目されるようになってきた。データセンター設置場所工夫や、ハードウェア省電力化などを中心として、様々な取り組み始められている。

2007年11月世界最大規模データセンター有する企業1つであるSun Microsystemsは、IIJなどの企業・団体と共同で、地下水脈冷却水として利用できる地下100メートル地底空間データセンター建設するプロジェクト発足したその他に発電所付近にデータセンター建設することで送電ロス限りなく抑えるといった取り組み世界各地進められている。

データセンターとどまらず、IT機器全般省電力化のニーズ高まっていることを受けて関連する業界団体メーカー各社中心となって2008年2月1日社団法人電子情報技術産業協会内に「グリーンIT推進協議会」が発足した


参照リンク
「グリーンIT推進協議会」設立について - (社団法人電子情報技術産業協会
グリーン IT 推進協議会設立に向けて - (PDF形式

グリーンIT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/26 23:58 UTC 版)

グリーンIT(グリーンアイティー、: green IT)あるいはグリーンコンピューティング: green computing[1]は、地球環境への負荷を低減できるIT関連機器やITシステムなどの総称[2]。それに加えて、ITを活用して地球環境への負荷を低減する取り組みも併せて指す場合もある[2]グリーンICTともいう[2]

概要

地球環境や環境サステナビリティに配慮したITコンピューティングのことであり、たとえば球環境への負荷を低減するIT機器・ITシステム・ITサービスなどを開発したり、地球環境への負荷を低減するやり方でIT機器を製造したり廃棄することであり、またユーザの立場では地球環境への配慮がされているIT機器やITサービスを選んで使うことであり(これをグリーン調達やグリーン購入という[1])、また逆にいうと、地球環境への配慮が足りないIT機器やITサービスの購入は避け、使わないことである。

コンピュータの利用が広まるにつれ、コンピュータシステムの消費電力や発熱の増大が問題視されるようになり、これらを低減することで地球環境を護る目指す取り組みとしてグリーンITという用語が使われるようになった[2]。グリーンITは環境サステナビリティに良いだけでなく、うまく行えばコスト削減にもつなげることができ経営改善にも役立つ。

特に、地球温暖化がすでに進んでしまい異常に高い気温や異常気象が各地で起き、人類にとってサステナビリティのための活動を進めることが「待ったなし」の状況まで追い込まれてきている近年では、人々の関心は高く、IT企業にとっては人々に自社製品を選んで購入していただくためにもグリーンITを推し進めることがますます重要な課題となっている。

定義、基本、高度な手法

定義法はいくつかありはするが、こうした考え方の始まりとなったアメリカ環境保護庁(EPA)の文書「IT機器の導入、運用、廃棄に至るまでを含めた環境への負荷を減らすための包括的な考え方」の考え方が基本だと認められている。

たとえばIT機器の部品、また出荷時に使う梱包・緩衝材などは出来るだけリサイクル可能なものを使用し、製造工程でも廃棄時にも消費エネルギーを極力抑え有害物質もほとんど出ないようにすることであり、また運用時の消費電力量もできる限り抑える、という考えかたが基礎となる。

具体的に言うと、製品のプラスチック部分をリサイクル可能な素材に置き換えることや、土に返すことが出来るグリーンプラ(生分解性プラスチック)を利用するということや、機器の内部構造を熱循環の良いものにし廃熱の効率を上げることで廃熱に使う電力を抑えることや、サーバ機器の配置を工夫し熱がこもらないようにして空調電力を抑えるといったこともあげられる。

さらにはサーバ統合、仮想化クラウドコンピューティングなどを使い、世の中のIT機器の総台数を削減することや利用効率を向上させること、データセンターの高効率稼働や100%再生可能エネルギー稼働の実現も含まれる[2] [3]

関連表示

ロゴマーク

グリーンITの思想を取り込み、かつ同じくアメリカの環境保護庁(EPA)が設けた基準を満たした機器には、エネルギースターロゴマークを表記することが許されており、情報機器に限らず冷蔵庫などの家電にも適用される。

この基準にはさまざまな要素が含まれており、デスクトップパソコンではスリープ機能の付加を義務付けたうえに、そのときのシステム全体での消費電力を30W以下に抑える[4]などが挙げられることが出来る。

日本国内で適用され貼られることのあるグリーンIT関連のラベルとしては次のものがある[1]

  • (上述の)「国際エネルギースター」(低消費電力)
  • 「エコマーク」(特定有害物質の不使用など)[1]
  • 「省エネラベル」(エネルギー効率)[1]
  • 「PCグリーンラベル」(リサイクルなどの観点での環境への配慮)[1]
  • 「エコリーフ環境ラベル」(製造・使用・廃棄)[1]
  • 「全国統一省エネラベル」(省エネ性能)[1]

広義のグリーンIT

グリーンITは広義には、IT技術を使うことで地球環境への負荷を減らすことも含めて指し、たとえば業務のIT化による効率向上やITシステムによる設備の高度な電力制御などにより環境への負荷を低減することも含める[2]

たとえば次のようなことも含められる[2]

  • 文書の作成・管理にIT機器を導入し紙の使用量を減らすペーパーレス[2](紙パルプの原料となる森林の伐採量の削減)
  • ビデオ会議システムの活用による出張の削減[2](人の移動に伴うエネルギー浪費の削減)
  • テレワーク推進による通勤の削減[2](通勤に伴うエネルギー浪費の削減)
  • IT技術を活用した遠隔授業の実現[2](通学に伴うエネルギー浪費の削減)
  • 通信ネットワークで遠隔地を結んで行う遠隔医療の実現[2](医師の移動や患者の通院に伴うエネルギー浪費の削減)
  • 住宅やオフィスのエネルギー利用の最適化(HEMS/BEMS等)[2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h [1]
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m IT用語辞典 e-words【グリーンIT】
  3. ^ 今、IT部門が取り組むべきグリーンITとは?”. NTTデータ | Trusted Global Innovator. 2025年1月26日閲覧。
  4. ^ e-word

関連項目

外部リンク


グリーンIT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 16:42 UTC 版)

データセンター」の記事における「グリーンIT」の解説

地球温暖化防止観点から、データセンター消費する電力大きさ注目が集まるようになり、ITインフラ省電力運動いわゆる「グリーンIT」)の一環としてデータセンター省電力化が2007年頃から推進されるようになった。 グリーンITを実現する具体的な方策としては下記挙げるように複数対策が行われている。

※この「グリーンIT」の解説は、「データセンター」の解説の一部です。
「グリーンIT」を含む「データセンター」の記事については、「データセンター」の概要を参照ください。

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