すい‐とう【水痘】
水痘/水ぼうそう (すいとう/みずぼうそう)
水痘
【概要】 水痘は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が初めて感染した時の状態。10歳までに感染し、成人の抗体陽性率は90~95%に達する。感染源は患児の気道や水疱内容で、飛沫で経気道感染する。
【詳しく】 潜伏期間は14~21日。紅色丘疹、水疱、膿疱、痂皮の順に急速に進行する。免疫不全児では経過が遷延、重症化し死亡することもある。治療は対症療法とアシクロビルの使用。初感染後にウイルスは脊髄の知覚神経節に一生潜伏し、後に再活性化すると帯状疱疹を起こす。

水痘
水痘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/09 01:17 UTC 版)
水痘 | |
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概要 | |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | B01 |
ICD-9-CM | 052 |
DiseasesDB | 29118 |
MedlinePlus | 001592 |
eMedicine | ped/2385 derm/74, emerg/367 |
Patient UK | 水痘 |
水痘(すいとう)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus, VZV)の感染による感染症の一種。一般に水疱瘡(みずぼうそう)または水ぼうそうとしても知られている。
英語では chicken pox [1]や varicellaと呼ばれる。日本では、感染症法の第5類感染症に指定されており、学校保健安全法による第2類学校感染症に分類されている。
疫学
水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の自然宿主はヒトのみであるが、世界中に分布しており[1]、接触感染、飛沫感染、空気感染で感染する[1][2]。季節的には毎年12 - 7月に多く8 - 11月に減少する[1]。
発疹を生じ、紅斑(皮膚表面が赤くなる)、水疱(水ぶくれ)、膿疱(粘度のある液体を含む水疱)と経過し、痂皮化(かひか、かさぶたへの変化)してから治癒に至る[1]。しかし、その後も水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)は知覚神経節サテライト細胞に潜伏し続け、がんや加齢などの原因により、このウイルスに対する特異的細胞性免疫能の低下により再活性化する[2]。この再活性化により知覚神経を通って皮膚で再び増殖した状態が帯状疱疹である[2][3]。
原因
ヘルペスウイルス科の水痘・帯状疱疹ウイルス (varicella-zoster virus, VZV) の初感染による[2]。感染経路は接触感染、飛沫感染、空気感染で感染で、発疹出現の1-2日前から出現後4-5日あるいは痂皮化するまで感染力がある[1][2]。特に発疹出現1 - 2日前から出現当日までは感染力が高いとされている[4]。
感染力は麻疹に比べると弱いが、ムンプスや風疹よりは強い[1]。水痘の基本再生産数 水痘・帯状疱疹ワクチン(生ワクチン)の予防接種が予防法となる。ワクチンは1974年に日本で開発されたワクチンで、岡株は世界で唯一の水痘ワクチン株である[2]。
水痘患者と接触(空気感染が主なので直接触るという意味ではなく、同一フロアにいると言う意味)してしまった後でも、72時間以内にワクチン接種することで発症の予防または症状の軽減が期待できる[6]。
日本でも2014年10月1日から定期接種となった[7]。1歳になったらなるべく早く1回目を接種し、その6 - 12か月後に2回目を接種することが推奨される。なお、2015年5月には定期接種化により小児の入院事例が過去10年で最も少なかったことが報告されている[8]。
ただし、既に水痘に罹患したことがある場合は対象外。任意接種として既に水痘ワクチンの接種を受けたことがある場合は、既に接種した回数分の接種を受けたものとみなす(経過措置対象者も含む)。
アメリカ合衆国では、1996年から定期接種を開始し、2006年に2回目の水痘ワクチン接種時期を4 - 6歳とした[2]。
帯状疱疹ウイルス(VZV)は初感染後、脊髄後根神経節(知覚神経節サテライト細胞)に潜伏し続けるが、長期間無症状のままである[1][2]。しかし、がんや加齢、精神的ストレス、糖尿病などの原因により、このウイルスに対する特異的細胞性免疫能が低下して再活性化し、これが神経の支配領域に限局して疾患を引き起こしたものが帯状疱疹である[1][2]。
宮崎県内の医療機関が1997 - 2006年に行った4万8388例(男2万181人、女2万8207人)に対する調査では、8月に多く冬は少なく、帯状疱疹と水痘の流行は逆の関係にあった。この現象は、20 - 40歳代の子育て世代に顕著なため、水痘の子供と接したことによるブースター効果(追加免疫効果)が働いたと考えられている[9]。
日本
アメリカ合衆国
帯状疱疹との関係
再活性化
発症者数の関係
脚注
関連項目
外部リンク
水痘
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 18:38 UTC 版)
「水痘・帯状疱疹ウイルス」の記事における「水痘」の解説
日本では長く任意接種であったが、2014年より定期接種となった。1歳になってから間隔をあけて2度の接種を行う。
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