潜伏感染とは? わかりやすく解説

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潜伏感染

英訳・(英)同義/類義語:latent infection

ウイルス宿主細胞内に存在する増殖しない状態。
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現象や動作行為に関連する概念:  温覚  溶菌化サイクル  溶血  潜伏感染  無性生殖  無条件刺激  無気呼吸

潜伏感染

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/04 09:15 UTC 版)

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潜伏感染(せんぷくかんせん)とは臨床的に認められる症状を示さず、体内に病原体が存続している状態であり、持続感染の一種。ヘルペスウイルスでは体表面に感染したウイルスが増殖したのちに神経節に上行して潜伏し、潜伏感染となる。この状態では新しいウイルスは作られず、また抗ウイルス薬なども無効である。宿主の免疫低下に伴って再活性化し、初感染した部位の近傍に病巣を発症する。

参考文献

関連項目

外部リンク



潜伏感染

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 02:05 UTC 版)

エプスタイン・バール・ウイルス」の記事における「潜伏感染」の解説

前述溶解感染とは異なり、潜伏感染(latent infection, latency)は感染力のあるウイルス粒子ビリオン)の産生が行われない潜伏期においてはEBVはごく限られた遺伝子群(latent genes;潜伏感染遺伝子)のみを発現しウイルスゲノム細胞核内で宿主染色体付着してエピソームとして存在する宿主細胞分裂サイクル同調してS期一回複製し娘染色体付着して分配されることで宿主複製分裂してウイルス希釈減少することなく維持されるEBV潜伏感染は潜伏感染遺伝子の発現パターンによってI型II型III型3つ分類されており、限られた種類異なウイルスタンパク質ウイルスRNA産生が行われる。 潜伏感染遺伝子EBNA-1EBNA-2EBNA-3AEBNA-3BEBNA-3CEBNA-LPLMP-1LMP-2ALMP-2BEBER産生蛋白 蛋白 蛋白 蛋白 蛋白 蛋白 蛋白 蛋白 蛋白 ノンコーディングRNA I型 + – – – – – – – – + II型 + – – – – + + + + + III型 + + + + + + + + + + EBVB細胞上皮系細胞潜伏的に持続感染できるが、その時の潜伏感染遺伝子の発現パターンは潜伏感染している細胞B細胞上皮系細胞かによって異なる。なお、メモリーB細胞でのEBV感染様式として、EBER以外ウイルス遺伝子発現がほとんど確認できない0型という潜伏様式存在確認されている。 B細胞においてはI型II型III型全ての潜伏感染遺伝子発現パターンが可能である。EBVの潜伏感染は通常III型II型I型の順に進む。それぞれの発現パターンB細胞振る舞い特異な影響与える。休眠中のナイーブB細胞感染する際には、EBVIII型の潜伏感染から行う。III型の潜伏感染において産生されタンパク質RNAによってその休眠中のナイーブB細胞形質転換により増殖性芽球ないしはB細胞活性化として知られる)になる。その後EBVはその潜伏感染遺伝子の発現制限しII型の潜伏感染へと突入するII型の潜伏感染で発現されたタンパク質RNAB細胞メモリーB細胞へと分化させる。最終的にEBVはさらにその潜伏感染遺伝子の発現制限しI型の潜伏感染へと移行するI型の潜伏感染において産生されるEBNA-1はEBVゲノム宿主染色体つなぎ止めるアンカーとして働きメモリーB細胞分裂する際に複製されることを可能としている。 上皮系細胞においてはII型の潜伏感染のみが可能である[要出典]。 初感染時にはEBV口腔咽頭の上皮系細胞にて自身複製行い、そしてB細胞にてIII型II型I型の潜伏感染を成立させるB細胞における潜伏感染はEBV持続感染には欠かせず、その後上皮系細胞での複製唾液への感染力のあるウイルス粒子排出が行われる。EBVB細胞におけるIII型II型口腔上皮系細胞におけるII型ないしはT細胞NK細胞におけるII型の潜伏感染は悪性腫瘍になることもあり、これらは一様EBVゲノム存在遺伝子発現によって特徴付けられるEBV陽性がん細胞においてもウイルス基本的に潜伏状態にあり、LMP-1などのがん遺伝子発現して腫瘍性増殖サポートする一方でEBV再活性化溶解感染も、がんの発生維持進展一定の貢献をしていると考えられるI型潜伏感染はバーキットリンパ腫胃癌などに見られる様式で、EBNA-1・EBER発現している。II型感染ホジキンリンパ腫、NK/Tリンパ腫上咽頭癌乳癌などに見られI型発現している遺伝子加えてLMP-1・LMP-2A,Bを発現するIII型日和見リンパ腫や、培養細胞レベルEBVBリンパ球感染不死化させた場合リンパ芽球細胞, LCLs, lymphoblastoid cell linesと呼ばれる)に見られII型加えてEBNA-2・EBNA-3A,B,C・EBNA-LPなどを発現する。 以下、代表的な潜伏感染遺伝子について簡単に説明するLMP-1EBVコードする最も主要ながん遺伝子である。細胞膜上に存在し、CD40のシグナル模倣して恒常的にNF-kB・MAPKSTATAktなどを活性化することでB細胞増殖亢進する。LMP-2AはB細胞受容体模倣してAKTやカルシウムシグナルを活性化するEBERタンパクコードていない分子量RNAで、RNApol IIIによって極めて多量に転写されるため、in situ ハイブリダイゼーションなどによるウイルス検出マーカーとしてよく利用される。EBNA-2はIII型の潜伏感染においてLMP-1などの転写増強することで不死化関与する。EBNA-2自身DNA結合できないため転写因子としては働けないが、RBP-JκやPU.1など宿主転写因子結合することで転写補助因子として機能する

※この「潜伏感染」の解説は、「エプスタイン・バール・ウイルス」の解説の一部です。
「潜伏感染」を含む「エプスタイン・バール・ウイルス」の記事については、「エプスタイン・バール・ウイルス」の概要を参照ください。

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