がん‐いでんし〔‐ヰデンシ〕【×癌遺伝子】
がん遺伝子
がん遺伝子
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がん遺伝子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 00:04 UTC 版)
がん遺伝子(がんいでんし、oncogene)とは、ある正常な遺伝子が修飾を受けて発現・構造・機能に異常をきたし、その結果、正常細胞のがん化を引き起こすようなもののことをいう。このとき、修飾を受ける前の遺伝子をがん原遺伝子 (proto-oncogene) と呼ぶ。
- 1 がん遺伝子とは
- 2 がん遺伝子の概要
がん遺伝子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 23:14 UTC 版)
遺伝子の融合が腫瘍形成に重要な役割を果たしていることは、30年以上前から知られている。融合遺伝子は非融合遺伝子よりも活性の高い異常なタンパク質を産生する場合があり、こうした過剰な活性が腫瘍形成に寄与する。融合遺伝子は多くの場合、がんを引き起こすがん遺伝子であり、BCR-ABL、TEL-AML1(t(12;21)転座を有するALL)、AML1-ETO(t(8;21)転座を有するM2 AML)、TMPRSS2-ERG(前立腺がんで多く生じる21番染色体の中間部欠失)などがある。TMPRSS2-ERGの場合、発がん性ETS転写因子(英語版)によってアンドロゲン受容体の発現が阻害されてシグナル伝達が破壊されることで、前立腺がんに寄与する。融合遺伝子の大部分は血液のがん、肉腫、前立腺がんから見つかったものである。BCAM-AKT2は高異型度漿液性卵巣がんに特異的な融合遺伝子である。 発がん性融合遺伝子は、もともとの2つの遺伝子とは異なる新たな機能を持つ遺伝子産物をもたらす可能性がある。また、がん原遺伝子が強力なプロモーターと融合し、強力なプロモーターによるアップレギュレーションのために発がん性機能が生じる場合もある。後者のケースは悪性リンパ腫で一般的であり、がん遺伝子は免疫グロブリン遺伝子のプロモーターに隣接して位置することで強力なアップレギュレーションが行われる。発がん性融合転写産物は、トランススプライシングや転写終結シグナルの読み過ごしによって生じる可能性もある。 このように、染色体転座は新生物において大きな役割を果たしているため、がんでみられる染色体異常や遺伝子融合に関する専門的なデータベースが作成されている。このデータベースは"Mitelman Database of Chromosome Aberrations and Gene Fusions in Cancer"と呼ばれている。
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