がん遺伝子として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 15:31 UTC 版)
H19ががん遺伝子である証拠としては次のようなものがある。 H19の過剰発現は食道がんや大腸がんの発生に重要なようである。 H19を発現している細胞は、軟寒天培地上での足場非依存性増殖アッセイでより大きなコロニーを形成する。 乳がんや肺がんの細胞において、H19のダウンレギュレーションはコロニー形成能と足場非依存性増殖を低下させる。 マウスでH19の皮下注入は腫瘍の進行を促進する。 マウスへ膀胱がん細胞を注入することで形成された腫瘍はH19を発現する。注入前の膀胱がん細胞はH19を発現していなかった。 In vivoでのH19の異所性発現は、がん細胞の腫瘍形成能を増大させる。 遺伝子の転写の調節因子として機能するがん遺伝子c-Mycは、H19の発現を誘導する。 低酸素ストレス下でのH19のノックダウンは、p57(英語版)の誘導を減少させる。 腫瘍化した間葉系幹細胞は、腫瘍化していない間葉系幹細胞に比べて高レベルのH19を発現している。腫瘍化した細胞でH19をノックダウンすると、腫瘍形成能が著しく低下する。 H19ががん遺伝子であることを支持しない証拠としては次のようなものがある。 乳がん細胞へトランスフェクションされたH19 RNAの量は、細胞増殖、細胞周期のタイミング、足場依存性増殖に影響を与えない。
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