がん組織のヒストン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 15:50 UTC 版)
「エピジェネティクス」の記事における「がん組織のヒストン」の解説
各ヒストンタンパク質にはバリアントと呼ばれるアミノ酸配列が異なる変異体が存在する。それらは同じヒストンファミリーのバリアントが入れ替わることで、クロマチン構造を変え、特異的な核内プロセスを制御する重要な役割を持つ。H2AファミリーのバリアントH2A.Xは、DNAのダメージを監視し、DNA修復タンパク質のリクルートを促進して、ゲノムの保全に働いている。別のバリアントH2A.Zは、遺伝子の活性化および抑制の双方で重要な役割を持つ。高レベルのH2A.Z発現は、多くのがんで広範に検出され、細胞増殖とゲノムの不安定性とに非常に関連している。 がんに特異的なヒストンの化学的修飾も観察される。前述のがん抑制遺伝子プロモーターのCpGアイランドDNAメチル化は、ヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC) をリクルートすることで当該がん抑制遺伝子の発現を抑制し、がんの発生の一因となる。
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