事案
事案とは、基本的には「問題となっている(取り扱いや処理が求められている)事柄」あるいは「問題視すべき事柄」という意味の表現。何らかの対処を講じなくてはならない、または対処を取るべきかどうか検討する必要がある、といった要素を含んだ物事を指す抽象的な表現である。
通俗的には、いわゆる「声かけ事案」を念頭に置き、「あやしい動向」「不審者と疑われかねない言動」といった意味合いの表現として軽く用いられていることも多い。いわゆる「声かけ事案」は、「(~と声をかける)事案が発生」という定型表現により公表される、不審者への注意喚起を促す情報である。
「事案」の類義語としては「案件」や「問題」などの表現が挙げられる。どれも「対処すべき事」「問題となっている事」という意味の表現である。「事案」はどちらかといえば、何らかの問題が顕在化している事柄を指すニュアンスが色濃く、行政関連の文書で用いられることが多い。やや硬い表現でもある。「案件」は、「問題」に限らず課題や検討対象といった「取り扱いの対象」を含んだ事柄というニュアンスが色濃く、ビジネスシーンで用いられることが多い。
事案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/29 13:30 UTC 版)
「無賃入場者のパラドックス」の記事における「事案」の解説
あるコンサートに1000人の観客Y1、…、Y1000が来場した。このうち200人は1枚1000円のチケットを購入して入場したが、残りの800人は主催者の許可を取らずに裏口から無賃で入場した。後日、主催者Aは、1000人の観客全員を相手取って入場料支払を求める訴訟を起こした。そこで、以下のような判決が下された。 前提1:被告Y1、…、Y1000が当日コンサートに参加していたことは証明済みである。 前提2:Y1、…、Y1000のうち、800人が無賃入場者だったことは証明済みである。 前提3:Y1、…、Y1000のうち、誰が正規入場者で誰が無賃入場者かは不明である。 前提4:この国の法律によれば、有料のコンサートに無賃入場した者は後から入場料を払わなければならない。 前提5:この国の法実務によれば、裁判官は、被告が80%以上の証明度で疑わしい(この場合は、被告が無賃入場者であること)と判断する場合には、有責判決を下さねばならない。 前提6:これ以外の証拠は原告Aから全く提出されていない。 判決:被告Y1、…、Y1000はそれぞれ80%の確率で疑わしい。よって原告Aに入場料を支払うものとする。
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