安定
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/27 01:44 UTC 版)
安定(あんてい)
分野別の用語
安定でないことを不安定という。
数学
自然科学、工学
変化しにくい性質を表す。
- 平衡論では、システムの平衡点に対し、それからのずれの大きさが時間と共に減少すること。広義には、ずれの大きさが変化しない(または振動する)準安定を含む。
- 化学では、平衡定数が小さいこと。または反応速度が遅いこと(不活性)。
- 素粒子論では、半減期が無限大であること。物質などの状態(素粒子、核種、分子、相など)が自発的に他の状態に変化しないこと。
- 情報工学におけるセルオートマトンでは、パターンが時間と共に変化しないこと。固定。ライフゲームでの例はライフゲーム#固定型の例を参照。
- ゲーム理論の一分野である進化ゲームでは、戦略の比率が時間と共に変化しないこと。進化的に安定な戦略を参照。
- 数値解析では、反復計算で誤差が成長しないこと。数値的安定性を参照。
元号
地名など
不安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/29 17:45 UTC 版)
「リングワールド (架空の天体)」の記事における「不安定性」の解説
リングワールドの安定性は、惑星の公転軌道の安定性とは根本的に異なる。リング自体は1200 km/sで回転しているものの、リングワールドの重心は恒星に対して運動していない。つまり、リングワールドが全体として恒星を巡る公転軌道(慣性軌道)にのっているわけではない。また、リングワールドの各部は連結されているので、リングワールドの各部が慣性軌道にのっているわけでもない。 それでも、リングワールドは安定に思える。リングワールドに加わる恒星の重力は、全方向からの力が打ち消しあって0だからである。しかし実は、その状態はポテンシャルの鞍点であり、不安定である。何らかの要因(たとえば、神の拳を作ったような巨大隕石の衝突)により、リングワールドの中心が恒星からわずかでも横方向にずれると、恒星と接近した部分に加わる重力はより強くなり、ずれを拡大する方向に重力が加わる。坂道を転がり落ちるように位置のずれは大きくなり、最終的には恒星とリングは接触するか、その前に恒星の重力や熱により破局的な結果になるだろう。一方、縦方向のずれに対しては、ずれを縮小する方向に重力が加わり、安定である。 この問題は『リングワールド』が出版された後に発覚した。これにより「リングワールドは力学的に不安定」だと指摘し、この問題を解決するための続編を熱望する手紙を、ニーヴンは山のように受け取ることになった。また、1970年に開催された世界SF大会では、MITの学生がホールで同じことを大合唱したという。これらに対する彼の解答が『リングワールドふたたび』で描写された姿勢制御ジェットである。 恒星との位置関係がずれた場合、リングワールドが不安定であるのに対し、ダイソン球は中立安定である。言い換えれば、球殻内のポテンシャルは完全に平坦であり、恒星がどの位置でも重力は0である。このことは、ニュートンが積分を使って証明したが、ガウスの法則を使えば容易に導出できる(球殻に限らず任意の閉曲面に対し同様にポテンシャルが平坦だとわかる)。リングワールドにはない高緯度の「キャップ」の部分が、リング部分の重力をちょうど打ち消す大きさと方向の重力を生んでいると考えることができる。
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「不安定性」の例文・使い方・用例・文例
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