流行地域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/23 10:14 UTC 版)
基本的にそれぞれの出血熱は限定的な比較的狭い範囲でのみ発生しており、インフルエンザ、エイズ、狂犬病、コレラ、結核、マラリアなどの世界中の広範囲で発生している感染症とは対照的である。ただし、出血熱の中でもデング熱、クリミア・コンゴ出血熱、腎症候性出血熱は比較的広い範囲で流行がみられる。 デング熱やチクングニア熱は東南アジアを中心とする世界中の熱帯、亜熱帯地域に広く分布している。日本でも太平洋戦争中に流行した他、2014年(平成26年)には代々木公園で集団感染がみられた。黄熱はアフリカと南アメリカで流行がみられる。 クリミア・コンゴ出血熱は中国西部、南アジア、中央アジア、中東、東ヨーロッパ、アフリカなどの広い地域で流行がみられる。重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は主に日本や朝鮮半島などの東アジア地域で発生しているが、近縁なウイルスによる感染症の発生が北アメリカでも報告されている。 ハンタウイルスによる腎症候性出血熱は朝鮮半島、中国、北ヨーロッパ、東ヨーロッパで発生がみられる。日本でも1960年頃に大阪市の梅田地区を中心に流行がみられ、梅田奇病と呼ばれた。また、近年、新種のハンタウイルス(シンノンブレウイルス)が原因のハンタウイルス肺症候群の流行がアメリカ大陸で発生している。 ラッサ熱は西アフリカで流行している。日本では1987年にシエラレオネからの帰国者が発症している。南米出血熱は南アメリカでのみ発生している。 エボラ出血熱およびマールブルグ熱は基本的にアフリカ大陸でのみ散発的に発生している。ただし、2014年の大流行では北アメリカやヨーロッパでも感染者がみられ、問題となった。
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