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重症熱性血小板減少症候群

読み方:じゅうしょうねっせいけっしょうばんげんしょうしょうこうぐん
英語:Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome、SFTS

ダニ媒介する感染症2010年前後初め発見報告原因特定が行われた比較新し感染症である。

重症熱性血小板減少症候群の病原となるウィルスは「SFTSウィルス」(SFTSV)と呼ばれるマダニフタトゲチマダニなどのダニ類がSFTSウィルス宿主であると考えられている。2013年2月現在、感染経路全貌未詳であり、直接ダニ咬まれるだけでなく感染者体液などを通じて感染する可能性もある。感染する発熱嘔吐下痢血小板減少といった症状あらわれる。致死率10パーセントほどと報告されている。

重症熱性血小板減少症候群に対す有効なワクチンはなく、患者には目下対症療法が行われる。重症熱性血小板減少症候群は2009年中国発見報告され疾患だが、2013年1月には日本国内感染者見つかったことが厚生労働省により発表された。厚生労働省では報告広く呼びかけている。

ダニ自然界にも人の生活圏にもおびただしい数の個体生息している。ダニもたらす感染症多く中にはリケッチアツツガムシ病など、人間にとって脅威であるものが少なくない

関連サイト
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内での発生について - 厚生労働省

エス‐エフ‐ティー‐エス【SFTS】


重症熱性血小板減少症候群

(SFTS から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/03 06:18 UTC 版)

重症熱性血小板減少症候群(じゅうしょうねっせいけっしょうばんげんしょうしょうこうぐん、: Severe fever with thrombocytopenia syndrome; SFTS[1])は、重症熱性血小板減少症候群ウイルスによる感染症である。マダニが媒介し、日本では2013年に最初の患者が報告された[2]。その後も感染の報告が相次いで発表されたため、同年3月4日に「重症熱性血小板減少症候群(病原体がフレボウイルス属SFTSウイルスであるものに限る)」が感染症法上の四類感染症に指定され、医師による診断時届出等の対象となった[1]クリミア・コンゴ出血熱と並ぶ、ダニが媒介するウイルス性出血熱の一つ。治療は対症療法のみで、有効な治療薬やワクチンはない。


注釈

  1. ^ サイエンス』誌2010年10月1日号には、最初アナプラズマ症と診断されたが、テキサス大学のチームがブニヤウイルスとし、その成果を中国チームが利用したいきさつが掲載されている。米中2つのチームが別々に『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』(NEJM)[3]と『ランセット』に報告した。米国チームはDabie mountain virus、中国チームはsevere febrile and thrombocytopenic syndrome (SFTS) virusと名づけた。米国チームは抗生物質が全く効かないなどの理由からアナプラズマ症の可能性を完全否定している。
  2. ^ 2006年の安徽省での9例の中国による調査報告(中国初のHGA感染例とした)ではダニの咬んだ跡はないと明記されており、また患者相互に密接な接触があったとしている。

出典

  1. ^ a b c d e f 感染症法に基づく医師の届出のお願い 厚生労働省 2013年5月7日閲覧
  2. ^ a b 「マダニ感染症、標的は免疫細胞」『日経産業新聞』2020年1月16日(先端技術面)
  3. ^ a b Yu XJ et al. (2011). “Fever with thrombocytopenia associated with a novel bunyavirus in China”. N Engl J Med. 364 (16): 1523-32. doi:10.1056/NEJMoa1010095. PMID 21410387. 
  4. ^ マダニ感染症、ペットから人に感染 世界で初確認”. 朝日新聞. 2014年10月11日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ a b c 森川茂「重症熱性血小板減少症候群」『獣医疫学雑誌』2013年 17巻 2号 p.142-143, doi:10.2743/jve.17.142
  6. ^ a b c 重症熱性血小板減少症候群のヒト致死症例においてSFTSウイルスはB細胞を標的とする”. 国立感染症研究所 (2020年1月10日). 2020年1月31日閲覧。
  7. ^ a b c “Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus targets B cells in lethal human infections” (PDF). The Journal of Clinical Investigation. (January 6, 2020). doi:10.1172/JCI129171. PMID 31904586. https://www.jci.org/articles/view/129171/pdf. 
  8. ^ [ https://doi.org/10.2169/naika.103.2581 西條政幸「日本における重症熱性血小板減少症候群と今後の課題」]『日本内科学会雑誌』2014年 103巻 10号 p.2581-2586, doi:10.2169/naika.103.2581
  9. ^ 感染症発生動向調査で届出られたSFTS症例の概要”. 国立感染症研究所. 2016年5月10日閲覧。
  10. ^ 高橋徹「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とSFTSウイルス」『ウイルス』2015年 65巻 1号 p.7-16, doi:10.2222/jsv.65.7
  11. ^ a b c 下島昌幸、福士秀悦、谷英樹ほか「日本における重症熱性血小板減少症候群」『ウイルス』2013年 63巻 1号 p.7-12 , doi:10.2222/jsv.63.7
  12. ^ 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の国内での発生について(情報提供及び協力依頼) 厚生労働省 健感発0130第1号平成25年1月30日 (PDF)
  13. ^ a b <速報>国内で初めて確認された重症熱性血小板減少症候群(SFTS)患者に続いて後方視的に確認された2例 国立感染症研究所
  14. ^ “クローズアップ2013:4人の死亡確認、SFTSウイルス マダニで感染、謎多く”. 毎日jp (毎日新聞社). (2013年2月21日). オリジナルの2013年2月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130224040849/http://mainichi.jp/opinion/news/20130221ddm003040084000c.html 
  15. ^ マダニで感染…ウイルス新たに7道府県で発見”. 『読売新聞』. 2014年2月26日閲覧。/読売新聞の「ヨミドクター」における同記事
  16. ^ マダニ感染症、全国に分布 草木の多い場所は注意を”. 共同通信. 2014年2月26日閲覧。
  17. ^ “<速報>重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果(第二報)”, IASR, (2014), http://www.nih.go.jp/niid/ja/2014-02-19-09-27-24/2242-disease-based/sa/sfts/idsc/iasr-news/4428-pr4094.html 
  18. ^ 都内初 マダニ感染症で50代男性が重症 - 産経ニュース 2019年5月15日
  19. ^ ダニ媒介性感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」について 在大韓民国日本国大使館 安全情報 2013年7月閲覧
  20. ^ 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(問2) 厚生労働省 2013年7月閲覧
  21. ^ Zhong-Tao Gai et al. Clinical Progress and Risk Factors for Death in Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome Patients. J Infect Dis. (2012) 206 (7): 1095-1102, doi:10.1093/infdis/jis472.


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