コレラ菌
コレラ菌[Vibrio cholerae]
1992年に抗O1では凝集しないが、抗O139で凝集する細菌がO1コレラ菌と同じ病気を起こす事が報告され、O139ベンガル株と命名された。コレラ菌は血清学的に日本の地名やヒトの名前の付いた稲葉型、彦島 型、小川型に分けられる。日本人でも、東南アジアを旅行した人が、帰国後に発症するという例が多く報告されている。
この細菌は元々海水中に生息しており、海産物、特にエビ、カニ、イカ、貝類などが汚染され、それらを生或いは半生で食べて感染する。この菌が腸管内で増殖して外毒素であるコレラ毒素を産生し、この毒素が腸管粘膜上皮細胞内に入り、細胞膜にあるアデニル酸サイクレースという酵素を活性化してサイクリックAMP(アデノシン-1-リン酸)を増加させる為、細胞内より水が大量に腸管腔へ流出して激しい下痢になる。
コレラの病気の特徴は激しい下痢に伴うもので、下痢便は最初固形物が含まれるが、最終的には“米のとぎ汁”様のやや白っぽい液体になる。コレラは発症しても、十分な輸液と化学療法剤の投与で一般に治療は可能であるが、高齢者や栄養不良のヒトでは致命的になる事がある。
コレラ菌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 07:52 UTC 版)
コレラ菌(コレラきん、学名:Vibrio cholerae)は、ビブリオ属に属するグラム陰性のコンマ型をした桿菌の一種[1][2][3][4][5]。好アルカリ性で比較的好塩性の細菌である。1854年、イタリア人医師フィリッポ・パチーニ(Filippo Pacini、1812年-1883年)によって発見された後、1884年にロベルト・コッホ(Robert Koch)がこれとは独立にコレラの病原体として発見した。
- ^ a b c d 水之江義充、吉田眞一「コレラ菌とビブリオ科の細菌」:『戸田新細菌学』(吉田眞一、柳雄介編)改訂33版、南山堂、2007年 pp.563-577 ISBN 978-4-525-16013-5
- ^ a b J.J. Farmer III and J. Michael Janda "Vibrionaceae" in Bergey's manual of systematic bacteriology (George M. Garrity et al. eds.) 2nd ed. vol 2 part B pp.491-546 (2005) ISBN 978-0387-24144-9
- ^ a b 竹田美文「コレラ」:『感染症の事典』(国立感染症研究所学友会編)第1版、朝倉書店、2004年、pp.97-98 ISBN 4-254-30073-5
- ^ IDWR 感染症の話「コレラ」[1] 2009.10.19確認
- ^ a b c 山口惠三、松本哲哉監訳『イラストレイテッド微生物学』第2版、丸善、2008年 pp.132-134 ISBN 978-4-621-07916-4
- ^ 竹田美文『感染症半世紀』株式会社アイカム、2008年 ISBN 978-4-900960-15-2
- ^ “NAGビブリオ感染症とは”. www.niid.go.jp. 2021年4月24日閲覧。
コレラ菌 (V. cholerae)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/08 14:22 UTC 版)
「ビブリオ属」の記事における「コレラ菌 (V. cholerae)」の解説
コレラ毒素を産生するO1型(および一部のO139型)のコレラ菌はヒトに経口感染してコレラの原因になる。非O1型コレラ菌は感染性胃腸炎の原因になる。
※この「コレラ菌 (V. cholerae)」の解説は、「ビブリオ属」の解説の一部です。
「コレラ菌 (V. cholerae)」を含む「ビブリオ属」の記事については、「ビブリオ属」の概要を参照ください。
「コレラ菌」の例文・使い方・用例・文例
コレラ菌と同じ種類の言葉
固有名詞の分類
- コレラ菌のページへのリンク