コレラ菌とは? わかりやすく解説

コレラ‐きん【コレラ菌】

読み方:これらきん

コレラ病原菌菌体弧状湾曲し鞭毛(べんもう)をもつグラム陰性桿菌(かんきん)。コッホにより分離培養された。コンマバチルス。


コレラ菌

同義/類義語:コレラ
英訳・(英)同義/類義語:cholera vibrio, , Vibrio cholerae, Vibrio cholerae

ビブリオ属細菌で、コレラ病原菌

コレラ菌[Vibrio cholerae]

 グラム陰性コンマ状に湾曲した桿菌で、鞭毛持ち活発に運動をするである。1884年エジプトで、更に1885年インドコッホコレラ患者から分離した通性嫌気性菌で、酸素があっても無くて増殖できる。増殖の際の至適pHは7.2前後であるが、pH8.5前後でも増殖可能という事で、他の細菌区別しうる。法定伝染病一つであるコレラという病気の原因であるが、実際にコレラ原因となるのはコレラ菌の中でもO1菌体抗原を持つのみで、それ以外NAGナグ;抗O1抗体凝集しないビブリオではコレラ起こさないと言われてきた。
1992年に抗O1では凝集しないが、抗O139で凝集する細菌O1コレラ菌と同じ病気起こす事が報告され、O139ベンガル命名された。コレラ菌は血清学的に日本地名ヒトの名前の付いた稲葉型、彦島 型、小川型に分けられる日本人でも、東南アジア旅行した人が、帰国後に発症するという例が多く報告されている。
この細菌は元々海水中に生息しており、海産物、特にエビカニイカ貝類などが汚染され、それらを生或いは半生食べて感染する。この腸管内で増殖して外毒素であるコレラ毒素産生し、この毒素腸管粘膜上皮細胞内に入り細胞膜にあるアデニル酸サイクレースという酵素活性化してサイクリックAMPアデノシン-1-リン酸)を増加させる為、細胞内より大量に腸管腔へ流出して激し下痢になる。
コレラ病気特徴激し下痢に伴うもので、下痢便最初固形物含まれるが、最終的には“米のとぎ汁”様のやや白っぽい液体になる。コレラ発症しても、十分な輸液化学療法剤投与一般に治療は可能であるが、高齢者栄養不良ヒトでは致命的になる事がある

コレラ菌

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/07 07:52 UTC 版)

コレラ菌(コレラきん、学名:Vibrio cholerae)は、ビブリオ属に属するグラム陰性コンマ型をした桿菌の一種[1][2][3][4][5]好アルカリ性で比較的好塩性細菌である。1854年イタリア人医師フィリッポ・パチーニ(Filippo Pacini1812年-1883年)によって発見された後、1884年ロベルト・コッホRobert Koch)がこれとは独立にコレラの病原体として発見した。


  1. ^ a b c d 水之江義充、吉田眞一「コレラ菌とビブリオ科の細菌」:『戸田新細菌学』(吉田眞一、柳雄介編)改訂33版、南山堂、2007年 pp.563-577 ISBN 978-4-525-16013-5
  2. ^ a b J.J. Farmer III and J. Michael Janda "Vibrionaceae" in Bergey's manual of systematic bacteriology (George M. Garrity et al. eds.) 2nd ed. vol 2 part B pp.491-546 (2005) ISBN 978-0387-24144-9
  3. ^ a b 竹田美文「コレラ」:『感染症の事典』(国立感染症研究所学友会編)第1版、朝倉書店、2004年、pp.97-98 ISBN 4-254-30073-5
  4. ^ IDWR 感染症の話「コレラ」[1] 2009.10.19確認
  5. ^ a b c 山口惠三、松本哲哉監訳『イラストレイテッド微生物学』第2版、丸善、2008年 pp.132-134 ISBN 978-4-621-07916-4
  6. ^ 竹田美文『感染症半世紀』株式会社アイカム、2008年 ISBN 978-4-900960-15-2
  7. ^ NAGビブリオ感染症とは”. www.niid.go.jp. 2021年4月24日閲覧。


「コレラ菌」の続きの解説一覧

コレラ菌 (V. cholerae)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/08 14:22 UTC 版)

ビブリオ属」の記事における「コレラ菌 (V. cholerae)」の解説

コレラ毒素産生するO1型(および一部のO139型)のコレラ菌はヒト経口感染してコレラ原因になる。非O1型コレラ菌は感染性胃腸炎原因になる。

※この「コレラ菌 (V. cholerae)」の解説は、「ビブリオ属」の解説の一部です。
「コレラ菌 (V. cholerae)」を含む「ビブリオ属」の記事については、「ビブリオ属」の概要を参照ください。

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