腸粘膜とは? わかりやすく解説

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ちょう‐ねんまく〔チヤウ‐〕【腸粘膜】

読み方:ちょうねんまく

腸壁形成している粘膜


腸粘膜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/15 02:07 UTC 版)

腸壁の一般的構造 Gland (e.g. salivary, liver) 分泌腺(例:唾液腺肝臓)、Muscularis mucosa 粘膜筋板、Submucosa 粘膜下層、Circular muscle 環状筋または輪状筋、Longitudinal muscle 縦走筋、Serosa 漿膜、Lumen 内腔、Peritoneum 腹膜、Mesentery 腸間膜、Brunner's Glands ブルンナー腺、Crypt of Lieberkuhn gland リーベルキューン腺小窩、Tubular gland 管状腺、Villi 絨毛、Mucosa 粘膜 
腸絨毛
小腸の粘膜の絨毛 H&E染色
十二指腸の部分図
概要
ラテン語 villi intestinales
ドーランド
/エルゼビア
v_08/12857047
解剖学用語
結腸ポリープの一種であり結腸癌の前癌症状である管状腺腫(写真左)の顕微鏡写真。通常の結腸粘膜は右側に見られる。H&E染色 

腸粘膜(ちょうねんまく、英: Intestinal mucosa)は、腸壁の一部を形成する粘膜[1]。腸壁は腸の内側の組織で[2]、4つの同軸状の層に分けられる。

粘膜

粘膜は、内腔もしくは管内の空間を囲っている消化管の最内層を形成している。この層は食べ物と直接接し、消化において重要な吸収分泌を担っている。粘膜は次のように分けられる。

粘膜は消化管の各器官において消化に特に特化している。例えばのように低いpHに接したり、小腸においては数多くの異なる物質を吸収したり、大腸では比較的大量の水を吸収したりしている。これらの器官の粘膜の構造は、胃小窩のような分泌腺が陥入していたり、表面積を増大させるためにひだ構造の腸絨毛になっていたり、様々な必要性に対応している。

粘膜下層

粘膜下層は、大血管リンパ管や粘膜や筋層に枝分かれした神経を有した不規則な緻密層の結合組織で形成されている。粘膜下層は、粘膜筋板の内側に位置するマイスナー叢、腸筋神経叢も含んでいる。

筋層

筋層は、内側の環状筋縦走筋で形成されている。環状筋は食べ物が後戻りさせない機能があり、縦走筋は消化管を縮める機能がある。これらの層は良く連携した縮小運動である蠕動を行い、消化管内で混沌となった食べ物の塊を前進させる役割を持つ。 2つの筋層の間には筋層間神経叢(アウエルバッハ叢)がある。

外膜

外膜は、上皮の幾つかの層で形成されている。外膜が腹間膜や腹膜に接している場所では、外膜は奨膜とともに薄い結合組織層である中皮で覆われている。

脚注

  1. ^ 腸粘膜」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/%E8%85%B8%E7%B2%98%E8%86%9Cコトバンクより2022年2月4日閲覧 
  2. ^ 腸壁」『精選版 日本国語大辞典(小学館)』https://kotobank.jp/word/%E8%85%B8%E5%A3%81コトバンクより2022年2月4日閲覧 

関連項目


腸粘膜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 10:02 UTC 版)

自然リンパ球」の記事における「腸粘膜」の解説

腸のILCは、食物微生物内因性代謝物晒されている。ILC小腸への帰還は、α4β7インテグリン受容体であるCCR9によって行われる。ILC2は骨髄でCCR9を発現しているので直接腸に帰還出来るが、ILC1やILC3にCCR9を発現させるにはレチノイン酸が必要である。 ILCは、腸内バリアー維持促進し様々な細菌ウイルスの感染から保護する。ILC3は、成人胎児両方の腸に最も多く存在するサブセットである。腸内ILC分布発生過程変化し消化管の各部位不均等分布している。この様腸内各部位への偏在は、其々異なるシグナルカスケードに誘導されるヒトでは、腸内ILCの約70%がNCR+、15%がNCR-である。 ILC3は腸内細菌叢直接相互作用し、微生物叢宿主との間にネットワーク形成して恒常性維持している。ILC3はIL-22分泌し上皮細胞刺激して抗菌ペプチド産生する事で、腸内複数非有益な細菌コロニー形成制限するIL-22分泌は、マクロファージ樹状細胞によるIL-23IL-1β産生起因して誘導され粘膜層の治癒促進する例えば、IL-22化学療法放射線療法後の腸管損傷修復促進する。ILC3は、常在菌内腔への封じ込め制御し粘膜固有食細胞への暴露可能にし、T細胞活性化に繋がる。ILC3は、MHCクラスII受容体を介して抗原提示する事が出来るが、共刺激分子持たない為、T細胞アネルギー(不応答性)の役割果たし有益な常在菌対す耐性促進する。従って、ILC3と腸内T細胞の関係は、恒常性維持する上で非常に重要である。ILC3が存在しない場合T細胞活性化制御できなくなる可能性があるからだ。更に、ILC3によるIL-22産生微調整する役割微生物担っている例えば、回腸セグメント細菌英語版)は、IL-22産生調整しTh17細胞分化可能にする。 ILC3は腸管恒常性維持するために腸管神経系英語版)と相互作用する。細菌反応して粘膜固有層グリア細胞神経栄養因子分泌し、その神経栄養因子神経制御受容体RETを介してILC3にIL-22産生させるからである。また、樹状細胞病原体によるストレス時にIL-23産生し、ILC3を活性化してIL-22産生可能にする。IL-22腸内微生物制御するメカニズム一つは、上皮細胞グリコシル化パターン介したのである考えられている。ILC3によるIL-22リンホトキシン発現は、フコース転移酵素英語版)2の発現制御し上皮細胞フコース化(英語版)を可能にし、腸内細菌栄養源となる。 食事微生物由来AhRリガンドは、免疫細胞認識され腸内ILC発達NK細胞機能制御する。トリプトファン代謝物応答してAhRシグナルIL-22発現維持し腸の恒常性維持する樹状細胞産生するレチノイン酸は、RORγtとIL-22アップレギュレートすることで、ILC1とILC3の腸管帰還受容体発現促進し、ILC3の機能高める。また、マクロファージとILC3sの間には、微生物シグナル伝達依存したRORγtによるGM-CSF産生や、マクロファージによるIL-1β産生介した相互作用存在する食事性ビタミンA不足すると、ILC3の数が異常に少なくなり、IL-22産生低下して感染症罹り易くなる逆にレチノイン酸はIL-7Rα(英語版)をダウンレギュレートする事でILC2の増殖抑制しビタミンA欠乏させるとILC2を介したマウス蠕虫感染対す抵抗性が高まる事が示されている。従って、ILC3は、微生物叢腸上皮神経グリア細胞その他の免疫細胞の間で、腸の恒常性維持するための相互作用ネットワーク形成している。 LTi細胞パイエル板リンパ濾胞存在しB細胞相互作用してIgA産生促進し宿主局所微生物群との共生促進する。ILC1とNK細胞IFN-γ産生し細胞内の病原体闘うC. dificileが感染すると、ILC1とILC3が協力して感染対抗する。ILC2は、寄生虫感染時に組織損傷から守るために、腸内杯細胞分化粘液の産生誘導する

※この「腸粘膜」の解説は、「自然リンパ球」の解説の一部です。
「腸粘膜」を含む「自然リンパ球」の記事については、「自然リンパ球」の概要を参照ください。

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