腸肝循環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 18:53 UTC 版)
腸肝循環(ちょうかんじゅんかん、英: Enterohepatic circulation :EC)は、体内の生体物質や薬物などが、胆汁とともに胆管を経て十二指腸管内に一旦分泌されたのち、腸管から再度吸収され、門脈を経て肝臓に戻る循環のこと[1]。 極性が高い抱合体は一般に小腸から吸収されにくいが、腸内細菌が腸肝循環では大きな役割を果たしている。肝臓で抱合代謝を受けた代謝物は、嫌気的細菌群の酵素類(β-グルクロニダーゼ、β-グルコシダーゼ、アゾ還元酵素)により、主に還元と加水分解を受け、脱抱合されて再び腸管から吸収されるという過程をたどる。腸肝循環は、小腸から肝臓へ栄養豊富な血液が送られる肝門脈系と混同されてはならない。また、ビタミンD3、ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸、エストロゲン、胆汁酸などが効率よく利用される[2]。
- ^ “Sect. 6, Ch. 5: Enterohepatic Circulation of Bile Acids”. 2010年6月19日閲覧。
- ^ “公益社団法人日本薬学会”. 2012年1月22日閲覧。
- ^ a b 小西孝宜, 鍋谷圭宏, 「腸肝循環:胆汁酸サイクルを中心に」『外科と代謝・栄養』 47巻 1号 2013年 p.41-43, doi:10.11638/jssmn.47.1_41
- ^ PFAS(有機フッ素化合物)はなぜ体に溜まるのか、小泉昭夫・京都大学名誉教授に聞く
- 1 腸肝循環とは
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