フコースとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 物質 > 化合物 > 単糖 > フコースの意味・解説 

フコース【fucose】

読み方:ふこーす

炭素数6のデオキシ糖一種天然にはD型L型動植物広く存在する。名称は、L-フコースが海藻粘り気成分フコイダン中に発見されたことに由来する化学式C6H12O5


フコース

分子式C6H12O5
その他の名称L-(-)-Fucose、L-(-)-ロデオース、L-(-)-フコース、L-(-)-Rhodeose、L-Fucose、6-Deoxy-L-galactose、Fucose、フコース、ロデオース、Rhodeose
体系名:6-デオキシ-L-ガラクトース、L-フコース


フコース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/28 01:30 UTC 版)

L-フコース
識別情報
CAS登録番号 2438-80-4 
PubChem 17106
ChemSpider 16190 
UNII 28RYY2IV3F 
ChEBI
ChEMBL CHEMBL469449 
特性
化学式 C6H12O5
モル質量 164.16 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フコース英語: fucose)は、デオキシ糖の一種である6-デオキシ-ガラクトースで、化学式はC6H12O5、分子量164.16、融点163℃、比旋光度-76°で六炭糖、単糖に分類される。6-デオキシヘキソースはメチルペントースとも呼ばれる。天然にはL型がL-フコシドの形で、動植物に幅広く存在する。 名前の由来は、ヒバマタ(Fucus)という海藻の細胞壁多糖類であり昆布のねばねば成分としても知られるフコイダン(Fucoidan)で発見されたため。哺乳類と植物では細胞表面のN結合糖鎖上で見つかる。

所在

ヒトではABO血液型のH抗原として存在し、基本の3糖の他にフコースのみをもつ糖鎖抗原がO型、加えてN-アセチルガラクトサミンをもつものがA型、ガラクトースをもつものがB型であり、A、B、Hの各遺伝子はこれらの糖の転移酵素をコードしている。フコースが存在しない変異(ボンベイ型)では、A,B型の遺伝子を持っていてもN-アセチルガラクトサミン、ガラクトースの修飾が起こらずO型になる。 また、α1→3結合のコアフコースはIgEの介在するアレルギー反応の糖鎖抗原と考えられる。構造としてはフコース(Fuc)、オリゴマンノース(Man)、およびガラクトース(Gal)からなるMan-Fuc-Galという配列で存在することが多い。

陸上植物では、ペクチン、キシログルカンに存在する。そのほか大根のように細胞外マトリックスプロテオグリカンにフコースを含むものがあり、ヒトのO型血液と同様の免疫反応を示すことが知られている。

海藻では褐藻類の多くにフコイダンが存在する。

生合成

L-フコシドは生体内では、糖ヌクレオチドの一種GDP-フコースから、各種フコース転移酵素による反応によってつくられる。ヒトでは上記H抗原のほかいくつかフコース転移酵素がクローニングされている。植物ではキシログルカンのフコース転移酵素が初めにクローニングされ、セルロースを除く植物細胞壁多糖類合成酵素初のクローニング例となった。 GDP-フコースはGDP-マンノースからの4, 6位脱水素反応、C3位のエピマー化、O-4位の還元反応を経て合成される。

出典

関連項目




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「フコース」の関連用語

フコースのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



フコースのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
独立行政法人科学技術振興機構独立行政法人科学技術振興機構
All Rights Reserved, Copyright © Japan Science and Technology Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのフコース (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS