研究方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 17:10 UTC 版)
「ジョセフ・ウェーバー」の記事における「研究方法」の解説
ウェイバーは、円柱を震動、地域的な地震、雷などによるかく乱から絶縁させるために非常な苦労をした。重力波とされないノイズとして唯一問題となったのは、アルミニウム原子の不規則な熱運動であった。この熱運動のせいで円柱の長さは、陽子直径よりも小さい、10-16m単位の誤差を生ずるが、見込まれる重力波の信号はあまり大きくない。重力波が通過したという証拠に、ウェーバーはバックグランドノイズを示すある「閾値(しきいち)」を超える小さく短い揺らぎ(wiggles)をデータに捜した。しかし、彼はこの「しきい値」を矛盾なく、正確には定義しなかった。 ウェーバーの検出証拠は、同一0.5秒間に二つ以上のバーに表れるこれら上記のバックグランド信号を観測することに立脚している。2つのメリーランド・バーのいくつかの一致する現象を観察した後、その円柱の一つを、そこから約1000km離れたシカゴ近くのアルゴンヌ国立研究所に運んだ。1969年、彼はPRLへ81日間に2つの場所で約2ダースの一致する検出があったと報告した。彼は、いくつかの信号は非常に大きく、偶々一致する確率は、100年または1000年に1度あるかないかと試算した。このことを重力波の「よき証拠」と彼は述べている。次の年、7ヶ月間に311の一致する検出があり、さらに銀河の中心を指す方向に集中していると公表した。 ウェーバーが実験で用いた円柱では、振動数約千Hz(1660Hzといわれている)の重力波に共鳴するため、もしそうだとしたならば、重力波の源となりうるものは、核反応を起こしている星や重力凝縮を起こしつつある星の中の原子核の集団運動と考えられる。 世界中の他の研究者らも(例えば、カルフォルニア大学デービス校のトニー・タイソン氏)同様な"ウェーバー・バー"を作ったが、重力波は検出されなかった。このために、重力波は存在しないと結論付けるのは誤りである。
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