腹水とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 状態 > 状態 > 腹水の意味・解説 

ふく‐すい【腹水】

読み方:ふくすい

腹膜の炎症肝臓心臓腎臓疾患などにより腹腔内たまった液体


腹水

【仮名】ふくすい
原文ascites

腫脹起こす腹部体液の異常貯留末期がんでは、腹部体液中に腫瘍細胞発見されることもある。腹水は肝疾患患者にも起こる。

腹水

作者西川博美

収載図書熊野―山の診療所医者
出版社新風舎
刊行年月2004.11


腹水

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/09 20:59 UTC 版)

腹水
主な心不全の兆候
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
消化器学
ICD-10 R18
ICD-9-CM 789.5
DiseasesDB 943
eMedicine ped/2927 med/173
Patient UK 腹水
MeSH D001201
テンプレートを表示

腹水 (ふくすい) は、医学における症状、病態で、腹腔内に異常に多量の液体が貯留した状態ないしはその液体をいう。

原因

腹腔内には正常な状態でもごく少量の液体があるが、

といった原因により、多量の漏出液や滲出液が見られるようになる。肝硬変ではアルブミン合成能低下および門脈圧亢進により前者のタイプ、腹膜の炎症や癌では後者のタイプが見られる。

女性の場合は卵巣癌などの可能性がある。

症状・所見

腹水が貯留すると、体重増加、腹部膨隆、尿量減少が見られ、打診、触診上異常所見が得られる。腹部超音波検査や腹部CTによって診断できる。

治療

原因疾患の治療

腹水の原因となる疾患の治療がまず大前提となる。しかしながら、肝硬変や癌性腹膜炎による腹水は原疾患のコントロールが困難であり、対症療法が主となる。

利尿薬

体内の水分を尿として強制的に排出し、腹水の減少を図る。ループ利尿薬が第一選択として使われる。肝硬変による難治性腹水に対しては保持性利尿薬も合わせて使われる。

アルブミン

低アルブミン血症など血漿の膠質浸透圧が低下した状態では、血管内に水分を引き込むことができず、利尿薬の効果が上がらない。アルブミンの投与により、一時的ではあるが膠質浸透圧を上昇させ、腹水を血管内に引き戻すことができる。投与時は必ず利尿薬を併用する。

腹水穿刺

腹腔内へ管を入れ、腹水を直接抜く方法。即効性で効果も大きいが、原因が取り除かれない限り腹水は再び増加する。腹水にはアルブミンなどの血漿蛋白が多く含まれるため、頻回の穿刺排液は血漿蛋白の喪失を助長し、かえって腹水を増悪させる。血漿蛋白の喪失を防ぐため、抜いた腹水を濃縮して再び腹腔や静脈に戻すこともある。

腹腔-静脈シャント

肝硬変や手術後のリンパ漏等における腹水をコントロールする為に使用される。また、癌性腹膜炎による癌性腹水についても緩和目的で使用される。

逆流防止弁付きカテーテルを皮下に埋め込む処置が必要。腹水は腹腔圧と静脈圧の較差により自動的に灌流する。カテーテル留置後は、肋骨上の皮下に埋設されたポンプチャンバ部を皮膚上から適時ポンピングすることにより、カテーテルの閉塞を予防する。閉塞した場合、部分的交換や全交換を検討する。

腹腔-静脈シャントは腹水中の栄養分を捨てること無く静脈に灌流するため、電解質バランス改善や腎血流量の増加、横隔膜拳上による呼吸苦や腹部膨満感軽減等の期待が持てる。しかし、腹水原液を直接静脈内に流し込むため合併症が予測される。生化学的検査、腹水検査等の結果により実施を検討する。

経皮的に造設可能なデンバーシャントが有名。他に外科的に造設する腹水ポンプもある。

薬剤の腹腔内投与

癌性腹水に対し、ピシバニールなどを腹腔内に注入する方法が試みられることがある。

関連項目


「腹水」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



腹水と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「腹水」の関連用語

腹水のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



腹水のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2025 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの腹水 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS