腹腔-静脈シャント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 13:56 UTC 版)
肝硬変や手術後のリンパ漏等における腹水をコントロールする為に使用される。また、癌性腹膜炎による癌性腹水についても緩和目的で使用される。 逆流防止弁付きカテーテルを皮下に埋め込む処置が必要。腹水は腹腔圧と静脈圧の較差により自動的に灌流する。カテーテル留置後は、肋骨上の皮下に埋設されたポンプチャンバ部を皮膚上から適時ポンピングすることにより、カテーテルの閉塞を予防する。閉塞した場合、部分的交換や全交換を検討する。 腹腔-静脈シャントは腹水中の栄養分を捨てること無く静脈に灌流するため、電解質バランス改善や腎血流量の増加、横隔膜拳上による呼吸苦や腹部膨満感軽減等の期待が持てる。しかし、腹水原液を直接静脈内に流し込むため合併症が予測される。生化学的検査、腹水検査等の結果により実施を検討する。 経皮的に造設可能なデンバーシャントが有名。他に外科的に造設する腹水ポンプもある。
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