ウイルス量とは? わかりやすく解説

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ウイルス量

Viral load

【概要】 HIV感染者持っているウイルスの量。この言葉には複数の意味があるので注意が必要である。 (1)全体ある様々な形のHIV総量細胞遺伝子中にプロウイルスDNAの形で潜んでいるもの、細胞の中で増殖過程にあるもの、血漿その他の体液など細胞の外に流れているHIV粒子総量。これらは動的な平衡関係がある。 (2)プロウイルスDNA量:血液組織からDNA取りだし、その中のHIV DNA計ることになる。増殖しているHIVとは限らないし、実際に増殖できない欠陥HIV増幅する可能性がある。 (3)血漿中のHIV RNA濃度。これは現在盛んに増殖しているHIVリンパ節フィルター乗り越えて血中洩れ出てきたもの。 

【詳しく】 一般にウイルス量が多い患者ほど、HIV感染症進行が早いか進行期に近づいている。抗HIV薬の効果は感染者持っている“ウイルス量”を減らしついにはゼロにすることが目標であるが、実用的に定量しやすさから血漿HIV RNAの量を測定することになる。

《参照》 プロウイルスDNAHIVRNAログ抗HIV薬


ウイルス量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 01:19 UTC 版)

ウイルス量(viral load)は、ウイルス負荷(viral burden)とも呼ばれ、生物試料や環境試料などの所定量の液体中に含まれるウイルスの量を数値で表したものである。アッセイ(試験手法)に依存するウイルス力価(viral titre、viral titer)と混同してはならない。感染性ウイルス粒子を測定するアッセイ(プラークアッセイフォーカスアッセイ)を行った場合、得られたウイルス力価は感染性ウイルス粒子の濃度を指すことが多く、総ウイルス粒子とは異なるものである。ウイルス量を測定する体液には、喀痰(かくたん)[1]血漿(けっしょう)[2]がある。環境試料の例としては農園の流出水からノロウイルスのウイルス量を測定することができる[3]。ノロウイルスは、ウイルス排出が長引き、環境中で生き残る能力を持っているだけでなく、人間に感染を引き起こすために必要な感染量英語版はウイルス粒子100個未満という非常に小さいものである[4]


  1. ^ Wölfel, Roman; Corman, Victor M.; Guggemos, Wolfgang; Seilmaier, Michael; Zange, Sabine; Müller, Marcel A.; Niemeyer, Daniela; Jones, Terry C. et al. (2020). “Virological assessment of hospitalized patients with COVID-2019”. Nature 581 (7809): 465–469. Bibcode2020Natur.581..465W. doi:10.1038/s41586-020-2196-x. PMID 32235945. 
  2. ^ a b Puren, Adrian; Gerlach, Jay L.; Weigl, Bernhard H.; Kelso, David M.; Domingo, Gonzalo J. (2010). “Laboratory Operations, Specimen Processing, and Handling for Viral Load Testing and Surveillance”. The Journal of Infectious Diseases 201: S27–36. doi:10.1086/650390. PMID 20225943. 
  3. ^ Shaheen, Mohamed N. F.; Elmahdy, Elmahdy M.; Chawla-Sarkar, Mamta (2019). “Quantitative PCR-based identification of enteric viruses contaminating fresh produce and surface water used for irrigation in Egypt”. Environmental Science and Pollution Research 26 (21): 21619–21628. doi:10.1007/s11356-019-05435-0. PMID 31129895. 
  4. ^ Robilotti, Elizabeth; Deresinski, Stan; Pinsky, Benjamin A. (2015). “Norovirus”. Clinical Microbiology Reviews 28 (1): 134–164. doi:10.1128/CMR.00075-14. PMC 4284304. PMID 25567225. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4284304/. 
  5. ^ Buckingham, L.; Flaws, M.L. (2007). Molecular Diagnostics Fundamentals, Methods, & Clinical Applications. F.A. Davis Company. pp. 121–154. ISBN 9780803616592. http://www.justmed.eu/files/MolecularDiagnosticsFundamentalsMethodsandClinicalApplications.pdf 2020年9月7日閲覧。 


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