核酸増幅法試験(NAT)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 01:19 UTC 版)
「ウイルス量」の記事における「核酸増幅法試験(NAT)」の解説
NATを使用してウイルス量を定量化するために、さまざまな分子ベースの試験方法がある。これらの分子法は、増幅のための出発物質に基づいて3つのグループに分けられる。 核酸そのものを使用した標的増幅法。一般的な方法の例を次に示す。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法による in vitro DNA合成法では、DNAテンプレート、ポリメラーゼ、バッファー、プライマー、ヌクレオチドを使用して、血液サンプル中のHIVを増幅させる。次に、化学反応によってウイルスにマーカー(目印)を着ける。そのマーカーを測定してウイルスの量を計算する。PCRは統合されたDNAを定量化するために用いられる。 逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)はPCRの一種で、ウイルスのRNAを定量化するために用いられる。この方法はRNAを出発物質とし、逆転写酵素(RT)を使用して二本鎖DNAに変換しPCRを行う。 核酸配列ベース増幅法(NASBA(英語版))は、PCR法の転写ベース増幅システム(TAS)のバリエーションである。RNAを標的にしてDNAのコピーが作られる。次にDNAコピーがRNAに転写され、増幅される。転写増幅法(TMA)や自家持続配列複製法(3SR)など、さまざまな商用のTASバリエーションがある。 プローブ(英語版)特異的増幅法では、標的配列に優先的に結合する合成プローブを用いる。その後、プローブが増幅される。 シグナル増幅法では、サンプルに元々存在していた未増幅の標的に、大量のシグナルを結合させて用いる。一般的に使用される1つの方法を次に示す。分岐DNA法(bDNA(英語版))では、標的核酸としてDNAまたはRNAのいずれかを使用できる。固体支持体に付加された短いプローブで標的の核酸を捕捉する。追加の増感プローブも、標的核酸や多数のレポーター分子と結合し、シグナル強度を高めてウイルス数に変換するために用いられる。
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