ウイルスの分類
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ウイルスの分類(ウイルスのぶんるい)は、生物の分類と同様に常に議論が続けられていくものである。これまでに宿主や症状、伝染方法、ウイルス粒子の形状などを基準に分類されてきたが、今日ではウイルスに含まれる核酸の型と、その発現形式に重点を置く分類が広く用いられるようになっている。これはウイルスによる逆転写を発見した功績でノーベル生理学・医学賞を受賞したデビッド・ボルティモアによって提案され、現在では国際ウイルス分類委員会の定める分類体系の基本骨格となっている。
- ^ a b c 国立感染症研究所ウイルス第二部、武田直和、白土東子、岡智一郎、片山和彦、宇田川悦子、名取克郎、宮村達男「カリシウイルスの命名変更について」病原微生物検出情報(IASR)Vol.24(12)No.286, p 311-312.2003年
- ^ 「国際ウイルス分類委員会の新しい分類体系(「ICTV New Taxonomy Release(2019)」)で提唱された目より上位の分類(2020年3月承認)」神谷茂 監修、錫谷達夫・松本哲哉 編『標準微生物学 第14版』付録、医学書院、2021年、表 27-4、2022年4月19日閲覧。
- ^ a b Virus Taxonomy: 2019 ReleaseICTV
- ^ Glimpses of the Fourth Domain? Discover
- ^ 表記例[1],[2],[3]
- ^ HTLV−1感染症とはNIID
- ^ その他の分野|ヒトTリンパ向性ウイルス1型(HTLV-1)感染に関連する、成人T細胞白血病(ATL)・脊髄症(HAM)以外の希少疾患(平成24年度)
- 1 ウイルスの分類とは
- 2 ウイルスの分類の概要
- 3 脚注
ウイルスの分類
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「ガンマレトロウイルス属」の記事における「ウイルスの分類」の解説
ガンマレトロウイルスはレトロウイルス科に含まれ、マウス、猫、豚、霊長類、牛、鳥など、さまざまな哺乳類から見つかることから、人獣共通感染症ウイルスと見なされている。ガンマレトロウイルスは、動物に幅広い影響を及ぼし、多くの種において白血病とリンパ腫などの癌、さまざまな神経疾患、免疫不全などの疾患と関連している。 ガンマレトロウイルスは他のレトロウイルスと類似しており、プラス鎖RNAを二本鎖DNAに逆転写する。二本鎖DNAは非常に安定しており、宿主ゲノムに容易に組み込まれる。ガンマレトロウイルスの例としては、モロニーマウス白血病ウイルス、異種指向性MuLB関連ウイルス、ネコ白血病ウイルス、およびネコ肉腫ウイルスが挙げられる 。 外来性ガンマレトロウイルスに近縁の内在性レトロウイルスは、ヒトを含む哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類のDNAに多く存在する。また、多くは、コアキャプシド形成シグナルと呼ばれる保存されたRNA構造要素を共通して持つ。 ガンマレトロウイルスは、実験研究で非常によく用いられるレトロウイルスベクターであり、遺伝子治療や遺伝子導入に不可欠である。ガンマレトロウイルスが非常に有用である理由は、ゲノムが非常に単純で使いやすいことと、宿主細胞のゲノムへの組み込み能力が非常に高いことからゲノムの長期発現が可能なことによる。特にレトロウイルスベクターとして一般的に使用されているガンマレトロウイルスは、モロニーマウス白血病ウイルスである 。 遺伝子治療に利用可能なベクターとして、ガンマレトロウイルスは、レンチウイルスベクターとして用いられるHIVに比べていくつかの利点を持つ。具体的には、ガンマレトロウイルスのパッケージングシステムは、gag、polやアクセサリー遺伝子のコード配列と重複する配列を組み込む必要がない。
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