ペスチウイルス属とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 生物 > 生物学 > > ペスチウイルス属の意味・解説 

ペスチウイルス属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 15:57 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

ペスチウイルス属(ペスチウイルスぞく、Genus Pestivirus)はエンベロープを持つ、約12.3kbの一本鎖(+)RNAウイルスの総称。フラビウイルス科(Flaviviridae)に分類される。ゲノムには約4,000のアミノ酸からなるポリプロテインをコードする1つのオープンリーディングフレーム(ORF)が含まれる。このポリプロテインは翻訳後に、ウイルスあるいは細胞由来のプロテアーゼによって11〜12の成熟タンパク質に開裂する。ORFに存在するタンパク質の順番はNpro-C-Erns-E1-E2-p7-NS2/3-NS4A-NS4B-NS5A-NS5Bである。Nproはペスチウイルス属に特有の非構造タンパク質であり、他のフラビウイルス科のウイルスからは発見されていない。フラビウイルス科にはペスチウイルス属の他にフラビウイルス属、ヘパシウイルス属が存在する。

ペスチウイルス属では牛ウイルス性下痢ウイルス(bovine viral diarrhea virus)1および2、ボーダー病ウイルス(border disease virus)、豚熱ウイルス(classical swine fever virus)の4種が認められている。この4種間のORFにおけるアミノ酸の相同性は約71〜78%である。また、キリンから分離されたペスチウイルスが暫定的な種とされることもある。ペスチウイルス属の種はかつては感染宿主を基にして分類されていたが、種を超えて感染することから現在ではゲノムの塩基配列を基にして分類されている。ペスチウイルス属の遺伝型分類においては5'-UTR、Npro、E2領域などが用いられる。

ペスチウイルス属のウイルスは偶蹄類の間で動物種の壁を越えて伝播する。また、大部分のフラビウイルス属のウイルスが節足動物細胞で増殖可能であるのに対して、ペスチウイルス属のウイルスでは増殖は起こらない。

関連項目

参考文献

  • 鹿江雅光他編集 『最新家畜微生物学』 1998年 朝倉書院 ISBN 4-25-446019-8
  • S.Vilcek, J.F.Ridpath, H.Van Campen, J.L.Cavender, J.Warg, "Characterization of a novel pestivirus originating from a pronghorn antelope", Virus Research, 108, 2005, PP.187-193






ペスチウイルス属と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ペスチウイルス属」の関連用語

ペスチウイルス属のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ペスチウイルス属のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのペスチウイルス属 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS