いでんし‐ちりょう〔ヰデンシチレウ〕【遺伝子治療】
遺伝子治療
遺伝子治療
遺伝子治療
【概要】 すべての病気にはその原因になっている遺伝子の構造や働きに異常がある。特に遺伝病、癌、そしてエイズなど。一つの遺伝子だけが異常の場合と、複数の異常が複合している場合では治療戦略が違う。遺伝子治療は異常な遺伝子を取り除くということではなく、特定の働きをつかさどる遺伝子を生体内に注入し、体の中で発現させて効果を出させようというもの。遺伝子を運び込む方法論、つまりウイルスベクターの選択と効率で苦労している。
【詳しく】 血友病Bは正常な遺伝子をアデノアソシエイトウイルス(AAV)に入れて筋肉注射すると、筋肉で第IX因子を作り始める。現在は安全性と有効性を確かめるため第1相の臨床試験が開始されている。アデノシンデアミナーゼ(ADA)欠損症はこの酵素がないために先天性免疫不全症となり、幼児のうちに死亡する。他に治療法がない疾患、実際に必要性が高い疾患が優先的に研究されている。遺伝子治療を受けた患者で白血病発生の報告があり、現在は多くの研究が中断している。
遺伝子治療
遺伝子治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/02 13:54 UTC 版)
遺伝子治療(いでんしちりょう)とは、異常な遺伝子を持っているため機能不全に陥っている細胞の欠陥を修復・修正することで病気を治療する手法である。代表的なものでは、治療用の遺伝子情報を組み込んだレトロウイルスを異常な遺伝子を持つ細胞内に浸入させる手法がとられているが、成功例は少なく、より画期的なDNA導入法が期待される。ベクターを注射、吸入、塗布などで患部で組織に注入するか、患者自身の血球などを一度取り出して体外でベクターを作用させてから患者に戻す方法などがある。
- ^ 崎山幸雄「遺伝子治療の現況と展望」(PDF)『日本産科婦人科學會雜誌』第53巻第9号、2001年9月1日、N301-N304、2015年12月15日閲覧。
- ^ 「ゲノム編集で難病治療/欧米勢、2~3年後にも/日本勢 モダリスが治験準備/安全証明・特許争い壁に」『日本経済新聞』朝刊2021年8月29日(総合5面)2021年9月5日閲覧
- ^ コリンズ 2011, p. 309,313-314.
- ^ コリンズ 2011, p. 314-315.
- ^ コリンズ 2011, p. 318.
- ^ “遺伝子操作技術“ゲノム編集”が世界を変える"”. 日本放送協会 (2015年3月1日). 2015年12月16日閲覧。
- ^ “ヒト受精卵に世界初の遺伝子操作-中国チーム、国際的な物議”. ウォール・ストリート・ジャーナル (2015年4月24日). 2015年12月16日閲覧。
- ^ “Don’t edit the human germ line”. ネイチャー (2015年3月12日). 2015年12月16日閲覧。
- ^ 小林哲,竹石涼子 (2015年12月5日). “ゲノム編集、受精卵も容認 米英中の科学者団体が声明”. 朝日新聞. 2015年12月16日閲覧。
- 1 遺伝子治療とは
- 2 遺伝子治療の概要
- 3 課題
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