ネコ白血病ウイルス(FeLV)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 10:10 UTC 版)
「テナガザル白血病ウイルス」の記事における「ネコ白血病ウイルス(FeLV)」の解説
FeLVは発がん性ガンマレトロウイルスであり、レトロウイルス科orthoretrovirinaeの亜科に分類される。リンパ肉腫の猫の一群から1964年に発見された。 FeLVは、骨髄および免疫系内で免疫調節を引き起こす感染性病原体として特定されており、感染した猫はさまざまな二次感染や日和見感染を受けやすくなる。FeLVの関連疾患にはリンパ腫、非再生性貧血、胸腺変性疾患などがある。 現在、FeLVの有病率は、獣医の介入、ワクチン接種、バイオセキュリティプロトコル、感染した動物の検疫、安楽死により、1970年代から1980年代以降減少している。FeLV P27の検出を中心とした正確な血液検査手順として、血流中に見られる遊離FeLV粒子の存在を検出する酵素免疫測定法( ELISA )および白血球内のレトロウイルス粒子の存在を検出する間接免疫蛍光抗体アッセイ(IFA)の2つの方法により診断される。 FeLVは、唾液、血液、母乳、尿、糞便を介して水平および垂直に感染する。さらに、出生前後に親子感染することもある。 2003年にはFeLVが寄生しているノミによって媒介され、感染者との密接な接触なしにFeLVが水平感染することが確認された。FeLVにはA、B、Cの3つの株があり、 FeLV-Aは、特にワクチン未接種の動物内で自然界に伝染する最も病原性の低い株である。FeLV-Bは、外因性のFeLV-Aと内因性配列(enFeLV)の組換えに由来する。一方、FeLV-Cの起源に関しては研究が限られているが、組換えまたは突然変異に由来すると言われている。
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