ヘルペスウイルス目とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヘルペスウイルス目の意味・解説 

ヘルペスウイルス

(ヘルペスウイルス目 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/15 08:41 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ヘルペスウイルス
ヘルペスウイルスの電子顕微鏡写真
分類
レルム : ドゥプロドナウィリア Duplodnaviria
: ヒョンゴンウイルス界 Heunggongvirae
: ペプロウイルス門 Peploviricota
: ヘルウィリウイルス綱 Herviviricetes
: ヘルペスウイルス目 Herpesvirales

ヘルペスウイルスは2本鎖DNAをゲノムとするDNAウイルスのうち、T数16のカプシドエンベロープに包まれ直径200 nm(ナノメートル)程度の球状粒子を形作るものの総称。ウイルスの分類上はヘルペスウイルス目(ヘルペスウイルスもく、Herpesvirales)をあてる。単にヘルペスと呼ぶこともあるが、これは本来このウイルスが引き起こす疱疹のことである。

構造

ゲノムは単一の線状2本鎖DNAで、ゲノムサイズは一般に大きい。カプシドは正20面体状(T数16)で直径110 nm程度で、その周りにタンパク質からなるテグメント、さらにエンベロープが包んでいる。

病原体

ヒトの病原体としては、単純ヘルペスウイルス水痘・帯状疱疹ウイルスエプスタイン・バール・ウイルスサイトメガロウイルスなどがある。獣医学領域では牛ヘルペスウイルス1型5型、豚ヘルペスウイルス1型、馬ヘルペスウイルス1型4型、猫ヘルペスウイルス1型、鳥類の伝染性喉頭気管炎ウイルスなどがしばしば問題になる。また水産学領域ではコイヘルペスウイルスが危険な病原体として認識されている。

分類

国際ウイルス分類委員会(2014年)によれば、3科19属94種が認められている。

命名法

ヘルペスウイルスの学名は、自然宿主が属する(または亜科)の英名に続けてherpes virusとし、あとはアラビア数字で機械的に連番をつける慣習になっている。このうち亜科を用いるのは霊長目ウシ科に限られており、またヒトを自然宿主とする場合は例外的にHumanとする。ただしこの方式が確立する以前から広く知られていたウイルスなどは、学名とは異なる名称が同様に通用する場合がある(たとえばエプスタイン・バール・ウイルス)。

歴史

ヘルペスウイルスは1960年にイギリスの獣医学者Walter Plowrightオグロヌーから見出したのが最初である。1971年に国際ウイルス分類委員会が発表した最初の報告書で、ヘルペスウイルス属(Herpesvirus)が設立された。第2版(1976年)で科に昇格し(ただしHerpetoviridaeという紛らわしい名前だった)、第3版(1979年)でヘルペスウイルス科(Herpesviridae)に改称された。その後、水生生物を宿主とするウイルスの系統関係が明らかになったことから、第9版(2009年)で目に昇格した。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヘルペスウイルス目」の関連用語

ヘルペスウイルス目のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヘルペスウイルス目のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヘルペスウイルス (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS