ウイルスの変異と対応の分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 05:45 UTC 版)
「ゼロコロナ政策」の記事における「ウイルスの変異と対応の分析」の解説
変異株のオミクロン株では感染率は高いが、入院率や重症化率、死亡率は、従来株に比べて低いとされている。活動を厳しく制限するメリットが従来株のときよりも小さくなっているとして他国で活動制限が緩和されつつあるのに比べると、中国の感染対策は一線を画している。 2022年1月、地政学リスク分析を手掛けるコンサルティング会社、ユーラシア・グループは2022年の「十大リスク」をまとめた報告書レポートを出し、「初期のゼロコロナ政策の成功と、それを習近平党総書記の個人的な手柄にしたことで、今さら軌道修正ができなくなった。ゼロコロナ政策では今後、感染の抑制は望めず、より大規模な集団感染が発生して、もっと厳しいロックダウンが必要になる」「中国は自らの成功の犠牲」となり、出口を見つけ出すのが困難で、世界的な経済の混乱と各国の政情不安定化につながる可能性を指摘した。対して、中国共産党系英字紙チャイナ・デーリーは1月14日、「政治的偏見に満ちたばかげた憶測」と強く反発した。中国がいち早く開発したワクチンは、人口の多い中国で国民に早くワクチンを打つことに成功したが、このワクチンは西側諸国で用いられるメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンに比べ、オミクロン株に対する有効性が低いことが分かっている。専門家の多くは、より感染力が強いオミクロン株への脆弱性が増している点を指摘し、当初のゼロコロナ戦略の成功が、かえってあだになると考える者もいる。 世界保健機関のテロドス事務総長は、2022年5月に、「ウイルスの振る舞いを考えると、ゼロコロナ規制は持続可能ではないと考えている」と異例の批判を行い、人権への憂慮を示した。
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