消化器学とは? わかりやすく解説

消化器学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/29 00:00 UTC 版)

消化器学(しょうかきがく、: gastroenterology)は、内科学の一分野で、消化器(digestive)全般を取り扱う分野となっている。語源である[胃腸学(Gastroenterology)を元として、食道十二指腸小腸大腸等から、肝臓胆嚢膵臓などの「肝臓学」(Hepatology)まで消化器全般を含む。

外科学分野では消化器外科学が携わる。診療科としては消化器内科と消化器外科が共に消化器センターを設置している施設もある[1]

歴史

古代エジプトパピルスには、ファラオの胃腸疾患に関する記述がなされている。古代ギリシャではヒポクラテスガレノス等によってに関して研究されている。

疾患

食道

胃食道逆流症逆流性食道炎バレット食道)、食道癌アカラシア食道静脈瘤、食道カンジダ、放射線食道炎、マロリー・ワイス症候群

胃・十二指腸

胃炎慢性胃炎胃腸炎胃下垂、胃アトニ―、消化性潰瘍胃潰瘍十二指腸潰瘍)、胃静脈瘤胃癌悪性リンパ腫消化管間質腫瘍(GIST)、胃前庭部血管拡張症(GAVE)、アニサキス症、機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)。

小腸

カルチノイド腸結核上腸間膜動脈閉塞症

大腸

大腸ポリープ大腸癌大腸炎、直腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)(UCとCDをあわせて炎症性腸疾患inflammatory bowel disease; IBD という)、家族性大腸腺腫症大腸炎大腸憩室症悪性黒色腫ヒルシュスプルング病腸重積腸閉塞虫垂炎鼠径ヘルニア

肝臓

黄疸肝炎肝硬変門脈圧亢進症肝細胞癌ヘモクロマトーシスウィルソン病NASH脂肪肝、バンチ症候群、バッド・キアリ症候群原発性胆汁性胆管炎自己免疫性肝炎アルコール性肝障害

胆嚢・胆管

胆石症胆管細胞癌胆嚢炎胆管炎原発性硬化性胆管炎

膵臓

膵炎膵臓癌

検査

消化器学領域で行われる検査は以下の通り。

内視鏡

内視鏡検査は、一般に消化器学領域において最も一般的な検査として広く行われている。

超音波検査

腹部超音波検査は内臓器の評価として簡便に行うことが出来、病院診療所において広く行われている検査。 消化管を除く臓器を主として検査する。(例外として腸重積イレウスといった一部の消化管疾患を検出できることもある。)

X線造影

日本では胃がん検診で胃透視が現在でも多く行われている。
  • 内視鏡を用いるか、あるいは経皮穿刺による膵管造影(ERCP)・胆管造影(ERBD, PTCD)も行われる。

血管造影

消化管
虚血性大腸炎上腸間膜動脈血栓症などの検査。難治性出血では塞栓術も行われることがある。
肝臓
肝臓癌では、腫瘍の造影・撮影に引き続き経カテーテル動脈塞栓術(TAE)や腫瘍栄養動脈内への抗癌剤投与(TACE)が行われることがある。
膵臓
膵臓癌では、腫瘍栄養血管が正常組織よりも少なく造影される。

CT

消化管を除く消化器(肝臓・胆のう・膵臓)では、しばしば施行される。近年ではCTによる仮想内視鏡も普及しつつある。

悪性腫瘍を疑う場合には基本的に造影CTを行う。特に肝臓癌では早期相・遅延相と各時相での撮影を行う。
以前は三次元再構成ができず、平面的にしか画像診断ができなかった。現在ではコンピュータの性能が良くなった事により、再構成により任意の断面像を合成したり、3D画像を合成したりすることもできるようになっている。

MRI

CT同様、消化管を除く消化器ではしばしば施行される。

肝臓癌ではGd-EOB-DTPA-MRIによる造影MRIが現在主流となりつつある。
膵管X線、胆管造影画像診断の代わりに、MRCPが検査に用いられることもある[2]

治療

消化器内科

消化器外科

関連項目

脚注

  1. ^ 昭和大学横浜市北部病院 消化器センター
  2. ^ 崔仁煥「1章.MRCPの概念 MRCPとは」『MRCP』1998年、2頁。 

参考文献

外部リンク


消化器学(英:Gastroenterology and Hepatology)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 02:16 UTC 版)

内科学」の記事における「消化器学(英:Gastroenterology and Hepatology)」の解説

元々の語源となっているように「胃腸学(Gastroenterology)」と「肝臓学(Hepatology)」の双方含んで、胃、腸から肝臓胆嚢膵臓など消化器Digestive全般取り扱う分野として発展している。

※この「消化器学(英:Gastroenterology and Hepatology)」の解説は、「内科学」の解説の一部です。
「消化器学(英:Gastroenterology and Hepatology)」を含む「内科学」の記事については、「内科学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「消化器学」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「消化器学」の関連用語

消化器学のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



消化器学のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの消化器学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの内科学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS