濃厚血小板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/25 08:11 UTC 版)
略称はPC(英語名のPlatelet Concentratesから)。20 - 24℃で振盪して保存する。2004年10月より全製剤白血球除去(1バッグあたり10の6乗以下)となっている。さらに有効期間は2007年11月に「採血後72時間以内」から「採血後4日間」と延長された。使用対象の疾患が複雑で、普通は血小板不足による出血に対して用いるが、中には禁忌の疾患もある。輸血による副作用を防ぐ目的で洗浄血小板が使用される。 濃厚血小板の適正使用 血小板が5万/uL以上あれば重篤な出血は無い。 大量出血、再生不良性貧血、白血病、その他放射線や化学治療により骨髄がダメージを受けた場合(急性白血病の寛解導入療法では血小板数が急激に低下するため、1 - 2万/ul以上は維持する)。 場合により使用を検討する疾患 DIC、先天性血小板機能異常症、その他手術での希釈性凝固障害など。 禁忌、もしくは効果がない疾患 TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)、ITP(特発性血小板減少性紫斑病)、輸血後紫斑病、脾臓機能亢進症、ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)、溶血性尿毒症症候群 濃厚血小板の投与量計算 予測血小板増加数(/ul)=輸血血小板総数/{循環血液量(ml)×(10の3乗)}×(2/3) またPC10単位あたりの血小板数は2×(10の11乗) 例えば体重70kgの患者に10単位のPCを投与した場合、上記の式より 予測血小板増加数(/ul)= 2×(10の11乗)/{70kg×(70ml/kg)×(10の3乗)}×(2/3) =約27000/ulとなる CCI(補正血小板増加数)の計算 輸血効果はCCI(補正血小板増加数)で判定される。 1時間後に7500(/ul)、24時間後でも4500(/ul)を下回れば無効。その場合はHLA抗体の存在が疑われ、HLA適合血小板の輸血が必要となる。 CCI=増加血小板数(/ul) ×体表面積(m2)/輸血血小板総数 (×10の11乗) 例えば体表面積14m2の患者のPC10単位投与1時間後に10000(/ul)上昇していた場合、上記の式より CCI=10000(/ul) ×1.4(m2)/2.0(×10の11乗) =7000(/ul)となり、7500以下なので無効となる。
※この「濃厚血小板」の解説は、「輸血」の解説の一部です。
「濃厚血小板」を含む「輸血」の記事については、「輸血」の概要を参照ください。
- 濃厚血小板のページへのリンク