バイオリアクター
バイオリアクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 05:08 UTC 版)

バイオリアクター(bioreactor、生体反応器[1])とは、生体触媒を用いて生化学反応を行う装置の総称である。
概要
遺伝子工学や培養技術の進歩により急速に発展してきただけでなく、今後の環境と調和した工業を考える上で非常に関心が高い。バイオリアクターを用いた場合、通常の触媒反応器にくらべ穏和な条件で反応が行える他、副生成物が少ない、工程が少ない、収率がよいなどの利点があることが多い。しかし、コンタミネーションや失活などの問題も多い。
微生物の力を利用して味噌や酒を造る樽や桶、好気性細菌や嫌気性細菌の力で有機物を分解する下水処理施設や水族館の水質浄化施設もバイオリアクターの一種といえる。近年では下水を嫌気性細菌の力で分解してメタンガスを取り出す方法が一部の地域で実用化されている。
パッチプロセスと連続プロセスがあり前者は長時間熟成させる等の用途に用いられ後者は連続して処理する用途に用いられる。一般的にはバッチプロセスの方が高付加価値のものを生産できる。
最初のバイオリアクターの工業化はペニシリン発酵装置である。現在では多くの工業化例があり、酵素を用いるもの、微生物や動物細胞をそのまま用いるものなどもある。
担持体には分相ガラスを使用した多孔質のガラスビーズ等が用いられる[2][3]。
- 応用方法
- 固定化生体触媒
- 膜型生体触媒
容量の規制
遺伝子組換え体の培養容量は20リットル以内に制限されている[4]。一方、突然変異体であればこのような培養容量の制限は無い[4]。
脚注
- ^ 桝谷英樹「納豆菌を用いたバイオリアクターによる生活排水の清浄化」『化学と教育』第50巻第7号、日本化学会、2002年、530-531頁、doi:10.20665/kakyoshi.50.7_530、ISSN 0386-2151、 NAID 110008592665。
- ^ 宇尾基弘「多孔質ガラスの合成と生体触媒の固定化に関する研究」東京大学 博士論文甲第9512号、1992年、 NAID 500000098628。
- ^ 大阪工業技術試験所 産総研
- ^ a b “第二種使用等に関する措置 大量培養実験(第3号)” (PDF) (2016年3月2日). 2016年3月2日閲覧。
関連項目
バイオリアクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/14 03:40 UTC 版)
三次元細胞培養に使用されるバイオリアクターは、三次元で細胞を増殖させる目的で特別に設計された小さなプラスチックの円筒形のチャンバーである。バイオリアクターは、ポリエチレンテレフタレート膜などで、細胞スフェロイドを包み、高濃度の栄養素を維持する環境下に保つ。それらは開閉が容易であり、細胞スフェロイドを実験のために取り出すことができるが、その間もバイオリアクターは100%の湿度を維持することができる。。 この湿度は、細胞増殖および機能を良好に保つために重要である。バイオリアクターは、3次元の各方向に細胞増殖を等しく確実にするために回転するより大きな装置に組み込まれている。MC2 Biotek(英語版)社は、細胞培養内で高い酸素レベルを維持するためにガス交換をするバイオリアクターを開発した。これは、より高い酸素濃度で細胞を培養でき、正常な細胞呼吸が可能であり、以前のバイオリアクターよりも改善されている。
※この「バイオリアクター」の解説は、「三次元細胞培養」の解説の一部です。
「バイオリアクター」を含む「三次元細胞培養」の記事については、「三次元細胞培養」の概要を参照ください。
「バイオリアクター」の例文・使い方・用例・文例
バイオリアクターと同じ種類の言葉
- バイオリアクターのページへのリンク