グリコールエーテルジアミン四酢酸とは? わかりやすく解説

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グリコールエーテルジアミン四酢酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/28 09:33 UTC 版)

グリコールエーテルジアミン四酢酸
識別情報
略称 EGTA
GEDTA
CAS登録番号 67-42-5 
PubChem 6207
ChemSpider 5972 
UNII 526U7A2651 
KEGG D00569 
ChEMBL CHEMBL240390 
特性
化学式 C14H24N2O10
モル質量 380.35 g/mol
融点

241 °C, 514 K, 466 °F

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

グリコールエーテルジアミン四酢酸(グリコールエーテルジアミンしさくさん、別名:エチレングリコール四酢酸、ethylene glycol tetraacetic acid、EGTA)は金属イオンキレート剤である。二価および三価の金属イオンと反応し錯体を形成する。

EGTAはポリアミノカルボン酸英語版の一種であり、同種のよく知られるキレート剤にはEDTAがある。EGTAはEDTAに比べキレート生成定数が低いが、金属イオンに対する特異性が異なり、Mg2+ に比べ、Ca2+Cd2+ に対し選択的に働く。この性質から、カルシウムとマグネシウムの混合液のカルシウム選択滴定をすることができる。ほかには、酵素活性、生体膜、筋肉等における Ca2+ の生理機能解析にも応用される。

生細胞内では通常、Ca2+ の濃度は Mg2+ に比べて少なくとも千倍は低い[1]。よって生細胞内の環境に近い緩衝液を作るときにEGTAが用いられる。四塩基性のEGTAがCa2+に結合したときのpKaは11.00である。このときプロトン化したEGTAは結合にほとんど寄与しないために、pH 7.0では見かけ上のpKaが6.91となる[2]

実験でEGTAは、セリウム中毒に陥った動物の治療薬としてや、モナザイトからトリウムを分離するために使われる。また、遺伝子組換えによって作製した融合タンパク質タンデムアフィニティ精製英語版 をする際に、EGTAを含む溶出用緩衝液を用いてカルモジュリンビーズに結合している融合タンパク質をビーズから溶出させる。

歯科医や歯内治療学においては、EGTAが歯のスメア層を除去するために使われることがある。

出典

  1. ^ Bett, Glenna C. L.; Rasmusson, Randall L. (2002). “1. Computer Models of Ion Channels”. In Cabo, Candido; Rosenbaum, David S.. Quantitative Cardiac Electrophysiology. Marcel Dekker. p. 48. ISBN 0-8247-0774-5 
  2. ^ Ning Qin, Riccardo Olcese, Michael Bransby, Tony Lin, and Lutz Birnbaumer (March 1999). “Ca2+-induced inhibition of the cardiac Ca2+ channel depends on calmodulin”. PNAS 96 (5): 2435–2438. doi:10.1073/pnas.96.5.2435. PMC 26802. PMID 10051660. http://www.pnas.org/cgi/content/full/96/5/2435 2007年10月22日閲覧。. 

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