タンパク多型と中立説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 08:35 UTC 版)
1960年代と1970年代の初めには、タンパクの進化とタンパク多型の維持の機構について大きな論争があった。このため、学生との共同研究により多型データを用いて中立説を検定する様々な統計的方法を考案した。対立遺伝子頻度の分布、種間の平均ヘテロ接合度とタンパク質の分化の関係などを用い、多くの生物種について様々な遺伝子の大量なデータを解析し、中立進化説のほぼ正しいことを証明した。ただし、非常に高い多型を示す主要組織適合遺伝子複合体 (major histocompatibility complex: MHC) 遺伝子座では超優性選択の行われていることを示した。また、偽遺伝子で進化速度の速いのは、中立進化説に一致することを示した。これらの結果は進化の中立説を支持するのに大きく貢献した。
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