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タンパク質 [Protein(s)]

 多糖、脂質、核酸とならんで生物体を 構成している主要な高分子物質である。約20種類のL-α-アミノ酸(グリシンを含む)がペプチド結合したポリペプチド鎖から成っている。構成するアミノ酸の種類、数、結合様式などによってタンパク質の種類は、分子量が約4,000のプロタミン類から分子量が数千万、数億に達するウイルスタンパク質まできわめて多い。ただし、分子量が10万程度以上のタンパク質は一般にいくつかのサブユニットの集合体である場合が多い。
アミノ酸のみから構成されている場合を単純タンパク質、アミノ酸以外の成分も含まれて構成されている場合を複合タンパク質という。前者にはカゼイン、コラーゲン、ケラチン、アルブミン、プロタミン、ヒストンなどがあり、後者には糖タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、色素タンパク質、金属タンパク質、リンタンパク質などがある。すべての酵素もこれらのいずれかのタンパク質である。また、その分子の形状から繊維状タンパク質(ケラチン、コラーゲン)と多くの球状タンパク質に分けられる。
タンパク質の構造は順次、一次構造(アミノ酸の配列)、二次構造(α-ヘリックスやβ-構造、ランダムコイル)、三次構造(特定の空間的配置)をとり、さらに三次構造の単位(サブユニット)が集合して四次構造をつくっている。一般にタンパク質は熱で変性しやすいが、これはその高次構造が破壊されるからである(好熱菌のタンパク質は耐熱性)。一般にタンパク質を抗原として異種の動物へ接種するとそれの抗体ができる。その抗体は抗原タンパク質と抗原-抗体反応をおこすので、この反応を利用して微量のタンパク質を検出することができる。タンパク質の標準物質としてウシ血清アルブミン(分子量66,000)がよく用いられる。

プロテインS

(proteins から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/12 09:25 UTC 版)

PROS1
PDBに登録されている構造
PDB オルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1Z6C

識別子
記号 PROS1, PROS, PS21, PS22, PS23, PS24, PS25, PSA, THPH5, THPH6, protein S (alpha), protein S
外部ID OMIM: 176880 MGI: 1095733 HomoloGene: 264 GeneCards: PROS1
遺伝子の位置 (ヒト)
染色体 3番染色体 (ヒト)[1]
バンド データ無し 開始点 93,873,051 bp[1]
終点 93,980,003 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
染色体 16番染色体 (マウス)[2]
バンド データ無し 開始点 62,674,670 bp[2]
終点 62,749,709 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 • calcium ion binding
• endopeptidase inhibitor activity
細胞の構成要素 • blood microparticle
• endoplasmic reticulum membrane
• ゴルジ膜
• 細胞膜
• 細胞外領域
• Golgi lumen
• エキソソーム
• platelet alpha granule lumen
• 細胞外空間
生物学的プロセス • 止血
• 線維素溶解
• platelet degranulation
• 凝固・線溶系
• endoplasmic reticulum to Golgi vesicle-mediated transport
• signal peptide processing
• peptidyl-glutamic acid carboxylation
• regulation of complement activation
• leukocyte migration
• negative regulation of endopeptidase activity
• negative regulation of blood coagulation
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
種 ヒト マウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_000313
NM_001314077

NM_011173

RefSeq
(タンパク質)

NP_000304
NP_001301006

NP_035303

場所
(UCSC)
Chr 3: 93.87 – 93.98 Mb Chr 3: 62.67 – 62.75 Mb
PubMed検索 [3] [4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト 閲覧/編集 マウス

プロテインS(Protein S; PROS)は、肝臓で合成されるビタミンK依存性[注 1]の血漿糖蛋白質である。

循環系では、プロテインSは“遊離型”と補体蛋白質であるC4b結合蛋白質(英語版)(C4BP)と結合した“複合型”の2つの形態で存在する。ヒトでは、プロテインSはPROS1遺伝子によってコードされている[5][6]。プロテインSは血液凝固に関与している。

構造

大きさは77kDa、長さは635アミノ酸である[7]。PROS1 遺伝子は第3染色体(3q11.1)に位置している。

プロテインSは、プロテインCや第VII、IX、X因子などの他のビタミンK依存性血漿凝固蛋白質と部分的に相同である。これらと同様にGlaドメイン1つとEGF様ドメイン(2つでなく4つ)を持つが、セリンプロテアーゼドメインは持たない。その代わり、性ホルモン結合グロブリンやコルチコステロイド結合グロブリンなどの血漿ステロイドホルモン結合蛋白質と相同な大きなC末端ドメインが存在する。このドメインは、活性化プロテインC(APC)の補因子として、あるいはC4BPとの結合において、蛋白質の機能に寄与している可能性がある[8][9]。

さらに、プロテインSはGlaドメインとEGF様ドメインの間にトロンビンにより切断されるペプチドを有する。GlaドメインとEGF様ドメインは切断後もジスルフィド結合によって結合したままであるが、プロテインSはこのペプチドの切断かC4BPとの結合のいずれかの後に、APC補因子としての機能を失う[10]。

機能

プロテインSの最も特徴的な機能は、抗凝固経路における役割であり、そこではプロテインCの補因子として第Va因子と第VIIIa因子の不活性化に関与する。遊離型のみが補酵素活性を持つ[11]。

プロテインSはカルボキシル化されたGlaドメインを介して負電荷を帯びたリン脂質に結合する。この性質により、プロテインSはアポトーシスを起こしている細胞の除去を促進する。健康な細胞では、ATP(アデノシン三リン酸)依存性酵素が細胞膜の外葉(外部表面)からホスファチジルセリンのようなマイナスに帯電したリン脂質を除去している。一方で、アポトーシスを起こしている細胞では、外葉のリン脂質の分布が維持できなくなり、細胞表面に負に帯電したリン脂質が出現し始める。これらの負に帯電したリン脂質は、マクロファージなどの食細胞に認識される。プロテインSは負に帯電したリン脂質に結合し、アポトーシス細胞と食細胞の橋渡し役として機能する。この橋渡しによって貪食が促進され、炎症等の組織損傷の徴候を示すことなく細胞を除去できる。

プロテインSは発生期の補体複合体C5,6,7に結合しない。補体に作用する「S-protein」は、VTN 遺伝子によって作られる別の蛋白質(ビトロネクチン)である。

発見

プロテインSは1977年に発見され、精製[12]された場所であるワシントン州シアトルにちなんで命名された[13]。

臨床的意義

PROS1遺伝子に変異があると、血栓症のリスクを高める稀な血液疾患であるプロテインS欠乏症(英語版)になる可能性がある[14][15]。

相互作用

プロテインSは第V因子と相互作用することが知られている[16][17]。

関連項目

注釈

  1. ^ 正常な生成・機能にビタミンKが必要である。

出典

  1. ^ a b c GRCh38: Ensembl release 89: ENSG00000184500 - Ensembl, May 2017
  2. ^ a b c GRCm38: Ensembl release 89: ENSMUSG00000022912 - Ensembl, May 2017
  3. ^ Human PubMed Reference:
  4. ^ Mouse PubMed Reference:
  5. ^ “Isolation and sequence of the cDNA for human protein S, a regulator of blood coagulation”. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83 (18): 6716–20. (September 1986). Bibcode: 1986PNAS...83.6716L. doi:10.1073/pnas.83.18.6716. PMC 386580. PMID 2944113. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC386580/. 
  6. ^ “Genes for human vitamin K-dependent plasma proteins C and S are located on chromosomes 2 and 3, respectively”. Somat. Cell Mol. Genet. 14 (1): 93–8. (January 1988). doi:10.1007/BF01535052. PMID 2829367. 
  7. ^ “プロテインS | 一般社団法人 日本血栓止血学会 用語集”. jsth.medical-words.jp. 2024年2月14日閲覧。
  8. ^ Stenflo J (1999). “Contributions of Gla and EGF-like domains to the function of vitamin K-dependent coagulation factors”. Critical Reviews in Eukaryotic Gene Expression 9 (1): 59–88. doi:10.1615/CritRevEukaryotGeneExpr.v9.i1.50. PMID 10200912. 
  9. ^ Rosner W (Dec 1991). “Plasma steroid-binding proteins”. Endocrinology and Metabolism Clinics of North America 20 (4): 697–720. doi:10.1016/S0889-8529(18)30240-8. PMID 1778174. 
  10. ^ “Primary structure of bovine vitamin K-dependent protein S”. Proceedings of the National Academy of Sciences 83 (12): 4199–203. (Jun 1986). Bibcode: 1986PNAS...83.4199D. doi:10.1073/pnas.83.12.4199. PMC 323699. PMID 2940598. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC323699/. 
  11. ^ “Regulation of coagulation by protein S”. Curr. Opin. Hematol. 15 (5): 529–36. (September 2008). doi:10.1097/MOH.0b013e328309ec97. PMID 18695379. 
  12. ^ “Protein S deficiency”. UpToDate. 2017年5月10日閲覧。
  13. ^ Kaushansky, K; Lichtman, M; Prchal, J; Levi, M; Press, O; Burns, L; Caligiuri, M (2015). Williams Hematology. McGraw-Hill. p. 1926 
  14. ^ “The prevalence of, and molecular defects underlying, inherited protein S deficiency in the general population”. Br. J. Haematol. 125 (5): 647–54. (June 2004). doi:10.1111/j.1365-2141.2004.04961.x. PMID 15147381. 
  15. ^ “Molecular basis of protein S deficiency”. Thromb. Haemost. 98 (3): 543–56. (September 2007). doi:10.1160/th07-03-0199. PMID 17849042. 
  16. ^ Heeb, M J; Kojima Y; Rosing J; Tans G; Griffin J H (Dec 1999). “C-terminal residues 621-635 of protein S are essential for binding to factor Va”. J. Biol. Chem. (UNITED STATES) 274 (51): 36187–92. doi:10.1074/jbc.274.51.36187. ISSN 0021-9258. PMID 10593904. 
  17. ^ Heeb, M J; Mesters R M; Tans G; Rosing J; Griffin J H (Feb 1993). “Binding of protein S to factor Va associated with inhibition of prothrombinase that is independent of activated protein C”. J. Biol. Chem. (UNITED STATES) 268 (4): 2872–7. doi:10.1016/S0021-9258(18)53854-0. ISSN 0021-9258. PMID 8428962. 

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