きょうどへんちょう‐ほうしゃせんちりょう〔キヤウドヘンテウハウシヤセンチレウ〕【強度変調放射線治療】
強度変調放射線治療
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 21:41 UTC 版)
強度変調放射線治療(Intensity-Modulated Radiation Therapy: IMRT)は、癌に対する放射線治療の手法であり、有害事象を低減すると共に、腫瘍の制御率を上げることができる。当初は、脳腫瘍と頭頸部癌(上咽頭癌や中咽頭癌など)、そして前立腺癌にしか保険適応がなかったが、現在では限局した固形悪性腫瘍全てに適応があり、この5年ほどで急速に普及し、一般的治療と認識される様になってきた。そもそも放射線治療とは、電離放射線のX線などを用いて、悪性疾患および一部の良性疾患に対する治療法の一つであり、外科的治療、化学療法と並んで癌の三大療法の一つとして位置づけられている。
- ^ 保医発0304第2号 第83の3 強度変調放射線治療(IMRT)
- 1 強度変調放射線治療とは
- 2 強度変調放射線治療の概要
- 3 IMRTの臨床応用
- 4 治療計画方法
- 5 運用
- 6 参考文献
強度変調放射線治療(IMRT)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:53 UTC 版)
「トモセラピー」の記事における「強度変調放射線治療(IMRT)」の解説
トモセラピーは、治療器本体がCTに似たドーナッツ状の形状をしている(ボア径85cm)。治療にあたってはスリップリング機構により、線形加速器(リニアック)と本体とで電力および制御信号をやりとりできるため、線形加速器を含め照射機構全体をガントリー内に収めて360°連続して回転させることが可能である。治療時にはこの回転する線源の中空部に寝台が入っていくため、患者には放射線がらせん状に照射されることになる。治療計画にあたり加速器の1回転は、51門に分割して(51方向から照射すると見なして)計算される。他の治療装置でIMRTを行う際の門数(通常7-9門)と比較して多門の照射となるため、より正常組織を通過する線量を少なくして、腫瘍への線量集中性を高くすることができる。また、回転照射であることから治療計画にあたって照射角度を意識する必要がなく、計画者の負担軽減となる。なお、電子の加速に用いる高周波はマグネトロン(magnetron)によって発生させており、6MVのX線が治療に供される。線量率はガントリー中心で約8.5Gy/minである。フラットニングフィルターは用いられない。ただし、モニタ線量計への極めて低いエネルギーの光子や電子の除去と検出効率向上のためのビルドアップ材としてモニタ線量計の前後に一組の均一な厚さのフィルタが備えられている。線源回転軸間距離(source to axis distance: SAD)は85cmである。
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