光電効果
光電効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/27 02:14 UTC 版)
デジタルカメラや太陽光発電の動作原理として広く利用されている。外部光電効果と内部光電効果の二種類があり、単に光電効果という場合は外部光電効果を指す場合が多い。内部光電効果は、光起電力効果とも呼ばれる[注 1]。
外部光電効果

物質に光を照射すると、光と電子の相互作用によって、光のもつエネルギーが電子に与えられ、電子(光電子)が物質の表面から放出される。この現象を外部光電効果、または単に光電効果と言う。広義には電子のみならず、原子や分子が外部に放出される現象も含める。また、気体の原子や分子が自由電子を放出する光イオン化(英: photoionization、光電離)も広義の外部光電効果である。
光電子の放出は物質に一定の振動数以上の光を照射した時のみ発生する。このときの振動数を限界振動数 ν0 と言う。またその時の波長を限界波長 λ0 と言い、これらの値は物質の種類によって決まっている。入射光の強度にはよらない。
この現象の起こりやすさは仕事関数 φ で表すことができ、ν0 と λ0 を用いて書くと、c を光速、e を電気素量として
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内部光電効果:半導体や絶縁体に光を照射すると電子が励起する 半導体や絶縁体に充分に短波長の光を照射すると、物質内部の伝導電子が増加する現象、またそれによって起こる電気伝導率が増加するなどの現象を内部光電効果と呼ぶ。光伝導(英: photoconduction)、光導電とも言う。半導体や絶縁体において、価電子帯や不純物準位などにある電子が光子のエネルギーを吸収し、伝導帯などへ励起される。この励起された電子を光電子と呼ぶ。これによって伝導電子や正孔が増加するため、導電性が増す。この性質を光伝導性(英: photoconductivity)、光導電性という。この時の電気伝導率の増加は、キャリアの電荷を e、キャリアの寿命を τ、移動度を μ、体積・時間あたりの光子数を f、1光子あたりに生じるキャリア数(量子効率)を η として
光電効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 01:55 UTC 版)
アインシュタインが光の粒子性に関する1905年の論文を発表したとき、ミリカンは光が波動だとするこれまでの膨大な蓄積によってアインシュタインの論文は正しく評価されないだろうと考えた。そこで彼はアインシュタインの理論を評価する10年に及ぶ実験を開始した。そのためには、非常にきれいな表面の金属電極を作る必要があった。実験結果はあらゆる面でアインシュタインの予測を立証していたが、ミリカンはアインシュタインの理論が正しいことに確信を持てなかった。1916年、彼は「アインシュタインの光電方程式は私の判断では今のところ満足できる理論的基礎を持たない」が、それでも光電効果の「実際の現象を非常に正確に表している」と記している。その後1958年に出版した本では、単に彼の実験結果は「アインシュタインの光の粒子論以外のいかなる解釈も不可能だ」と明言している。光電効果の定量的実験により、ミリカンは光電子のエネルギーと光の波長からプランク定数を求めた。 ミリカンの業績は現代の素粒子物理学の基礎の一部となっているが、ミリカン自身の考え方はそれよりやや保守的だった。例えば、1927年版の彼の教科書でもエーテルの存在を明言しており、アインシュタインの相対性理論についてはアインシュタインの顔写真を掲載した部分で当たり障りのない注記として触れているだけだった。また、1928年には「(爆弾も含めた)原子力利用は不可能だ」と発言している。
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