線量分割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/25 08:25 UTC 版)
定義上、精度さえ保たれていれば、一回あたりの線量が1.8 - 2Gy程度の通常分割照射であっても定位放射線治療であるが、歴史的背景と定位放射線治療の線量分布上の利点から、単回照射にせよ分割照射にせよ多くの報告では一回あたり大線量が処方されている。 分割照射は有害事象を抑える目的でなされるが、その際、大きく分けて、二つの手法がとられている。一つは癌細胞より正常細胞の方が放射線による障害から回復しやすいという生物学的特性による副作用低減を期待して、通常照射のように連日照射を行なうものである。そして、もう一つは初回照射による癌組織の容積減少(debulking)を期待し、次回の照射体積を小さくすることによる障害の低減を狙って、ある程度の期間を空けて二期的に照射するものである。 実際、悪性腫瘍の再発時の再照射などにおいては一回大線量よりも通常分割照射の方が有害事象が少ないとの報告もあり、患者の病態を考慮した上で、線量分割は医師の裁量にゆだねられる。
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線量分割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 20:04 UTC 版)
1回線量は従来の放射線治療で用いられてきた1.8 - 2 Gy用いられることが多い。しかし、従来の点処方の2GyとIMRTのD95処方の2Gyとでは、後者の方がより高線量が投与されることになるので、注意する必要がある。こういう議論の際は、概ねD50処方が従来の点処方に対応するとされることが多い。 治療成績向上や治療期間の短縮などの目的で、分割回数を少なくして1回線量を大きくする試みも盛んに行われている。分割回数の少ない照射のことを寡分割照射(hypofractionated radiation therapy)と呼ぶ。 また、肉眼的腫瘍体積(Gross Tumor Volume: GTV)を含む臨床的標的体積(Clinical Target Volume: CTV)への一回線量を予防領域を含む臨床的標的体積への一回線量よりも大きくして照射する技術も存在する(SIB)。総治療期間を短くできる利点があるが、スケジュールによっては予防領域の一回線量が通常分割照射の一回線量よりも小さくなることがあり、その場合の予防領域の制御率が下がるのではないかという疑念も残る。
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