治療計画方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 20:04 UTC 版)
放射線治療では、治療に先立ち、どのように病変に対して放射線を照射するかという計画を立てる。 現在は、通常、コンピュータ断層撮影(Computed tomography: CT)の画像を基本として治療計画が行なわれる。治療計画用 CT は 120-140kv 程度のエネルギーで撮影されるのに対し、実際の治療では 6-10MV といった高エネルギーの X 線が用いられる。エネルギーが異なると、それぞれのX線と物質との相互作用は異なるため、治療時の体内各部位の吸収線量を求めるために、あらかじめ、補正用に、CT値と電子密度を変換するテーブルを用意しておく必要がある。これにより、X 線と物質との相互作用が光電効果であるCT画像においてX線の吸収の度合いを数値化したCT値を元に、コンプトン散乱が主体である治療時の吸収線量を算出することができる。実際の線量計算には、superposition法相当か、モンテカルロ法などが用いられる。 CTのみでは、癌の広がりや正常臓器との位置関係を把握するのが難しいこともあり、このような場合、核磁気共鳴画像(Magnetic resonance image: MRI)や陽電子放射断層撮影(Positron Emission Tomography: PET)の画像を CT に重ね合わせて、参考とすることもある。かつては、こういった手法も、IGRT に含まれていたが、現在は IGRT は照射時に取得した画像で位置を補正する技術とするのが普通である。 通常の放射線治療(三次元原体照射(3D-Conformal Radiation Therapy: 3D-CRT))と比べ、遙かに複雑な照射を行なうIMRTでは治療計画におけるコンピュータへの依存度が高い。このため、両者の治療計画の方法は大きく異なる。
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