スポットスキャニングとは? わかりやすく解説

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スポットスキャニング

別名:スポットスキャニング照射法
英語:spot scanning

がんの陽子線治療のうち、陽子線拡散させず、スポット(点)的に高速照射する手法のこと。

スポットスキャニングでは、従来行われてきた散乱体法と異なり腫瘍三次元的な形状をなぞるように高精度照射が行われることから、周囲の健全組織への照射最小限抑制されている。照射する線量は、事前X線CTスキャン検査結果に基づきスポットごとに最適になるように調整されている。

また、スポットスキャニングでは、余分な中性子線などの放射線発生抑制することができるほか、患者ごとに「コリメータ」や「ボーラス」と呼ばれる調節器具作製する必要がないことから、コリメータボーラス放射性廃棄物として処理する手間も省くことができ、安全面でも優れた方法となっている。コリメータボーラス不要であることは、治療開始迅速化にも繋がっている。

陽子線治療装置にスポットスキャニングの機能搭載するためには、薬事法に基づく別途製造販売承認が必要である。2011年国内初めて、株式会社日立製作所製作した陽子線治療システムPROBEAT-III」が承認を受け、名古屋陽子線治療センター運用された。

2014年には、日立製作所北海道大学共同開発による新装置「PROBEAT-RT」を備えた北海道大学病院陽子線治療センター設立された。従来、スポットスキャニングは呼吸により位置変化しない頸部脊椎骨盤などへの照射適した手法とされていたが、「PROBEAT-RT」には動態追跡技術用いられ臓器などの常に位置変化する部位にある腫瘍対す照射も行うことができるようになった

関連サイト
陽子線治療装置のしくみ - 名古屋陽子線治療センター
日立と北大が共同開発した「陽子線治療装置 PROBEAT-RT」が薬事法に基づく医療機器の製造販売承認を取得 - 株式会社日立製作所



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